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韓国労総ゼネストD2、組合員6万人以上が参加するもよう

事実上政治的性格の大規模集会…「金テファン烈士死亡への怒りに大きな共感」

金テファン支部長が亡くなってから4日で22日、韓国労総がゼネストを宣言し てから15日がたつ。先月21日、7日のゼネスト突入を宣言した韓国労総は約2週 間、『闘争状況室』を設置してストライキを組織する一方、各種の決意大会と 写真宣伝戦で、全国の市民にこの事件を知らせてきた。

韓国労総の各労連と単位事業場内でもこれに対する関心は以前と比べて非常に 高いのは事実だ。しかし来る7日のゼネストを2日前にした4日現在、韓国労総 の単位事業場で、実際にストライキに突入できる労組は多くないものと把握さ れている。

労総内でもゼネスト宣言以後の切迫した時間と、相次いで続いた闘争事業によ り、『ストライキ総投票』を組織できなかったばかりでなく、事実上、 『政治的性格』を持つストライキに出るには単位労組の負担も大きい。その上、 非正規法案の国会での議論と最低賃金闘争まで重なり、韓国労総がストライキ を組織する困難は少なくなかった。これに伴い、韓国労総でも組合員が参加す る大規模な『全国労働者大会』の性格で7日の集会を準備している。

韓国労総と傘下の各労連によれば、来る7日に開かれる集会には約6万人の組合 員が参加すると推測される。当初、公言していた10万人が参加するゼネストと は差があるが、昨年11月に開かれた『韓国労総全国労働者大会』の参加人員が 2万5千人だったことに較べると、注目できる数字だ。参加人員も増えたが、昨年 の労働者大会が週末に開かれ、今回の集会が平日であることを考慮すると、 韓国労総の闘争力がかなり向上しているのは事実だ。また毎年開かれる 『労働者大会』が、各産別の懸案および各単位事業場の臨時団体協議を解決する 集中集会だったため、今回の集会は事実上『政治的性格を持った集会』であり、 韓国労総では非常にめずらしい事例と評価されている。

闘う韓国労総、席を占めるか

特に今回の韓国労総の7・7ゼネストは『キムデファン長官退陣』を中心的な目 標とする対政府闘争だという点で意味が大きい。

故金テファン支部長の死に対する怒りがこれを追求させた核心的な力だが、 単位事業場別懸案と連結しない闘争に参加しなければならない傘下各組織の 困難も小さくないからだ。実際に『政権退陣、長官退陣』等の 政治的スローガンに対する反発も全くなくはない。

このような困難、反発によって、韓国労総での『政権退陣スローガン』は 『キムデファン長官退陣』に自然に(?)代替された。

これにより今回のゼネストを準備する態勢は、各組織別に大いに違っている。 昨年の労働者大会に5千余名が参加した金属労連は、今回の集会に1万人以上が 参加するものと自信を持っている。それだけ今回の闘争の重要性に付与する 意味が大きく、今回の事件に対する現場の雰囲気も熱いということだ。

しかし一部の労連では、昨年の参加水準を維持するのも汲々としている状態だっ たり、逆にさらに減るところもある。「今回の闘争に対する目標および方法に ついての認識のギャップが大きく作用している」と、各労連および内部の関係 者が伝えている。

また、今回の闘争の特徴は、地域本部の動きが明らかに活発になっている点だ。 地域本部の場合、代表者の半分以上が断髪し、韓国労総闘争指針の実行率も産 別より高かった。 特にこれまで地域本部は韓国労総で『別に遊んでいる組織』と評価されてきた ことを考慮すると、韓国労総はすでに今回の闘争を通して「内部革新」の面で 多くの成果をおさめていると見られる。

ここには故金テファン支部長の惨めな死に対する韓国労総全体の怒りがとても 大きかったという点、そして事態収拾過程で政府が見せた態度に対する批判的 な視線が大きな影響を及ぼしているのは事実だ。闘争の正当性に対する共感が 広がっているということだ。

大部分の産別労連と傘下単位労組では、ゼネストはできなくても、7日当日の部分 スト、代議員大会開催、組合員教育、非番の組合員を中心とした集会参加の 決意を新たにしている。また大部分の産別は4日から6日にかけて、中央委員会、 代表者会議などを開く計画をすでに整えている。この会議を通して、終盤まで 最大限、集会参加を誘導する計画をたてており、これに伴い参加人員はさらに 増える可能性がある。

