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「右ウインカー、民主労働党にブレーキ」

[インタビュー]キム・スンホ、全泰壹に従うサイバー労働大学代表

イ・ユノン記者 sisyphus@jinbo.net / 2007年05月23日11時51分

全泰壹に従うサイバー労働大学(サイバー労働大学)のキム・スンホ代表は民主 労働党内左派意見グループの「解放連帯」独自候補として党内選挙戦に出馬す るという説に関して「党内選挙戦になろうが民衆選挙戦になろうが、候補を前 面に出して議論するのは非常にブルジョア的方式」とし、「解放連帯側に『私 を候補として論じないでほしい』という立場を伝えた」と、その可能性を一蹴 した。

全泰壹に従うサイバー労働大学キム・スンホ代表.

また「民主労働党は、初期よりも進取性が薄められたが、放棄するのはまだ早 い」としながらも「組織されない現場の左派とNL(統一運動)の階級変革を強化 する流れが合流すれば、社会を緊張させ、大衆も緊張させるのではないか」と 政治勢力化への展望を表わした。

キム・スンホ代表のインタビューは5月19日に全泰壹研究所が主催した「現段 階の労働者階級のビジョン」セミナー(21日付「民衆選挙戦制霧散、前を見な い」記事参照)の場で行われた。以下インタビュー全文だ。

民主労働党批判に対してシム・サンジョン候補キャンプ側の関係者は「同じ話なのに表現が違うだけ」と残念がった。これをどう見るか

社民主義は、いわゆる改良的な政策内容はさらに豊富なこともあると思う。そ の点で社会主義を指向する連帯発言会が改良的な政策をどれほど提示できるか を問うことができると考える。彼(シム・サンジョン キャンプ関係者)が見れ ば違わないのだろうが、社会主義移行の概念と観点で、民主労働党候補の誰か に果たして(ビジョンが)あるのか、そのような思考の中で綱領や政策や活動方 式を思考しているのか訊ねたい。

民主労働党に対する批判は、単に選挙公約の内容だけで判断するのではなく、 総体的な眺望による。例えば、民衆参加選挙戦制(民衆選挙戦制)の問題でふく らんだ真性党員による党の形は、社民主義的政治とぶつかっている。また党と 労働組合の関係にも相変らず党を優位に置き、労組は政治で2次的と思考する のも、全て社民主義的な政治概念だ。

党綱領ももっと急進化する必要がある。例えば綱領に宅地の国有化を含めても いい。ハンナラ党のホン・ジュンピョ議員の「半額アパート」政策ではある程 度宅地の国有化に言及していて、土地正義市民連帯も主張し、社民主義国家の スウェーデンでも語られているのに、情緒や雰囲気を見れば十分に(宅地国有 化を)主張することができる。(民主労働党に対して)たった一つだけのことで 批判しているのではなく、総体的な批判を提起しているという点を強調したい。

「民衆選挙戦制を拒否する党は誰の党か...疑問」

民主労働党が民衆選挙戦制を拒否するのは社民主義的政治指向のためと見るのか

民衆選挙戦制を受けない理由は、党中心論のためだが、その基底には「党が中 心になって、何を指向するか」という構想が作動している。それで党を開放す ることが党の中心性の強化から外れると判断しているためだ。それならその党 はどんな党であろうか.......疑問だ。

提案発表文によれば「資本主義と社会主義の中間形態」である「連帯発言会」建設は労働者の政治権力掌握を前提とするが、労働者政治勢力化という目標達成に民主労働党と韓国社会党がどんな役割をすると見るか

民主労働党に対してはまだ(可能性が)開かれている、閉じることは止めようと いう立場だ。初期党員が多かったらはるかに可能性が高かっただろう。しかし 民主労働党が右傾化した後、初期党員が一万人以上減ったことでも分かるが、 残念だ。事実初期党員により、党名も民主「労働」党にできなかったのか。 民主労働党が初期に比べて、進取性が薄められたが、それでも放棄する程と規 定するのは早い。民主労働党と民主労総との関係も考慮しなければならない。 民主労総は大衆組織で限界もあるが、可能性も持っている。

社会党は社会的共和主義を掲げ、右傾化にハンドルを切ったと考える。そのよ うな点で、社会党と民主労働党は過去よりさらに近づいたと見る。両党間の差 は、北朝鮮に対する観点の差ぐらいか。民主労働党が北朝鮮に対して弾力的で、 社会党はさらに厳格だと思う。

それよりは民主労働党に参加していない民主労組の左派指向の同志が多いが、 社会党や労働者の力に属していない広範な現場左派があってNL(民族解放)陣営 でも階級による変革を強化しようという流れがある。彼らが合流すれば労働運 動内で十分に主流的な流れを形成することが可能ではないか。1、2人がドンキ ホーテのように出て、これによって労働者階級が正統性を確保する形で現れれ ば、社会を緊張させて大衆も緊張させないだろうか。運動陣営も緊張が必要だ。 そのような緊張の中で正しい考えもすることができ、実践につながる。

「今はちょっと生産的な議論をしようということ」

労働者政治勢力化を土台に独自政党創党まで考慮しているのか

(政党を)新しく作ることからさまざまな考えが可能だが、その問題は開いてお くのが良いという立場だ。一次的には民主労働党を重視するだろう。そのよう な点で、民主労働党は党中心性から抜け出さなければならない。大統領選挙へ の出馬を宣言した候補が党候補にならないこともあるという決定を下すことは 大変だが、選挙が進歩陣営全体に及ぼす意味を考えて(民衆選挙戦制を)決断し なければならない。

