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ILO中核的協約批准、民主労総「労働法全面改正が残った」

公共部門争議権制限、交渉窓口一本化、特殊雇用団体交渉権制限などの問題は相変わらず

ウン・ヘジン記者 2021.04.21 14:49

政府が4月20日にILO中核的協約批准書をILOに渡したが、 民主労総は現行法・制度を改善しなければ口先だけの宣言になると指摘した。 批准書寄託の1年後には中核的協約が効力を持つが、 労組法と公務員労組法、教員労組法などの現実が ILO中核的協約が明示している労働三権の主要内容が入っていないという理由からだ。

民主労総は4月21日午前、民主労総で記者会見を行って、 政府が中核的協約批准書を寄託したことについて 「守らない約束で国際社会を欺瞞するつもりでなければ 政府は協約と現行法・制度の間の間隙を認識しなければならない。 協約が本格発効するまでの今後1年間、 現行法・制度を全面改正する努力に集中しろ」と要求した。

4月20日、政府は2月に国会を通過した「結社の自由および団結権の保護に関する協約(87号)」、 「団結権および団体交渉権原則の適用に関する協約(98号)」、 「強制または義務労働に関する協約(29号)」の3つの中核的協約をILOに寄託した。 これで批准書寄託1年後の2022年4月20日から協約は効力を持つことになる。 しかし政府が現行法を直す努力は放置したまま、 批准書を提出しただけで問題になっているのだ。

民主労総法律院のこれにシン・インス院長は 「韓国は1991年ILOに加入してから30年後に中核的協約を批准した。 まずうれしいが、とても遅く、時既に遅しという気がする。 韓国が30年間、ILO核心協約を批准できなかったのは、 国内の労働法が遅れていて労働者結社の自由を抑圧したため」とし、 今後、国際労働法基準に合わせていかなければならないと話した。

彼はまたILO中核的協約批准が「単なる宣言と約束ではない」とし 「ILO中核的協約は憲法第6条1項により締結・公表された条項で、 国会の同意を受けて批准されたのだから国内法と同じ効力がある」と説明した。 続いて一般的に 「『新法優先原則』、『特別法優先原則』は法律が衝突する場合、 後に制定されたものが優先されるという点を明確にしている」とし、 ILO中核的協約が単純な宣言ではないという点を再度強調した。

交渉窓口一本化廃止、超企業・対政府交渉などが必要

記者会見には主要労働組合代表者らも参加して 今後改正すべき労働法の毒素条項について証言した。

公共運輸労組のヒョン・ジョンヒ委員長は記者会見で 必須維持業務制度をはじめ、交渉窓口一本化制度、 超企業交渉の排除など、労組をする権利を保障するために改正する労組法は一本や二本ではないと指摘した。 必須維持業務制度に関して彼は 「現行労組法上、『必須維持業務』という理由で争議権を制限される業種と事業場数は260ほどで、 公共部門労組の相当数が労使関係の開始段階から不利な地位に立つほかはない」と伝えた。 そのためヒョン委員長は 「現行の必須維持業務制度を廃止して 『業務停止が国民の生命・安全を顕著に危険にする場合』に厳格に適用する 『(仮称)最小業務維持制度』を新設し、 争議権制限を最小化しなければならない」と提起した。

またヒョン委員長は現行の交渉窓口強制一本化制度は 「御用労組が多数の場合、窓口一本化制度で独占的交渉権を付与でき、 御用労組が少数の場合は自主的交渉を認め、差別交渉に出ることもできる」とし、 そのため「現在の交渉窓口強制一本化制度を廃止して、 廃棄する前でも複数労組を活用した不当労働行為に対する規制を大幅に強化しなければならない」と声を高めた。

ヒョン委員長はこれ以外にも超企業交渉と対政府交渉が保障されるべきであり、 特に「公共部門の場合、政府が経営評価と予算指針など法律と行政権限を通じ 『使用者の地位』にあるのに正常な労政交渉が行われていない」と批判した。 超企業労組が団体交渉を要求する場合、 使用者は使用者団体を構成し、 公共機関の超企業労組が政府を相手に労政交渉を要求する場合、 政府が政府交渉代表団を構成して交渉に応じるように規律すべきだという主張だ。

