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韓国:鉄道労組ストライキ撤回、暫定合意案受け入れ
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鉄道労組ストライキ撤回、暫定合意案受け入れ

〈5信:3日明け方4時40分〉暫定合意案通過、午前10時までに現場復帰命令

ラウニョン記者 hallola@jinbo.net

〈5信:3日明け方4時40分〉賛成146人で暫定合意案通過

ストライキ突入予定時間の明け方4時を超えた。 既に各地域本部を中心に拡大争議対策委員会が開かれ、 12月3日の明け方4時30分、鉄道労組拡大争議対策委員会の投票の結果、 暫定合意案が可決されたことが宣布された。 鉄道労組は明け方4時に予定していたストライキ戦術の撤回を宣言し、 暫定合意案を受け入れることを公式化した。

投票者拡大争議対策委員会182人中146人の圧倒的な人員が賛成票を投じ、 この他に反対21人、棄権15人だった。 しかしこのような全国的な投票結果とは別に、 釜谷研修院に集結した鉄道労組組合員は残念そうに研修院を離れられない雰囲気が 歴然としていた。あちこちから漏れる叫びは 「もちろんストライキの準備も足りなかったが、 このまま、そのまま、素直に受け入れることもできない」であった。

鉄道労組は明け方に公式闘争指針で 「今日(12/3)午前10時までに現場に復帰し、 復帰前に各支部別に闘争報告大会を行うこと」を指示した。 そして今日の会議の結果について「全組合員総投票で意見を問う」と付け加えた。

鉄道労組は復帰を宣言し、集会も終わった。 しかし釜谷研修院の周辺にはいまだに復帰の事実を受け入れない組合員がいた。 過去の4.20、6.28闘争の経験からみて、暫定合意案の妥結による結果より 鉄道庁の合意約束を履行するかどうか、関連内容による現場での弾圧への憂慮、 個人労働者に該当する結果についての負担感がかなり作用するものと見られる。 特に、充員の不足部分、残された多数の解雇者の問題、外注化と子会社化、 非正規職などの敏感な問題は、今後に棚上げされた状況で、 これらの問題をどう解決していくのかが現執行部には相当な負担に残されるものと 見られる。また、当時の釜谷研修院の現場雰囲気を考慮すると、 2004年最後の交渉の準備状況、ストライキ動力、ストライキ戦術活用、 妥結案の内容など、今回のゼネストの暫定合意案への合意をめぐる 影響は簡単に収まらないものと展望される。

さらに鉄道労組は「12/2未明まで交渉する」という時期を定めた 交渉戦術を活用し、「交渉の戦術の新しい典型」を試みた。 実際のストライキを前にして、事業場はストライキ時間を決めたままで 徹夜の交渉の末にストライキ宣言をしたり、合意したりという形態だったため、 このような過程を経ずに「行く」という意図だが、鉄道労組の場合、 最後交渉の時期を定めて弾力的に活用する戦術を選んだ。 それにも拘わらず鉄道庁との交渉は12時以後も進められ、 最終案を巡って押し合いを続け、結局、交渉の糸口をつかんで 暫定妥結に誘導する状況が再度反復された。

鉄道労組は、民主労組建設以後、継続的なストライキ闘争と 鉄道庁との合意と違反を繰り返し、ストライキを戦術的として活用してきた。 4.20、6.29では鉄道労組と鉄道庁の正面対決の中で、 一定程度の妥結によって現場での困難を経験したものも事実だ。 鉄道労組の組織的課題、過程の問題、結果の受け入れ可否など、 12.2合意案の課題をどうまとめるかについての解答は、 現場に戻った鉄道労組組合員の強硬な意志と決意による。

一方、鉄道労組の「暫定合意受け入れ」で闘争が終わったことで、 2004年の労働界の懸案だった大規模ストライキ闘争は事実上終わった。

〈4信:3日明け方3時40分〉鉄道庁暫定合意案発表、鉄道労組組合員討論に入る

暫定合意案についてキムジョンミン鉄道労組ソウル地方本部長は、 釜谷研修院に集まった組合員を対象に本部長の判断を表明し、 組合員等の選択を促した。現在、鉄道労組組合員は 3時20分まで全体討論を行い、3時40分までソウル地方本部拡大争議対策委員会の 会議を行い、鉄道労組拡大争対会議会議を通して 最終的に決定すると明らかにした。3時40分現在拡大争対委が進行中だ。