民主労働党は全面開放的な姿勢が必要だが、党で統合するのは難しいので綱領 中心に討論し、これを持って候補を議論すれば統合原則に符合するだろうと思 う。目的のために共に進むのは当然なのではないか。ところが綱領もきちんと 用意できないまま、まず組織的統一をしようとして、持分問題をめぐりむだな 論争だけをしている。今はもう少し生産的な議論をしようということだ。

今綱領を用意するには遅い気がするがもっと早く討論を始め、同意できる部分 について広範な連帯を形成し、同じ席に座って額を突き合わせて大統領選挙の 目標に対して議論すれば良い。そのような方向で接近するのが定石だ。一方、 民主労働党が選挙戦を9月に押し退け、ハンナラ党、ヨルリンウリ党が大統領 選挙でそれこそめちゃめちゃになっているので、遅れているとばかりも言えな いのではないか。

民主労働党で民衆選挙戦制が最後まで貫徹されない場合どのようにする計画なのか

現在の民衆選挙戦制をめぐる議論は、労働者階級の政治的主体化という原則と 保守政党のオープンプライマリーが入り乱れている。民衆選挙戦制が党内外で 主な争点になっている状態で、これに肯定的な点もあって限界もあるが、民衆 選挙戦制貫徹だけをめぐって議論するのは苦しい側面がある。

例えば党代表が決断し、民衆選挙戦制を再論しろという要求は、党代表が相当 な政治的負担を抱え込まなければならないばかりか、党代表に勧めること自体 も無理があると見る。個人的に党代表がぜひ決心する問題であれば、私がムン・ ソンヒョン党代表と会おうといって圧力を加えることもできるだろう。だがそ のような問題はないと思う。

何よりも政治勢力化が先だが、人々が媒介を飛び越えるので含意がなくなる。 民衆選挙戦制について口先でけんかばかりしていては解決しない。情勢の分析 とこれに対する階級的目標により最終的に方法が出てくるのだが、その順序を 飛び越えてしまうとそもそも何のためかという疑問が出てくるほかはない。

順序がおかしくても、今から党と民主労総内の公論化とともに、選挙綱領と大 統領選挙、労働者政治勢力化方案が同時に話されればいい。労働運動の中で、 最大限の合意を形成する構造と関係が作られれば良い。概してこれに共感しな がらも、互いに猫の首に鈴を付けられずにいる。

私の役割は選挙綱領と政治勢力化の方法が正しい方向で樹立されるように争点 化させ、討論に介入することだ。また議論の方向が左側や右側に傾いた時にそ れを正す問題を含み、(運動陣営内の)相異なる立場にどんな位置と役割を付与 し、シナジー効果をあげるのかを悩むところにある。労働運動も今はそのよう な水準に行く時にきていないのではないか。そうしなければ本当に民衆が権力 をにぎる政治ができない。まだ時間は多い。

「短期的な接近は互いに傷つけるだけ」

民主労働党内の左派指向意見グループの「解放連帯」で社会主義候補を打ち出すと言って独自候補選出計画を明らかにしたが、「解放連帯」支持候補で党内選挙戦に出馬するというのは事実か

解放連帯側から提案を受けたことは事実だ。しかし私は候補を中心に議論する のは(左派運動が直面している)問題解決の助けにならないと判断して断った。 党内選挙戦になろうが民衆選挙戦になろうが、候補を立てて主張を展開するの は非常にブルジョア的な方式だ。それで「君らは左派だと言いながらなぜ実践 はブルジョア的にするのか」と厳しい忠告をした。

解放連帯が私を候補と考えて議論しているというように言われるのはあまり気 に入らない。解放連帯側に「私を候補と言ってほしくない」という立場を明確 に伝えた。

目標を実現する手段は立体的で、最後まで放棄しないという姿勢で実践しなけ ればならない。私たちの要求が党内で貫徹されなければ、大衆的に綱領に対す る討論を活性化すると考えて押し通せば良い。誰が党大統領選候補に選ばれよ うが、選ばれた人を支持して私たちの運動では別の話をすることもできる。 そうすれば党大統領選候補が私たちの考えをある程度受け入れることもあるだろう。

最初より民主労働党の進取性は低下し、院内議席を取り、社民主義指向が明確 になったのに、下からの克服過程を実現するのならぜひ綱領を作って候補をた てて、大統領選挙闘争をしなくても意味がある。最大目標を定めて働き、運が 良ければ超過達成もできる。運がよければ意外にうまく解決できるかもしれな い。過度に短期的に接近して無理に押し通すのは互いに傷を与えるだけだ。

最後に言いたい話は

とにかく大勢を読まなければならない。支配階級は情勢をよく知っているよう に見えるが実はよく知らない。木は見ても森はわからない。IMFもわからなかっ たではないか。それに比べて、運動陣営はおかしな気配に気がついていた。 97年度に大々的な恐慌がくるということを予想していた。

今、大勢は、傾向は何か。米帝国主義の後退期だということを看破しなければ ならない。支配階級は米国の唯一無二の覇権秩序が永遠だと思っているが、そ うに豪語大言壮語しながら押し通したイラク戦争が今はどん底に陥っている。

また米帝国主義だけでなく、世界資本主義そのものの危機が来ている。ブッシュ の対テロ戦争は、資本主義体制の崩壊を猶予させる役割を果たしている。ブッ シュの外交戦略と世界経済システム崩壊は緊密な関係にある。いつどうなるか もわからないうずの中で韓国支配階級は問題でもないだろう。

運動陣営は敗北主義にとても深く陥っている。敗北主義の原因は我々自身によ るものもあるが、資本権力がイデオロギー攻勢を浴びせた理由もあるのだ。 「自信を持て」と言いたい。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-05-29 06:13:00 / Last modified on 2007-05-29 06:13:01 Copyright: Default

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