間接雇用労働者に関して民主一般連盟のヤン・ソンヨン副委員長は 「(ILO基準によれば)間接雇用非正規職労働者は元請使用者と交渉・闘争する。 しかし基準だけ決めても現実はそうでない」と指摘した。 例えば民間委託清掃労働者の場合 「昨年20の自治体長と環境部長官を相手に争議調整申請をしたが、 労働部傘下の中央労働委員会はこれを棄却した。 実際の使用者ではないという理由だった」とし、 これは国際労働機構中核的協約批准に全面的に反する結論だと批判した。

政府、特殊雇用労組設立は「法解釈」の問題?…
「『解釈しないということがILO中核的協約の核心」

代理運転労組のキム・ジュファン委員長は現行労組法の弱点が使用者には交渉回避手段になっていて、 代理運転労働者の基本権は否定されていると指摘した。 キム・ジュファン委員長は 「代理運転労働者は難しい闘争を経て、423日目に労組申告畢証は受けた。 しかしまさにカカオモビリティーをはじめとする使用者は 現労組法の穴を利用して交渉を拒否している。 代理運転労組は地方・中央労働委員会を経て調整手続きまで完了したが、 使用者は時間稼ぎを続けている」と批判した。

4月20日、政府はILO中核的協約寄託式開催関連報道資料で 特殊雇用労働者の労組設立を法規定ではなく「法解釈」の問題と扱った。 これについてキム・ジュファン委員長は 「特殊雇用労働者などの要求は、見せかけだけの法と判例や政府の『解釈』ではなく、 労働基本権を『実質的』に保障すること」と要求した。

これに関して民主労総法律院のシン・インス院長も 「政府の態度はとても遺憾」とし、 「労組法第2条1号の『勤労者の定義』を変えずに法解釈の問題として見ること自体が ILO中核的協約違反」と指摘した。 誰が労働者で、誰が労組を作れるのかを解釈しないということが ILO中核的協約の核心だということだ。

教師・公務員の政治基本権と労働基本権保障に関する課題も指摘された。 全国教職員労組のチョン・ヒヨン委員長は 「光州のある先生は、総選挙の前に今は成人になった教え子に退勤後に携帯メッセージでたった一回、 特定政党を支持するという携帯メッセージを送ったという理由で教師職を失う判決を受けた」と伝えた。 また「教師・公務員にはスト権も与えられず、 専従の給与支払いは立法の介入なく労使自律にまかせているのに、 専従給与支払い禁止条項を維持して、他職種の労組と区別している」と指摘した。

民主労総のユン・テックン首席副委員長は 「来年の中核的協約効力の発生まで、 すべての労働者の労組する権利、 すべての労働者の労働三権保障のための労組法改正が必要」とし 「民主労総はILO中核的協約が国内制度と現場に全て具現されるように、 全組織的な闘争を続ける」と明らかにした。

一方、民主労総は、 △結社の自由(労働三権)主体を雇用関係・従属関係にしばられず、 すべての労務提供者としての労働者に広げること、 △特殊雇用労働者・間接雇用労働者が団体交渉権を全て享受できるようにすること、 △複数労組交渉窓口一本化強制制度の廃止、 △教師・公務員の政治的な意思表現の自由を全面禁止する法条項廃止、 政治基本権保障、 △政府政策を変える目的のストライキと構造調整に対抗するストライキを不法と規定する条項の廃止、 △公共部門のスト権を抑圧する必須維持業務制度、 平和なストライキ参加者も業務妨害罪を適用して処罰する慣行の廃止を要求した。

4月26日には民主労総・韓国労総・ILO労働者活動支援国主催で 「ILO中核的協約批准以後効果的履行のための課題」を主題とする国際討論会が 永登浦のハイソウルユースホステル2階の大会議室で開かれる。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2021-05-01 17:19:19 / Last modified on 2021-05-01 17:19:21 Copyright: Default

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