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WTO交渉決裂、NGO「勝利集会」

[分析]カンクン交渉決裂の意味- 米国式一体化にひとまずブレーキ

カンクン=イムウンギョン記者、イジョンム記者

"ビデオ":mms://media.cast.or.kr/kndic/movie/03_0914_closing.wmv

WTO閣僚会談が決裂したという知らせが伝えられた14日の午後7時。 韓国闘争団が座込み場を整えて5日間、徹夜の闘争を繰り広げたコバ通りの 噴水広場では、鉦、銅鑼、太鼓が登場する非常に楽しい風物ハンマダンが行われた。

韓国闘争団が閣僚会談決裂と民衆の勝利を祝う「勝利集会」に 外国の活動家を招請したのだ。この日の集会は、韓国及び外国の各団体の代表が 闘争団を致賀して「勝利の喜び」を分かちあおうという発言などをしながら お祭りの雰囲気で終わった。

△「勝利」を祝う人々。(C)民衆の声

7時をすこし越えて始まった集会は、「あなたのための行進曲」斉唱で始まった。 チョングァンフン韓国闘争団団長は「みんなご苦労様でした」と闘争団を致賀して 「この余勢をWTOが完全に終るまで続けなければならず、 われわれは絶対に勝利する」と力説した。

タイのNGOであるFocus on the Global Southから来たメリールー・マリグ氏は、 「カンクン閣僚会議を無にしたのは、ここに集まった民衆の団結した力」 だったと、この日の閣僚会議霧散について説明した。

彼女は「民衆の意思表現が、交渉で不利な位置に置かれた開発途上国の政府を刺激し、 今日の昼、会議場で開発途上国政府は農業とシンガポール・イシューに対して 団結した姿で一貫して反対した」と伝えた。

この日の昼、会議閉幕直後には米国のロバート・ゼーリック貿易代表部代表が 「現在の状況を見ると(交渉を)期限内に妥結することを期待するのは難しい」とし、 非常に悲観的な見解を表明した。

△フィリピンから来たマリア・エレナ氏.(C)民衆の声

ビア・カンペシナのフィリピン支部から来たマリア・エレナ氏は 「韓国からこんなに多くの参加団(200余名)がきたことに対して皆様の闘争に感謝する」 とし、「皆様と共にできたことについて、私たちビア・カンペシナは本当にうれしく思う」と話した。

ビア・カンペシナのラファエル・アレグリア代表は 「今、カンクン市内あちこちで勝利の祝祭が行われていて、 ビア・カンペシナの青年キャンプでもこちらに連帯のメッセージを送っている」と話し、 「今日われわれはWTOに致命的な傷をつけた。WTOが最終的な死を迎えるまで 闘争しなければならない」と語り、「ルーチャ(Lucha)!」を叫んだ。 ルーチャはスペイン語で闘争という意味だ。

△イギョンヘ農民を追悼するろうそくのあかりをおくアレグリアビア・カンペシナ代表(C)民衆の声

今回の会談で最も重要で尖鋭な争点は、断然農業分野だった。 チョンギファン全国農民会総連盟政策委員長は、今回のWTO会談が霧散したことについて 「ひとまず歓迎する」とし、 「しかし農業がWTO交渉から完全に除外されるべきだという課題がまだ残っている」と語った。

一時間程の集会を終えて噴水近くの野原でダンスパーティーが行われた。 楽器は鉦、銅鑼、太鼓とメキシコ伝統楽器の和音。 どの国にも自国の固有な遊び文化があるが、中でも韓国闘争団の風物は、 どこでも断然人気だった。声の大きさでも楽しさでも他の追従を許さないというのが 韓国闘争団の冗談混じりの評価だ。

非常に楽しい音楽と踊りで、外国の同志と友情をわかちあった後、 一時間くらい過ぎてその場はお開きになり、韓国闘争団も宿舎に帰った。

△行事が終わってお互いのシャツを交換する姿.「WTO反対」と書かれた韓国闘争団のTシャツは最高の人気を享受した。(C)民衆の声

カンクン交渉決裂の意味-「米国式一体化」にひとまずブレーキ

メキシコのカンクンで開かれたWTO第5次閣僚会議は、 結局、いかなる合意もできずに閉幕した。 WTOのの最高意志決定機構である閣僚会議が合意できなかったのは、 99年のシアトル会議に続き2度目だ。これに伴い、来年の末までと時限が定められた ドーハ開発アジェンダ(ウルグアイラウンドの次のラウンド)の妥結が不透明になった。

カンクン会議が決裂したのは、アフリカ、カリブ海、太平洋(ACP)グループなどの 開発途上国が「シンガポール・イシュー(貿易円滑化など4部門)」に関する 合意を受け入れられず、反発したことによる。採択されていない閣僚宣言文草案は、 この問題の中で貿易円滑化、政府調達透明性部門は直ちに交渉を開始し、 投資と競争部門は後ほど始めるという形になっているが、 開発途上国はこれを受け入れられないと主張した。

また何人かの会議参席者は、農業分野で先進国と開発途上国の立場の違いが 今回の会議決裂の決定的要因だったと分析することもした。

細部的な原因分析と無関係に、今回の会議の決裂は、開発途上国が先進国らに対抗して 組織的に自己主張したためという点にあらゆる専門家たちが共感している。 すなわち、多国間交渉というWTOの構造上、ひとまず開発途上国が団結した声を出せば、 先進国が無条件に勝手に導いていくことはできないのだ。

世界のNGO活動家が会議決裂を歓迎したのも、このような文脈だ。

いわゆるグローバリゼーション(世界化)とは、その本質から 全世界を米国式の新自由主義社会に改造する「一体化」という非難を受けてきた。 WTOとFTA、BIT等の二国間交渉は、このような一体化に重要な道具であった。 今回の会議が決裂したことは、このような米国式一体化にひとまずブレーキが かかったものと解釈できる。

もちろん、言論と専門家の予測のように、会議の決裂が無条件に 韓国農民や世界の貧しい民衆に有利なのではない。すぐに米国は韓国農業に対して 二国間交渉を提起してくると見られる。しかし、あらゆる闘争がたった一度で 「素敵な結果」を産むことはできない。 たとえまだ不透明な未来が残っていようとも、われわれは今回のカンクン闘争で 重要な一歩を踏み出したと見てもいいだろう。/イジョンム記者

2003年09月15日(C)民衆の声

"元記事":http://www.voiceofpeople.org/new/news_view.html?serial=5820&category=type10


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