航空業界の相次ぐ整理解雇、「政府の『無能』を象徴」

アシアナ航空下請196人、イースター航空605人を整理解雇

航空業界で大量解雇が発生し続けているなかで、 これを糾弾する声が高まっている。 解雇を通報された労働者たちは、 コロナ19の経営危機で進められる航空労働者の整理解雇事態に対し、 政府が対策を用意しろと口をそろえた。

［出処:公共運輸労組］

アシアナ航空2次下請企業の(株)エアーケイタリングサービス(ACS)は、 廃業を事由として先月、全労働者196人に解雇通知書を送り、 イースター航空も9月7日に経営上困難を理由で605人の労働者に整理解雇を通知した。

公共運輸労組永宗特別支部は9月8日午前、 青瓦台サランチェの前で記者会見を行って 「(ACS廃業は)災害時期雇用を守れない政府雇用維持制度の『無能』を象徴する」と批判した。

特別雇用支援業種に属するACSは、アシアナ航空機内食製造業者である ゲイトゴーコリア(GGK)と請負契約を結んだ業者だ。 ACS労働者たちは全労働者の70%に達する整理解雇を通報され、 これを防ぐために8月26日に永宗特別支部に加入してACS支会を構成した。 しかし労組設立4日後の8月31日、 使用者側は廃業公告を出して今度は全労働者196人に整理解雇通知をした。

ACSはコロナ19危機で労働者が苦痛分担をしたのに整理解雇を強行している。 労組は記者会見で 「特別雇用支援業種のACS使用者は、 事業維持のために雇用維持支援金を申請し、労働者たちに代価を要求」したが、 「使用者は整理解雇を強行した」と批判した。 労組によれば、会社は労働者1人当り60〜70万ウォンを給与明細書で「その他の控除」して、 労働者たちは会社を救うために月150万ウォンの給与を甘受した。

そればかりか9月4日、 ACS労使は中部雇用労働庁面談で事業維持の可能性を確認して、 会社は廃業撤回を検討することにしたが、状況は変わらなかった。 労組は当時、使用者が廃業撤回を検討することにした後 「一日で『GGK元請との操業料調整失敗』という新しいイシューを打ち出して廃業を再通報した」と説明した。

永宗特別支部は8月に1万人の署名を集め、 △特別雇用支援業種延長・拡大、 △雇用維持支援金使用者義務申請方案用意要求を青瓦台に伝えた。 永宗特別支部は記者会見で 「数か月前から使用者善意によって左右される制度の不十分な実効性を強調したが、 政府と雇用労働部はそれを知りながら知らないふりをした」とし 「今回も無給休職雇用維持支援金制度を使用者は蹴飛ばした」と話した。 また彼らは「廃業はACSだけの問題ではなく、仁川空港全体に波及効果を及ぼす」とし 不十分な政府雇用維持対策について指摘した。

イースター航空、結局605人に整理解雇通知

イースター航空の労働者も、これまで経営危機で苦痛分担をしてきたが、 9月7日に会社は整理解雇を通知した。 すでに上半期、哀慶-済州航空への売却の過程で会社は 解約、勧告辞職などの方法で500人の人員削減を強行した。 今回の追加人員削減でイースター航空は当初1600人の職員の3分の１水準の570人ほどだけが残ることになった。

公共運輸労組は9月8日に青瓦台サランチェの前で記者会見を行い 「整理解雇だけは防ごうとして、無給循環休職で整理解雇による人件費節減分に相応する苦痛分担案を提示した」とし 「しかし経営陣はこれを全く検討せずに整理解雇を進めた」と説明した。

しかも労組は「政府当局と与党も、 会社のオーナーが自分の利益のためだけに労働者の生存権を切り捨てることを黙認してきた」と批判した。 続いて「政府は目の前で堂々とひどい大量解雇が行われたのに、 労使間の問題だとし、切迫したイースター航空労働者の声を無視した」と話した。

一方、解雇通知書を受けた605人は、運航職約170人を含み、 10月14日に会社経営上理由で解雇される。 労組は不当解雇救済申請など整理解雇撤回のための闘争を続ける計画だ。 9月3日に労組と市民社会団体が突入した国会前での座り込みも続く。

民主労総もこの日、論評で相次ぐ整理解雇事態を指摘して、 総雇用維持のための闘争に立ち上がることを明らかにした。 民主労総は「大統領が4月の5次非常経済会議で話した 『基幹産業が倒れるのを防ぐ』という約束はどこに行ったのか」と批判した。 続いて「コロナ19を口実として無差別に行われる解雇を防ぎ、 労働者民衆の人生を保存して維持しながら、 これを災害克服の原動力に昇華させる格別な措置をするべきだ」と明らかにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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