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編集2002.03.10(日)18:55

国民の検証が抜け落ちた「民営化論議」/キムデファン教授

電力、ガス、鉄道などの公益産業独占公企業の民営化をめぐる労政の対立が険しい。 労働界は、国家基幹産業の民営化は話にもならないとして、連帯ストライキを通じて民営化阻止のための「決死抗戦」の意志を明言し、 政府は不法ストライキ関連労働者を全部つかまえても民営化を貫徹するという立場を明確にしている。 これに対して労働界は「第二の連帯ストライキ」で対応する動きを見せており、 労政の対立の波がさらに高くなるのではないかという心配な状況が広がっている。 元来、ストライキとは、それ自体が目的ではなく、労使間の対話と妥協を促進するための手段であり、 実際にストライキによる「破綻」の事例は「妥結」の件数に比べて少ない。 それでも「民営化は交渉の対象でない」という政府の方針により、発電会社の社長団が労組との 「対話終結」を宣言した後、この土地で起きている事態の推移は破局に駆け上がっているのでないかという憂慮を投げ掛けている。

民営化が経営の専決権に属するのかに対する学説はさまざまだが、 ひとまず譲歩するとしてもそれはあくまでも労使(政)間の次元に限定される。 基幹産業の民営化が及ぼす莫大な影響を考えると、国民的な次元での対話はいずれにせよ必要だ。 その間、国民が無関心だったのか政府が無誠意だったのか、国民的次元での対話はほとんどなかったと言っても言い過ぎではない。 そのような中で、公益基幹産業の民営化政策が拙速に立案され、 国民的検証も正しく経ないまま一瀉千里で強行しようとする政府に現事態の一次的な責任があることを指摘せざるをえない。

「今も」進行中の連帯ストライキが実定法的に不法ストライキであることを否定しない。 しかし、これを厳しく処罰すれば事態が解決するわけではないということは、すべての国民がよく知っている。 ストライキを敢行した労働界の犠牲で国民的な関心が触発されたとすれば、 今は基幹産業の民営化の問題は国民的検証にかけられる番だ。 それでこそ、ストライキの本来の意味を実質的に生かすことができる。

まず、「基幹産業が民営化されてはならない」という労組と一部の「実践的知識人」の主張は、おそらく感情的な主張にすぎない。 公企業の民営化は、基幹産業かどうかとは直接関係はなく、当該産業の構造や特性を確かめなければならない。 問題の公企業はすべて独占的だが、自然独占ではないため、民営化による国民的な便益を図ることができる。 ただし、それらが公益産業と同時に、いわゆる網(network)産業に属するため、民営化はより慎重に検討される必要はある。 結局、中長期的に民営化するとしても、国民的な便益を極大化する方向での精巧な政策が広まらなければならない。

同じように、「民営化は交渉の対象でない」という立場の延長線上で、 政府が問題の基幹産業の民営化政策に対する検証自体を拒否している態度も正されるべきだ。 政府はこれまで、公聴会などを経て検証されたと主張するかもしれないが、 政策担当者は自らの胸に手をおいてよく考え引き写しの政策案を隠したまま 押し進めるための様式的な行為に過ぎなかったのではないかと反省するべきだ。 既に相当部分の政策が執行されているので、今になってまた検証を受けることはできないという主張は、 政策マンとしての欠格事由に該当する。 あらゆる政策がそうだが、特に民営化のような総合的な政策は過程の中で継続的に修正・補完されなければならないからだ。

今後の継続的な国民的検証のために単刀直入的に言えば、 現在の当該公企業の民営化政策は核心というべき競争体制導入と所有支配の構造、公益確保の部分が不良であり、大幅な修正・補完が必要だ。 そのためには、なによりも既存の政策案を任期中に貫徹させるという納得出来ない固執を捨て、 「国民の政府」という名前に似つかわしい国民的な検証に忠実であることを要請する。

キムデファン教授/仁荷大教授・経済学

ハンギョレ新聞 http://www.hani.co.kr/section-001057000/2002/03/001057000200203101855100.html


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