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監視・統制を強化する「バウチャー法改正案」、反対の声高まる

福祉部改正案『不正受給すれば3年間利用禁止』などが入れられる

カン・ヘミン記者 2014.09.30 15:10

▲8月19日に保健福祉部が立法予告した「社会サービス利用および利用権管理に関する法律」一部改正案に対するサービス利用者、関連従事者、サービス中継機関などの反発が強い。社会サービス市場化阻止共同対策委員会、全国障害者差別撤廃連帯、真の保育実現のための父母連帯、韓国障害者自立生活センター協議会は29日に光化門政府ソウル庁舎正門前で今回の改正案を糾弾する共同記者会見を行った。

8月19日に保健福祉部が立法予告したいわゆる 「バウチャー法(社会サービス利用および利用権管理に関する法律)」一部改正案に対する サービス利用者、関連従事者、サービス中継機関の反発が強い。

まず改正案の主要内容を見ると、 不正受給加担で摘発された障害者利用者の利用権を最高3年間制限することにした。

また、従事者(提供人員)が不正受給に加担した場合、 従事者格を2年間制限し、 提供機関には不当に請求された金額に最高5倍の金額を追加で徴収することにした。 また不正受給に加担した人には5年以下の懲役または3千万ウォン以下の罰金を賦課する内容も入れた。

不正受給で不当に請求した金額が500万ウォン以上またはサービス金額で不当請求の割合が10%以上に該当する提供機関は、 そのリストを地方自治体と韓国保健福祉情報開発院ホームページに公開すると明らかにした。

これだけでなく、 △年1回以上利用者の受給資格調査、 △不正受給が強く疑われる費用請求内容は、事前審査手続きにより費用を支払わない、 △不正受給に関連した関係公務員などが現地調査を忌避したり応じなかったりこれを妨害する行為に対しては、 利用者のバウチャー使用を制限するなどの内容も含まれた。

福祉部の今回の立法予告案は昨年5月、朴槿恵(パク・クネ)大統領が閣僚会議で 「福祉不正受給解決方案用意」を指示し、 これに伴い国務総理室の主催で「関係機関合同福祉事業不正受給清算TF」を構成したのに続き、 国民権益委員会の傘下に「福祉不正申告センター」を設置して運営した流れの延長線にある。

しかし現場の社会サービス労働者や利用者は、 不正受給の処罰を強める前に、 不正受給が発生する根本的な原因を解消するべきだと主張する。 また、不正受給処罰という名分でサービス利用者の権利を大きく萎縮させる社会サービス利用権3年間中断などの内容は、 深刻な人権侵害だと指摘した。

何よりも何度も程提起されたバウチャー制度の問題点を改善するどころか、 すべての問題の責任をバウチャーの市場競争に任せることで、 最低の公共性さえ破棄することが今回の改悪案の最大の問題だと口をそろえた。

▲「悪い政策が私たちを犯罪者にする!」公共運輸労組保育協議会所属労働者が暴雨の中で雨具を着てプラカードを持っている。

こうした問題について、 社会サービス市場化阻止共同対策委員会、全国障害者差別撤廃連帯(以下 全障連)、 真の保育実現のための父母連帯、韓国障害者自立生活センター協議会は9月29日、 光化門政府ソウル庁舎正門前で改悪案を糾弾する共同記者会見を行った。

江東障害者自立生活センターのパク・ヒョン所長は、 障害者活動補助サービス利用者として、活動補助サービスを提供する中継機関長として、 現バウチャー制度をなくすべきだと話した。

パク所長は 「サービスを国家が保障して、原則を適用するよう設計するべきなのに、 現在の設計自体が誤っている。 初めから誤った設計をして、そのすべての責任は利用者と労働者、中継機関にまわしている」とし 「数年前からこの問題を提起してきたが直さなかった。 バウチャー制度はなくならなければならない」と糾弾した。

真の保育実現のための父母連帯のチャン・ミスン氏は、 0歳から5歳までの子供を持つ父母に支払われる保育支援金子供愛カードをめぐる問題を指摘した。

チャン氏は 「政府が利益を追求する民間業者に保育を任せ、問題が発生している」とし 「このために教師が不安に思い、利用者の保護者と子供たちが低質のサービスで被害を受けている。 政府は法を改悪するのではなく、根本的な保育システムを変え、 公共性を強化しなければならない」と強調した。

続いてこの日、参加者は記者会見文で今回の一部改正案について 「政府は公的サービスの性格を放棄して、制度のすべての責任をバウチャーを媒介とする市場競争体系に任せるということ」とし 「このためにサービスの利用者の社会的弱者は権利の主体ではなく、 監視と統制の対象者として、 そして社会サービス従事者は極度の雇用不安と低賃金労働者であるばかりか、 潜在的犯罪者と烙印して監視するということ」と叱責した。

一方、この日の記者会見に参加した四団体は、 これに対する意見書を福祉部に伝える予定だ。

付記
カン・ヘミン記者はビーマイナー記者です。この記事はビーマイナーにも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-10-02 07:18:08 / Last modified on 2014-10-02 07:18:09 Copyright: Default

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