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News Item 20050523ulsan1
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「集会未申告」を理由に全員連行とは?

警察、プラント労組「三歩一拝」過剰対応に論議

チェミラ記者

*△大学路から大統領府まで三歩一拝デモを行おうとした蔚山プラント労組員が警察に連行されている。(C)プロメテウス ヤンフィソク*

*△700人あまりのソウル上京組合員全員が警察に連行されている。(C)プロメテウス ヤンフィソク*

蔚山建設プラント労組ストライキ事態の解決を要求するために、大学路マロニ エ公園から大統領府まで「三歩一拝」をしていた民主労総指導部をはじめとする プラント組合員およそ600人が全員警察に連行されるという初めての事態が起きた。

特にこの日の集会と行進(三歩一拝)は、「既に集会申告書を提出した合法的な 行事だったのに、警察が無理に『不法』と規定して強制連行した」という 非難が起きており、波紋が広がるものと見られる。

警察「未申告の不法集会強制解散は当然」 労組「申告された合法集会強制解散は公権力の暴挙」

蔚山プラント労組組合員およそ650人が23日午前、光化門のSK本社前で開かれ た記者会見を終え、三歩一拝の出発予定地だったマロニエ公園に到着し、事前 決意大会を始めたのは午後1時頃。

民主労総シンスンチョル副委員長、建設連盟ナムグンヒョン委員長、ダンプ連 帯キムグムチョル議長、民主労働党チェギュヨプ最高委員などの来賓を迎えて 開かれた事前決意大会で、参席者は「今日こんなに多くの組合員がソウルにま できて三歩一拝をするのは、事態解決を懇々と願う私たちの意思が全国民に知 られることを希望したため」とし「今日は、警察とどんな摩擦も無く、平和に 私たちの意思を知らせたい」として平和デモの意志を何度も明らかにした。

*△整然と三歩一拝中の蔚山建設プラント労組組合員.(C)プロメテウス チェミラ*

*△他の組合員が連行され一人で残された組合員が前を遮る機動隊の前で黙黙と座っている。(C)プロメテウス ヤンフィソク*

しかし警察は集会の途中にも「この集会は申告されていない不法集会だ。すぐ に集会を中断して解散しなさい」と数回放送する等、強制解散の立場を明らか にし、民主労総などの関係者から強力な抗議を受けた。

民主労総の関係者は「今日の集会と行進は、建設連盟傘下のダンプ連帯が既に 申告書を提出し、連帯集会であることを明確にしている」とし、「法的に何も 問題がない集会を不法だと規定する理由は何か?」と問い質したが、警察側は 「申告された集会はダンプ連帯の集会なのに、蔚山建設プラント労組が事実上、 集会を主管しており、内容も蔚山建設プラント労組と関連するものなので、今 日の集会は申告されたものと見られない」とし、「不法集会」だという立場を 繰り返し明らかにした。

これに関して民主労総の関係者は「警察の主張の通りなら、これまで民主労総、 または各連盟が主管したあらゆる集会は不法だったということだ。この数カ月 間、民主労総や所属連盟が行った集会の大部分が非正規職闘争事業場に関する ものだったのに、これがすべて不法だとすれば、当然その時も全員連行してい くべきではなかったのか?」と警察の無原則な法適用を強く非難した。

彼は「警察がこれほど過敏に反応するのは、蔚山建設プラント労組の正当な主 張が国民的に知られることを負担に感じているため」とし「公権力の過敏反応 を見るだけでも、プラント労組の主張がどれほど正しいのかが分かる」と主張 した。

三歩一拝、1時間後に全員連行

*△ダンプ連帯オヒテク事務局長が集会申告書を示して三歩一拝を妨害する警察に抗議している。(C)プロメテウス チェミラ*

警察の強硬対応の方針にもかかわらず、参席者が三歩一拝を強行したのは、 事前決意大会を終えた後の1時50分頃。

建設連盟ナムグンヒョン委員長、ダンプ連帯キムグムチョル議長と、オヒテク 組織局長、パクテギュ建設連盟委員長などを先頭に、以下宣伝物を配布するた めに歩道に出て行った一部の組合員を除く600人あまりのプラント労組組合員 全員が三歩一拝を始めた後も、警察の「不法集会解散命令」が数回繰り返された。

結局、三歩一拝の開始から30分ほど後の2時15分頃、梨花交差点に到着した先 頭が警察にふさがれ、これ以上三歩一拝ができなくなると、隊列は約20分ほど その場に座り込んで「平和行進を保障すること」を警察に強く要求した。

続いて「不法集会に対する措置を取る予定なので、記者は安全な所に移動しな さい」という放送と共に、2時30分頃、三歩一拝の隊列に対する警察の連行が 始まり、僅か30分後の3時頃に指導部をはじめとする組合員全員が警察に連行 されてしまった。

幸い、組合員たちが連行に素直に応じ、連行の過程で負傷者が発生する等の 不祥事は起きなかった。

民主労総「27日の労働者大会、6月末ゼネスト闘争で強力に返答する」

警察による強制連行の事実が伝えられると、民主労総は緊急に役員会議などを 招集して対策会議を行い、指導部全員が警察庁を抗議訪問するなど、すばやい 対応にたった。

民主労総のイスボン報道官は今日の事態について「申告された合法集会と平和 な行進を物理的に鎮圧したのは、ありえないこと」とし「27日の労働者大会と 6月に予定されている民主労総ゼネスト闘争など、今後の闘争で強力に返答する」 と強調した。

彼は「ひとまず今日、民主労総指導部全員が警察庁への抗議訪問を行う予定」 とし、「この場で今日の事態に対する警察庁の謝罪と再発防止、連行組合員の 全員釈放を要求する」と述べ、「民主労総指導部が全員出てきたのは、それほ ど重要な事案だということを意味する」と話し、今後の強力な対応を予告した。

一方、警察によれば、この日連行された人員はおよそ580人に達し(一部欠落者 がいるかもしれないという)、連行者は28の警察署に分散されているという。 警察は連行者のうち、逮捕令状が発布された組合員がいるかどうかについての 調査をした後、訓戒などの措置をするという立場だ。

しかし25日に予定された蔚山地域本部次元の集会に組合員が結合することを 防ぐために、調査期限の25日午後までは釈放しないだろうと労組の関係者は 予想している。

2005/05/23[17:28](C)prometheus

原文

翻訳/文責:安田(ゆ)


Created byStaff. Created on 2005-05-24 00:06:07 / Last modified on 2005-09-05 08:16:45 Copyright: Default

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