キムジョンミン鉄道労組ソウル本部長は 「ソウル地域本部長によって自分の意見を述べる」と話し始めた。 キムジョンミン本部長は △人材充員案は中労委案と特に違わない。 政府の案からほとんど出ていない。 △公社転換上半期の充員はいつでもできなければならない。 △解雇者5人の復職はあまりに少ない △非正規拡大問題も不十分だ △定年58歳、特別雇用安定協約からは一歩進んだ △退職給与補助も未完の課題だ △ストライキで外注化と子会社化を防げず、今後論議するならそれは不可能だ と総体的に評価して、きっぱりと「反対の意思」を明らかにした。

組合員の全体討論でも「非正規関連内容が足りない」、 「人材充員がもっと必要だ、その程度で満足できない」という自由発言が続いた。 しかし、一部の組合員は「部分的に反対だったり不足しているが、 一定程度進んだと思う」という意見も表明された。

部分的な反対と成果的な側面など、 組合員等の評価がばらばらな中で、 地方単位等の判断と、実際にストライキに入る動力があるのかという 実際的な判断が残されている。 結局、ゼネストの決定は180余名の拡大争対委の意見収斂と決定だけが残された状況だ。

〈3信:3日午前2時〉12時で交渉終了、しかし鉄道庁最終案を労組に伝達

鉄道労働者のストライキ前夜文化祭が進むなかで、 12月3日午前1時10分頃、釜谷研修院にキムヨンフン鉄道労組委員長が到着した。 キムヨンフン委員長は「合意文は必ず守られなければならない。 犠牲になった同志たちが帰ってこれるるように労働者の義理を守ること、 それを守るために今日この席にいる同志のみなさんが誇らしい。 未明まで交渉に臨んだが、暫定合意案は挑出できなかった。 もう座っている理由はなく、同志のみなさんのところに駆けつけた」 と釜谷研修院にきた背景を明らかにした。

キムヨンフン委員長は「現場の責任を問い、中央の責任を免れようとはしない。 得るものがなくても同志の闘争の意志さえあれば、あらゆる責任を負える」 と強調した。「交渉の現場には首席副委員長を中心とする交渉団が残っており、 ちょっと前に鉄道庁が最終案を投げたという。まだその話を聞いていない」とし、 「検討してくるので同志はもう少しだけ待ってくれ。 最終案検討後、その案についての最終報告をする」と伝えて席を立ち、 急いで状況室に移動した。

夜11時30分頃、鉄道労組はソウル2500人、釜山1400人、大田800人、 ヨンジュ700人、順天400余人、全国的に5800人ほどの鉄道労働者が ゼネスト闘争勝利前夜祭を行っていると明らかにした。

既に中労委の仲裁案で(人材充員2623人、解雇者12人復職(実質5人)等)交渉を 行ってきた。しかし10時30分頃、労働組合側が最終案を投げて交渉を進めたが、 結局約束した深夜には妥結に達せず、交渉が終結した状況だった。 ところがその後、交渉場に残った役員を通じて鉄道庁が最後の最終案を 労組側に伝えた状態で、これについての幹部検討議論が進行中だ。

鉄道労組は最終案が決まればその案を中心に180人ほどの 支部長と中央幹部などの拡大争議対策委員会を開催し、 投票によりストライキ突入を決定する計画だ。

一方、全国で文化祭が進められているこの日の深夜ごろ、 報道機関が一斉に「鉄道ストライキ一日留保」に関する誤報を報道するという ハプニングが起きた。 明け方を待つ現在、ストライキ前夜文化祭は続いており、 鉄道労働者たちは委員長の指針と指導部の決定を待っている状況だ。

〈2信:夜10時30分〉鉄道労組、11時頃交渉決裂宣言予定

鉄道労働者のストライキ前夜祭が全国あちこちで進められている。 ソウル地域本部とソウル整備場が共同で行っている釜谷研修院の文化祭には キムヘギョン民主労働党代表をはじめ 多くの同志の連帯のあいさつが続いている。

9時20分頃、交渉の経過報告をしながら中労委の調停案が公開されると 組合員の中からは「飲めない」という叫びがあがり、 司会者もその言葉を受けて 「われわれはもうストライキ闘争で応酬せざるをえない」とし、それに 前夜祭参席者は力強い闘争のシュプレヒコールで答えた。

キムジョンミン鉄道労組ソウル地域本部長は 「以前、同志のみんなに2つのことを頼んだ。 私たちの団結、そしてこの席を守る同志の気持が ゼネストの勝敗を決定するということ。 鉄道庁が私たちを見ている。 今日この席の団結と私たち皆の決意が勝敗の基準になる」と団結、闘争を訴えた。

