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韓国:両労総、初の共同ゼネスト成功に「注目」
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両労総、初の共同ゼネスト成功に「注目」

仲秋以後の労働政局はどこへ… 非正規法案、労使政大激突など、隘路が随所に

労使関係の関係者にとって、今回の仲秋連休は豊かさを満喫する ゆったりとした時間ではなく、今年の残る3か月間で予想される 一本勝負にはやる気持ちをなだめる時間だったといえそうだ。

仲秋が終わるとすぐ、労使が少しも譲歩せずに対立している 非正規職関連法、公務員労組法、労使関係先進化方案などが待機しているためだ。

これに関して民主労総は全面ストライキを決議したのに続き、 韓国労総との共同闘争に合意して具体的な日程を議論している段階で、 10月以後の労使葛藤は避けられないように見える。

そればかりか、鉄道労組、タクシー連盟、貨物闘準委で構成された 運輸共闘本部が運輸産業の公共性強化などを要求して 11月初めに共同闘争を予告している。 公務員労組も労働三権争奪のためのストライキを決議する等、 現場の動きも尋常でない。 韓国労総傘下の航運労連も、鉄道の公社化にともなう 鉄道荷役労働者の生存権保障を要求して 年末に全面ストライキに突入する方針を示唆した。

▲韓国労総と民主労総は去る22日、非正規悪法阻止のために共同闘争することに合意した.(C)毎日労働ニュース

非正規法案、労使政の試験台に

労使が最も尖鋭に正面対立する事案は、何よりも非正規関連法案だ。 政府は最近、派遣期間を最大2年から3年へと延長し、 派遣対象業務も全面的に拡大することを骨子とした 非正規関連法を立法予告して、 派遣撤廃を主張してきた労働界からの強い反発をかっている。

労働界は政府の非正規保護法案に対し、 「非正規職に対する差別を是正することができず、 非正規職を大幅に増加させる改悪案」だと批判している。 非正規職ばかりでなく、正規職の雇用安定のためにも 全面的な強硬対応が必要だと主張している。

財界もまた「政府の非正規職関連立法案が雇用柔軟性の側面を考慮せず、 非正規職保護に過度に偏重している」とし、 「企業の競争力を強化する方向に全面再検討せよ」という立場を明らかにした。

しかし最近、非正規職法案や公務員労組法などの労使関係の争点は、 政府の立法推進の方針によって問題化させたもので、 労使間の問題というよりは労政葛藤を引き起こす様相を見せている。 韓国労総は、労使政委員会の特殊形態勤労従事者対策特委に 欠席することにし、民主労総も社会的対話に関する内部討論を中断した状態だ。

経済人総連のチェジェファン政策本部長も 「労働界がストライキをするといっても、 政府が姿勢を変える兆しを見せずにいて、労政関係の悪化により 労使関係も悪化する可能性がある」と展望した。

しかし、政府が推進する非正規法案に対して労働界が総力闘争をはじめた中で、 財界も反対の立場を表明しており、労使政間の合意捻出は不可能と予想され、 労使関係も不安になるものと見られる。 崔本部長は「政府が推進する派遣法は規制があまりに多く、 労働市場を柔軟化して派遣制度を活性化するのには助けにならない」とし 「立法予告期間の2日までにわれわれの立場を政府に建議し、 それ以後も国会に私たちの立場の説明を続ける計画」と付け加えた。

民主労働党の段炳浩議員は「派遣法廃止と同一労働同一賃金明文化」などの 非正規労働者権利保障のための4法案を発議したが、 派遣法については廃止案と改正案が争っていて、 併合審理さえ難しいという展望が出ている。

両労総の共同闘争程度が関門

現在、労使政間の立場を調整するための仲裁や対話の窓口は 用意されていない状態だ。これにより、 今後の労使政関係の是非を判断する関門は 労働界の闘争の程度に拠ると展望されている。

