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News Item 20050524ulsan
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[論評]建設プラント労働者闘争が重要である理由

資本の企画に正面から衝突する「発注者の使用者責任認定」を要求

チャムセサン

警察庁は23日、ソウル大学路のマロニエ公園に集り、大統領府に向かって三歩 一拝の行進をした蔚山建設プラント労組員580人を連行した。 蔚山プラント労働者がソウルにきた理由は簡単だ。使用側との団体交渉を要求 するためだ。蔚山建設プラント労働者の要求内容を見れば息が詰まる。お手洗、 食堂、シャワー室、休憩室設置、産業安定長久支給と安全施設設置、 不法多重下請け根絶、労働三権保障、団体協約締結要求が全てだ。

専門建設業者で構成された蔚山工団建設経済人協議会は、「労組が不法行為を 中断しない限り、いかなる外部の圧力があってもプラント労組との対話はしない」 という立場で、発注者の集まりである蔚山市工場長協議会も 「発注社に圧力を加えて協議をさせようにする労組には屈服しない」という 態度を曲げずにいる。特に、今回の交渉にたった12業者のうち8か所に発注した のはSK(株)なのだが、SK(株)が労組を認めないため交渉に一歩も進展せずにいる。

盧武鉉政権は既に蔚山地域建設プラント労組のデモ参加者と主導者全員を司法 処理、ハイニックスマグナチップ労組の不法行為を厳重に処断、ダンプカー労 組の不法行為者処罰などを決定した。なにかにつけてタスクフォースチームを 作るのが好きな盧武鉉政権は、今回も法務部、行政自治部、産資部、労働部、 建設交通部、警察庁などの関係部署の実務責任者で労使関係対策タスクフォース チームを構成し、主要業種と事業場の賃団交状況を点検し、これを支援する 役割をしている。蔚山地域でもプラント労働者の抵抗が続き、パンメンウ 蔚山市長とキムテヒョン蔚山地検長、ソンイムド蔚山警察庁長官は7日に緊急 共同記者会見を自ら要望し、「過激・暴力デモを主導した主導者を見つけて 全員司法処理する」と、強硬な方針を闡明した。ついに警察は去る8日、 ソウル警察庁からの高圧散水車と放水銃車両を支援を受けて、この車両は実際に 17日の集会の時、強制解散に動員したことが知らされた。

社内下請け労働者の直接雇用・正規職化闘争や、建設労働者の発注者の使用者 責任認定要求と多重下請け撤廃と不当労動行為根絶闘争は、発注者を相手にし ていることに共通点がある。下請け労働と多重下請け構造の維持は労働者内部 を分割して階層化することであり、労働柔軟化を高めようとする資本の企画と 符合する。資本は日常現場でこうした人為的な企画事実を隠蔽するなかで緻密 に労働を管理している。

したがって、非正規職労働者たちが「発注者の使用者責任認定」を要求するこ とは、資本の企画と正面から衝突する。資本がたった一度の交渉にも応じない のもこのためだ。結局、建設プラントの労働者がお手洗ひとつ建ててくれとい う要求さえ受け入れない。ここに「不法は厳しく処断、主導者処罰」という、 壊れたレコードを動員し、デモの参加者を全員連行する政権の態度がかみあっ て、70年代や80年代のような珍しい風景が再燃しているのだ。

社内下請け労働者の不法派遣闘争と建設プラント労働者の闘争が重要な理由は、 単に非正規職闘争が重要だという当為性ではない。今、彼ら非正規職労働者の 闘争は、新自由主義の労働柔軟化が集約されている現場で、その搾取と抑圧の 二重、三重の秘密を毎々に暴露することにある。さらには、ハイニックス・マ グナチップ、ダンプ労働者、蔚山プラント労働者の闘争は、上半期の民主労組 運動が何に集中し、何をすべきなのかを知らせる点で、重大な意味を持つ。

民主労組運動の中心が国会環労委と労使政代表者会議に注がれ、民主労組運動 の指導部が非正規法案処理延期にあたふたとしている間にも、彼らの闘争は、 事実上、現場での抵抗なしに生存権と労働権は守れないことをいきいきと見せ ている。これらの労働者の抵抗の前で、4月の臨時国会非正規法案強行処理の 留保を巡り、成果かそうでないかに言及することこそ、真に見苦しいことと言 わざるをえない。

6月の国会を控え、労使政代表者会議が再開されるという風聞が出ている。 今回の労使政代表者会議が再開されれば、非正規法案問題で、さらに交渉機構 構成の問題にも言及されるものとみられるが、この議論が進められれば 労働組合運動のあらゆる関心は社会的交渉機構の側に急激に重心が移動するだろう。 例えこの絵が本当に非正規職問題解決にとって、どんな助けを与えられるのか、 本当に探ってみなければならない。

そしていまは蔚山プラント労働者の闘争に、非正規労働者の抵抗を拡散させる ところにあらゆる関心を集中しなければならない。今、民主労組運動において、 戦線は蔚山と清州にあるという言葉は、少しも過激な煽動ではない事実なのである。

2005年05月24日17時46分

原文

翻訳/文責:安田(ゆ)


Created byStaff. Created on 2005-05-24 23:40:32 / Last modified on 2005-09-05 08:16:45 Copyright: Default

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