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韓国:公務員労組ストライキ一時中断の背景と展望
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公務員労組、何故退かざるをえなかったか

ストライキ一時中断の背景と展望…懲戒阻止闘争に転換、事態長期化の可能性

想像を超えた政府の強硬な対応、高位職・下位職を区別しない 公務員への不信を持っている国民世論に勝ち抜くには、 公務員労組もまだ力不足だったようだ。

当初、2万人上京を目標にゼネストを進めてきた労組は、 最小限1万人程度は上京すると予想していた。 だが去る4日、行政自治部長官の談話文発表以後、 現場の雰囲気は萎縮し始め、いざ蓋を開けてみると期待に沿えなかった。

*▲17日午後国会前で開かれた民主労総主催の公務員労組弾圧糾弾大会で映像メッセージを通し「ゼネスト一時中断」を宣言するキムヨンギル委員長。(C)毎日労働ニュース イムジヒェ記者*

政府の対応・世論に押されて

民主労総全国労働者大会の前夜祭前日の12日から、 全国労働者大会が開かれた14日までに上京した組合員は、 実際8千人に迫ったという。だが比較的組織力が強いといわれた 一部の支部で、業務復帰宣言や現場ストライキに転換する等、 ストライキ初日には上京隊伍数が急激に減った。

ここにはストライキ参加者の全員懲戒、公職排除など、 政府の公式発表を含み、組合員や家族に対する位置追跡、 ブラックリスト作成など、政府の強硬対応が決定的な役割をしたのはいうまでもない。

公務員労組の関係者は 「無慈悲な公権力の前で、平凡な組合員は手に余るものだったのは事実」とし 「(慶尚南道など)特定地域に偏重した普段の組織力も問題であった」と話した。

「抵抗そのものが勝利」

だが、3千人あまりの公務員がストライキに突入したと 政府が公式に認めた点は注目に値する。 チョンヨンヘ労組スポークスマンは 「ひとまず抵抗したこと自体が勝利だと思う」とし、 「公務員労組特別法に抵抗して国民関心を引きつけ、 ‘鉄鉢’を投げ捨てた公務員の真意が何なのかは充分に見せた」と評価した。

チョンスポークスマンはまた「今回のストライキに対する 政府の強硬弾圧で、盧武鉉政府と公職社会は渡れない川を渡ったようだ」 と評価した。

民主労総の関係者は、 「政府から円満な妥結を引出す方法を放置したまま、 一方的に追い詰めて労組はえむをえない選択をせざるをえなかった」とし、 「このような点で今回の闘いは『負けるが勝ち』の闘いにならざるをえなかった」 と評価した。

この関係者は、しかし「労組が組織内部の意見収斂と団結を強固にして 政府の弾圧にきちんと対応できなかった点は残念」と話した。

懲戒・特別法を巡っり長期戦の様相

キムヨンギル委員長はこの日、映像メッセージで 「ゼネスト一時中断」と表現したことで、 懲戒阻止闘争を中心に再ストライキも考慮していることを明らかにした。 これに伴い、懲戒と公務員労組法を巡って 労政間の闘いはむしろ長期化する可能性が大きくなっている。

チョンヨンヘ労組スポークスマンは 「今回のストライキで3千人の組合員が闘争しなければならない状況になった」 とし、「今後、彼らが率先して公務員労働権確保のための多様な闘争を展開する」 と語った。実際、政府の発表通り、 ストライキ参加者全員が懲戒を受けるとしても、 労組が募金した闘争基金103億ウォンの大部分が 犠牲者の救済基金に使われるものと予想される。

各地方自治体では今週、懲戒委員会を開催する等、 懲戒手続きが本格化すると見られる。 これに伴い、各地域では懲戒委員会開催の過程で労政間の物理的衝突も予想される。

もし懲戒が強行されるとしても、 ストライキ参加率が高かった蔚山、江原地域の場合、 業務の空白などによって各地方自治体も相当な負担を抱えるものとみられ、 行政自治部の発表の通りに懲戒を遅延した地方自治体に対し、 交付金中断などの不利益が加えられても、地方議会の反発があるものと予想される。

実際、労組のストライキ前の団体協議締結問題で 葛藤が高まった慶尚南道や、行政自治部の指針にもかかわらず 全国的に100を超える地域で団体協議が締結された事実を見ても、 各地方自治体が無条件に懲戒を強行することには限界があるものと予想される。 また、慶尚南道議会は行政自治部の交付税支援中断に強く反発している。

公務員労組特別法案は、現在通過の可能性が大きい。 だが労組は、民主労総のゼネスト日程に合せて 再ストライキ突入など、あらゆる手段を動員するという立場で、 各地域の懲戒阻止闘争と噛み合って 現在の公務員労組-政府間の葛藤の局面がすぐには収まらないものと見られる。

キムハクテ記者 tae@labortoday.co.kr 2004-11-17 午後5:12:32入力 (C)毎日労働ニュース

原文

翻訳/文責:安田(ゆ)


Created byStaff. Created on 2004-11-19 19:00:55 / Last modified on 2005-09-05 08:16:19 Copyright: Default

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