民主労総のイソクヘン事務総長は 「非正規悪法阻止闘争は、労使関係先進化方案をめぐる前哨戦とみなし、 悪法阻止に総力を集中する」とし、 「1〜2日の連盟、地域本部事務処長団修練会で 全面ストライキ組織化方案を用意して非常体系に突入する計画」と語った。 李事務総長は「指導部が現状況を突破できるという確信を与えれば 十分に全面ストライキができると信じている。 充分な可能性があり、波及力も相当大きい」と自信を示した。

韓国労総も1日に産別代表者会議を開き、 両労総共同闘争方案に対して組織的な決議をする計画だ。 カンフンジュン広報局長は「現在は重大な局面なので、 全面ストライキまで検討していて全面ストライキが決議されれば 代議員大会を開かなければならない」とし、 「(民主労総との)共同集会から始めるはずで、 全面ストライキが難しいとしても、これに次ぐ闘争を行う」と明らかにした。

韓国労総が今回全面ストライキを決議すると、 2労総の共同全面ストライキは初めての事例となる。 97年の労働法改正時に2労総が同時ストライキを行ったが、 事前に準備された共同全面ストライキ形態ではなかった。

97年の労働法改悪阻止全面ストライキでは、 国会の立法に重大な修正を加えただけに、 今後の2労総の共同闘争程度によっては 法案処理の方向と内容が影響を受ける可能性が小さくない。

韓日FTA交渉など、争点多数

今年残された期間の労働政局が順調でないという展望が出るのは、 立法問題だけでなく韓日自由貿易協定(FTA)や 労使先進化方案(労使改革ロードマップ)の議論など、 労使政関係に影響を及ぼす大きな事案が山積しているためだ。

イヘチャン国務総理は先月16日、 「労使間で合意できなければ、政府は労使先進化方案を独自に推進せざるをえない」 と明らかにした。労使先進化方案には、 ストライキ中の代替勤務許容、単位事業場の複数労組交渉窓口の単一化、 解雇要件緩和、通常賃金基準変更、職場閉鎖要件緩和など、 敏感なテーマが含まれている。

韓日FTA交渉に関しても、労働界は製造業が深刻な打撃を受けると憂慮しており、 締結阻止闘争計画を主要に配置している。 民主労総は第6次東京交渉期間の11月1〜3日に合せて民主労総闘争団50人あまりを 日本に送る予定だ。 日本遠征闘争は、韓日FTAに対する社会的関心を喚起させ、 労働界の反対の立場を見せ付けて韓日両国の政府に圧迫を加える 契機になるものと見られる。 密接な利害を持つ金属連盟は、韓日FTA締結阻止を核心闘争要求に出している。

11月初めに全面ストライキを予告している公務員労組の闘争程度も 労働政局全体に大きな影響を及ぼすものと予想されている。 公務員労組の団体行動に対して強硬な対応方針を繰り返し闡明している政府が 実際に公務員労組に対する物理的な弾圧を行えば、 共同闘争を準備している2労総の反発が激しくなるからだ。

韓国労総はこの他にも、 最低賃金制度改善、国民年金改悪阻止などを下半期の事業計画として確定し、 民主労総はイラク派兵延長同意案阻止、国家保安法廃止、 損賠仮差押さえ・職権仲裁廃止、移住労働者保護などを 総力闘争目標として提示した。 また、2労総はどちらも山積した懸案の中でも 組織革新を内部課題として掲げていて、 このような目標をどの程度達成できるかも関心事だ。

ソンウンジョン記者 ssong@labortoday.co.kr 2004-10-01 午前9:49:56入力 (C)毎日労働ニュース

"原文":http://www.labortoday.co.kr/news/view.asp?arId=43242

翻訳:安田(ゆ)


Created byStaff. Created on 2004-10-06 03:00:10 / Last modified on 2005-09-05 08:16:17 Copyright: Default

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