労使関係先進化方案を前にした『前哨戦』

韓国労総の今回の闘争の経験は、今後の『労使関係先進化方案』の戦いにも大 きな影響を及ぼすものと見られる。

中小企業体の労組が多い韓国労総は、特に『専従賃金支給禁止』条項をめぐり ほとんどの幹部がすでに今年初めから口癖のように「この条項がそのまま通過 すれば、ゼネストは避けられない」という発言をしてきた。

このような雰囲気を見ると、今年下半期の『ロードマップ議論』で労使政間の 大激突は避けられないものと展望されている。 これに伴い、今回の闘争は今後韓国労総がゼネストを組織するにあたっておお いに役に立つという分析もある。 大きな闘いを前にした一種の『予行演習』というわけだ。

韓国労総のある関係者は「闘う韓国労総として新らしく立ち上がるといっても、 一度の経験ですべてを成し遂げることはできない」と説明した後、「今後、 大きな闘いを控えているので『予行演習』と考えるだけでもとても役に立つだ ろう」と話した。

また今回の戦いは『ロードマップ前哨戦』の性格も強い。韓国労総は今回のゼ ネストの核心目標を『キムデファン長官退陣』と定め、政府を対象とする戦い であることを明らかにした。特に韓国労総は、先日の非正規交渉の過程を評価 して、『キムデファン長官体制下』では『交渉の進展が不可能』だと判断している。 今後の円滑な交渉のために、キムデファン長官退陣を掲げたのである。

イヨンドク委員長も「闘争より対話を望んだが、今キムデファン長官が労働部 長官である限り、闘争に出るほかはない」という言葉を強調してきた。 現状況で『キムデファン長官退陣』は、結果的に政府と労働界の力の均衡を決 める重要なポイントになる。これに伴い、今回の戦いは今後の 『労使関係ロードマップ』の議論、あるいは戦いにも大きな影響を及ぼすもの と予想される。

金テファン長官退陣、長期戦になるか

韓国労総がゼネストではない一回だけの大規模集会で今回の闘争を終わらせれ ば、労働界の『金テファン長官退陣闘争』は長期戦に進むことが避けられない と予想されている。

『交渉』の余地がない『真剣勝負』では、結局『実力』が勝負を勝利に導くか らだ。先月30日、二大労総が金長官退陣を共同目標として公式化し、7月と8月 にかけて闘争を始めると言ったことも、その準備と分析される。

しかし韓国労総のストライキ集会に続いて民主労総も8日に集会を行い、 二大労総が来る20日に共同集会を開くなど、『力』を固めつつあり、 容易に勝敗は占えないと労働界関係者は判断している。 この他にも二大労総は来る15日の『時局討論会』と、 持続的な『長官退陣署名運動』を通じて、戦いを続ける意志をすでに固めた状態だ。

また、韓国労総には勝敗に大きな影響を及ぼせす『大きな武器』がまだ一つ残っ ている。つまり韓国労総が参加している各種委員会脱退だ。韓国労総中央が参 加する各種政府委員会だけで70余り。脱退だけでも韓国労総が政府に与えるこ とができる打撃は大きい。「韓国労総が大規模集会を開くより、政府をさらに 威嚇できるカードは、政府との協力体制の全面的中断」という話さえ韓国労総 内から出ているほどだ。

しかし韓国労総内部でもこれは政府だけでなく、労働界をも傷つけかねない 『両面の刃』と受けとめている。実際に中央労働委や地方労働委からの脱退は、 それ自体として脅迫的だが、この機構が『労働者被害救済機構』であるだけに、 その影響は直ちに労働者たちに及びかねない。また、地域労使政委からの脱退 は地域本部の反発を、産別が参加する委員会の脱退はそのまま産別の反発につ ながり、内部で逆風が吹く可能性も排除できそうもない。

韓国労総のある関係者は「労働界が核心的な役割をしている委員会からの脱退 は、脅迫的でありえるものの参加団体の一部分に過ぎない場合は、労働界の意 見も反映されずに政策が施行される危険もある」といった問題を提起しつつ、 「内部での逆風も考慮すべきだ」と話した。

しかし民主労総でも「社会的対話のために困難を押し切ってここまできたが、 また社会的対話からの脱退を深刻に考慮している状況」と話すほど、二大労総が 全面戦争の戦いを繰り広げる意思を確かめ合っている。それだけに労働部と 政府も、韓国労総の闘争以後の戦術的変化は避けられものと予想される。

金ポンソク記者seok@labortoday.co.kr

2005-07-05午前8:53:16入力(c)毎日労働ニュース

原文

翻訳/文責:安田(ゆ)


Created byStaff. Created on 2005-07-05 16:13:18 / Last modified on 2005-09-05 08:16:59 Copyright: Default

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