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ヨルリンウリ、「緊急調整は法に保障された民主的な調整手続き」

キムデファン長官の緊急調整発動に対する 各界の交錯した反応

ユン・テゴン 記者peyo@jinbo.net

アシアナ航空操縦士労組に対するキムデファン労働部長官の緊急調停権発動の 発表以後、各政党と韓国労総、経済人総連は緊急声明を発表した。その中で、 ヨルリンウリ党はすべての責任を労組に転嫁して、緊急調停権の決定は民主的 な調整手続きだと主張した。

ヨルリンウリ、「緊急調整は不可避な選択だと理解する」

ヨルリンウリ党は、チョンビョンホン報道官名の声明で、残念さと遺憾の意を 示すと前提にしつつ、「政府の緊急調停権発動は航空労組の長期ストライキに よる国民経済の莫大な損失と国民生活の不便、航空安全に対する心配などを考 慮した最善ではないが次善の不可避な選択だったと理解する」とし、「緊急調 停権の決定は、労使の自主的な解決が不可能な状況に対して法律で保障された 民主的な調整手続き」と主張した。

続いて「操縦士労組はストライキを中止して現業に復帰し、飛行の安全に万全 を期さなければならず、使用側は自分たちの頑固な交渉態度を反省し、真剣な 姿勢で熱意と誠意を持って交渉に臨み、労使双方が自主的な妥結に努力しなけ ればならない」と述べ、自分たちは「労使自律、労使自治の大原則の下に対話 と妥協で労使が共に発展する社会を作るために最善の努力を傾けることを約束 する」と述べた。緊急調整は民主的手続きだが、労使自律と労使自治は自分た ちの大原則だという主張は、まったくつじつまが合わない発言である。

ハンナラ、劇薬処方だと批判しつつ、妙なニュアンスを残す

ハンナラ党は、『労使参与政府ではなく、労使葛藤政府ではないのか』という 声明を発表し、労使双方と盧武鉉政府を同時に非難した。チョンヨオク報道官 名の声明でハンナラ党は、緊急調停権発動を労使葛藤の劇薬処方だと規定しつ つ、「何と25日の間、政府は手をこまねいて、何の対策も打てず、緊急調停権 というカードを切った」とし、「盧武鉉参与政府はアシアナ労使双方をただ傍 観するばかりだった」と付け加え、早期の公権力投入を望むかのようなニュア ンスを残した。

民主労働、「労働部長官が支援するのに、使用側は譲歩する理由がない」

巨大両党とは別に、民主労働党は『緊急調停権を廃止すべきだ』という声明を 発表し、政府とキムデファン労働部長官を強く糾弾した。民主労働党は声明の 冒頭で「キムデファン長官の一連の反労働者的な動きに続いて大韓民国の歴史 で3回目の緊急調停権を行使するに至った」と責任の所在を指摘した。

また、「交渉が決裂すれば緊急調停権を発動するという労働部長官の強い支援 があるのに、使用側は譲歩する理由がない」とし、政府とアシアナ使用側はグ ルだと指摘した。続いて民主労働党は「憲法に保障されている労働三権保障の ために労使の自主的な交渉を基本的に封じ込める緊急調停権の廃止はもちろん、 反労働者的な政府の政策に労働界全体とともに戦う」と明らかにして声明を終 えた。

韓国労総、「キムデファン長官もうこれ以上はだめだ」

緊急中執会議に突入した民主労総は明日の午後に記者会見を開き、明確な立場 を明らかにすることにしている中で、韓国労総も声明を発表した。韓国労総は、 緊急調停権の発動は参与政府自らが無能と傲慢を表すもので、強圧と強制によ る労働弾圧の時代に回帰することだと指摘した後、今回の措置は法的にも問題 があるという立場を提出した。

韓国労総は、「緊急調整の発動は憲法上の基本権である労組の争議権を強制的 に封じ込める行為で、厳格な法律的要件を備えていなければならない」とし、 「民間航空事業は公益事業に値せず、25日目のアシアナ操縦士のストライキで も『顕著に、国民経済に害悪』を招いたこともなく」、緊急調整の法的要件も 備えていないと指摘した。

また、現行の緊急調整制度は、権限乱用の余地が大きい悪法条項で、必ず撤廃 すべきだと明らかにした韓国労総は、「キムデファン労働部長官はこれまで、 緊急調停権の発動で嚇し、労使間の自主的な交渉を妨害した。会社側の被害の 主張だけに執着したあげく、アシアナ操縦士労組を犠牲にしてしまった」とし、 「政策上の無能と傲慢を再び表わしたキムデファン労働部長官の退陣と現政権 の労働政策チームの全面改編を要求」した。

韓国労総は、「民主労総とアシアナ操縦士労組に対して支持と連帯を表わし、 今後は民主労総と共に強力な連帯闘争を展開していく」として声明を終えた。

経済人総連、「多少遅い感があるが幸いだ」

一方、経済人総連は、多少遅い感があるが幸いだと、両手をあげて歓迎した。 10日の午後に発表された声明で韓国経営者総協会は「アシアナ操縦士ストライ キで、関連産業と国民経済に莫大な被害がもたらされている状況で措置が形成 されたという点で、多少遅い感がある」とし「だが、政府が積極的に解決する 意志を見せたという点では幸い」だと明らかにした。

また「緊急調整決定は選択の余地がない避けられない措置」とヨルリンウリ党 と同じ言葉を使い「政府の緊急調整決定に対して民主労総が連帯ストライキを 行うことにしたのは、円満な解決を期待する国民的な希望に冷水を浴びせる無 責任な態度」と、民主労総にも非難の矢を浴びせた。

2005年08月10日20時28分

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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