  1. 25連帯ストライキから発電労組委員長として 鉄道労働者たちと共に闘争した経験があるイホドン公共連盟委員長は 「敵方は背を向けて退却する時、私たちを絶対赦さないということを忘れるな。 昨年の4.20そして6.28共闘本部で連帯し、 公共連盟の活動家として鉄道労組の4回ストライキを共にしている。 これまでの経験を基礎に私たちの組織を根幹として団結で最後まで闘おう」 とストライキを目前に置いた鉄道組合員を督励した。

鉄道21時40分、全国的なストライキ前夜に現況を報告した。 鉄道労組状況室によればソウル地域本部1000余名、 ソウル整備場が500余名で、釜谷研修院で文化祭を行っており、 日勤組合員も続々集結している。大田地域は900余人(テチャン500人を含む) の組合員が集結し、エキスポ文化公園南門広場で文化祭を力強く行っており、 釜山地域本部は1000余人の組合員(副チャン150余人を含む)文化祭を行っていて、 ヨンジュ650余名、順天400余名も順天鉄道運動場に集結し文化祭を進行している。

第一次集計の結果、全国的に5000余名の組合員が 鉄道ストライキ前夜祭に結集していて、 集結が続いており、その数字が増加し続けていると明らかにした。

現在、中労委調停案が労組要求案にまったく達し得ない状況で、 交渉が行われている。 これに関して李泰榮教宣局長は 「全国的に11時に文化祭をすべて終わらせるはずだ。 そしてまさにその時間、11時にキムヨンフン鉄道労組委員長は交渉決裂を宣言し、 中央状況室がある釜谷研修院にくるはずだ」と説明して 「追加的な交渉に関する計画はまだない」と明らかにした。

現在、文化隊コッタジの公演をはじめとする文化祭が行なわれている。

〈1信:夜9時〉鉄道組合員釜谷研修院でストライキ前夜祭開始

現在鉄道労組のソウル地方本部とソウル庁所属組合員は 釜谷鉄道研修院など全国5地域に集まりストライキ前夜文化祭を進行している。

民主労総決意大会を終え、厚い服を着込んでリュックサックをかついだ 鉄道組合員は、地下鉄で移動した。汝矣島駅で始まった移動は 支部長から目的地が通報され、グループ別に地下鉄を利用して移動した。 リュックサックと厚い服、そしておなじみの「鉄道を国民に」の シュプレヒコールを叫ぶ組合員は、多くの人々の中からみつけるのは とてもたやすいことだった。

ストライキ前夜祭の予定場所だった鉄道研修院に兵力がないという消息を 伝え聞いた組合員は、多少余裕のある姿で、 まだ交渉が進行中の状況に対してもかなり期待している雰囲気だ。 交渉になっているということと、ストライキ前夜祭場所が研修院ということに ついてソウル地方本部のある幹部は 「神経を使うのは事実だが、ちょうど12時まで中央で交渉するので、 それ以後はストライキか、そうでなければ現場の二つのうちにひとつに 決まるのでしょう。こちらは臨時の集結地でしかありません」と答えた。

交渉に対する一抹の期待も

鉄道労組は5つの非チャン本部と3つのチャンに区分され、 釜谷研修院にはソウル地方本部とソウルチャン所属組合員が集結する。 その他大田、釜山など地方では地域でストライキ前夜祭を進行する。 現在までも釜谷にある鉄道研修院に鉄道労組組合員が続々と到着している。 研修院の入口は闘争先鋒隊が秩序維持役をして、 到着する組合員に歓迎のスローガンを叫んでおり、 研修院内部には闘争歌が鳴り響いている。 時間が過ぎるほど研修院の緊張感がますます高まる状況だ。

地下鉄を待っていたある組合員は 「そうですね、まだ交渉状況を見なければいけませんが、 私達が『ストライキする』と決心して、強く出れば会社もすこしは恐れるでしょう。 私はこうして箸を入れてきました」と言って、 自慢げにかばんの横につっこんだ数十膳の箸を見せる。

8時に予定されていたストライキ前夜祭は、 多少遅れて8時45分頃に始まった。いまは文化祭を進行している。

一方、今日午後4時の中労委第三次特別調停会議で中労委は △23時まで労使交渉を行う △人材充員は2623人を充員するもののそのうち1793人は体制転換時に充員して 残りは2005年末までに充員する △解雇者復職は共闘本部関連者5人、2.25関連者中裁判所勝訴者7人を復職させ 残る解雇者は今後の労使交渉で取り上げることなどを勧告した。 また12月2日の23時まで中央労働委員会に中に対して受け入れの可否を 労使が知らせることを要請して、関連協議が進行中と知らされている。

2004年12月02日21:18:29

原文

翻訳/文責:安田(ゆ)


Created byStaff. Created on 2004-12-04 07:28:14 / Last modified on 2005-09-05 08:16:24 Copyright: Default

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