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「イーランドの神話」…9月の全面ストライキにつなげる

流通業界初の共同闘争... 非正規労働者もともに

オドヨプ記者 odol@jinbo.net / 2006年08月29日16時06分

黒い背広にムースを塗った頭。今、見慣れたものが異常に見える。労組との争 いがある事業場に必ず現れる用役警備業者職員。ソウルの新村にあるイーラン ド本社を訪ねた日、正門には黒い洋服が列をつくっている。

イーランド労働組合は、22日から本社駐車場で野宿座り込みに入った。イーラ ンド側は3月6日、労働組合に団体協約解約を通知した。労働組合は専従削減、 労組幹部の人事移動時の合意事項を協議に変更、労組活動と教育時間削減を含 む団体協約「改悪案」を貫徹させようとする使用側の陰謀と対立してきた。

イーランド労組5年ぶりにストライキを準備

40回ほどの交渉は、空回りし、9月6日の団体協約満了日が目前に近づいた。労 働組合は「使用側が修正案を出さず、労組に改悪案の受け取りだけを要求する のでこれ以上の交渉は無意味」という立場を明らかにした。

「会社側は、賃金についても凍結を打ち出している。物価上昇を考慮すると賃 金削減案だ。その上、地方労働委から復職判決を受けた組合員をまだ復職させ ずにいる。交渉にも、労務担当課長、代理を出して交渉時間の引き延ばしをし ている。9月6日の団体協約満了時期を待っているのだ」。

イーランド労働組合のイナムシン首席副委員長は、使用側の交渉の無誠意に怒っ ている。団体協約の解約で労働組合を無力化させることが会社の方針だと考え ている。労働組合は、団体協約満了日の9月6日の前日、5日に全面ストライキ 出征式を準備している。

8月29日の争議対策委員会会議と8月31日の組合員総会を経て、ストライキを決 議しようとしている。2000年と2001年にかけて展開された265日の全面ストラ イキから5年ぶりに、労働組合はストライキを選択したのだ。

265日ストライキで正規職転換

イーランド労働組合のストライキは、単に単位事業場だけの意味を持つのでは ない。2000年のストライキの時に労働組合は「非正規職の契約職職員の賃金は、 個別に処理する」という使用側の立場に反対して全面ストライキに突入した。 非正規職の問題を正規職労働者が共に戦ったのだ。

足掛け二年にわたるイーランド労働組合の265日の長いストライキは、労働運 動に大きな一線を引く成果を残した。非正規職員の正規職転換を会社と合意 する。

1980年、梨花女子大前で500万ウォンの資本金で保税服店舗から始まったイー ランドが、財界37位の屈指の企業に成長したことは『神話』と言われる。イー ランド労働組合が265日のストライキで非正規職から正規職への転換を編み出 したのも、それに劣らない労働運動の『神話』だ。

神話は誰が継続するのか

イーランドのホームページには「21世紀にもイーランドの神話を続ける」とい う文句が書かれている。イーランド労働組合も、2006年の労働運動でもうひと つの神話を切りひらいている。

イーランド労働組合は、カルフール、ニューコア労働組合と共に、流通業界初 の共同闘争という『神話』を作った。5月にカルフール、ニューコア、イーラ ンド労組は共同闘争本部を設置、「雇用不安、労組弾圧に対抗して3社が共同 対応し、懸案問題を解決し、共同闘争を基礎に3社労組の統合を準備する」と 明らかにした。

共同闘争本部を中心として、3社は解雇者復職闘争などを共同で行い、共同闘 争の力はニューコア労組の交渉妥結を達成する結果を産んだ。

カルフ労働組合の金ギョンウク委員長は「イーランドのタコ足的企業規模拡大 で、イーランド系列の労働者は共同運命という自覚を持って自然に団結した。 流通業界では初めて試みられる共同闘争だということに大きい意味がある」と 言う。

助け合いを越えて共同闘争

カルフ労働組合は、非正規職にも組合を開き、約1000人の組合員のうち300人 ほどが非正規職だ。金ギョンウク委員長は「非正規職を組織せずには正規職も 生き残れない」という意識が、組合を積極的な非正規職組織に駆り立てたとい う。

イーランド労組のイナムシン首席副委員長も「3社共同闘争の意味は流通業界 労働者統合の橋頭堡を作ること。非正規職が蔓延する流通業界では、間接雇用 労働者までを労働組合が組織する試みだ」という。

5年前の265日ストライキ闘争で非正規職の正規職転換を達成したイーランド労 組が、またストライキを準備する理由もここにある。イナムシン首席副委員長 は「団体協約、賃金、解雇者問題でまたストライキを準備している。イーラン ドだけではなく、カルフとの同時妥結を目標に共同闘争を展開する。カルフ労 組も実情に合わせてイーランドと共同闘争を展開することにした」という。

9月のイーランド労働組合のストライキは、流通業界労働組合の助け合いを越 える共同闘争の中心になるだろう。今後、非正規職まで組織する流通労働者の 単一組織を作る種になるのではないかという慎重な展望もある。

金ギョンウク委員長の言葉が思い出される。「連帯闘争ではありません。共同 闘争です」。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2006-09-03 09:15:34 / Last modified on 2006-09-03 09:15:35 Copyright: Default

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