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第2の晋州医療院、南原医療院事態の解決は全羅北道が始めろ

「南原医療院の支援額は民間の市外バス会社の支援金より少ない」

ムン・ジュヒョン記者 2013.07.16 16:46

南原医療院の労働者が医療院近くの公設運動場の40m照明塔で高空籠城をするなど、南原医療院事態が混乱を繰り返している。民主労総全北本部と保健医療労組全北本部が全北道庁の前で「南原医療院正常化」を要求して金完柱(キム・ワンジュ)全北道知事の決断を要求する108拝闘争も、7月15日からは1080拝闘争へと大きくなっている。

▲南原医療院労組のイ・ヨンギル副支部長が3日から南原医療院正常化を要求する高空籠城を始めた。イ副支部長は16日に父親の喪で高空籠城を中断した。[出処:チャムソリ]

保健医療労組南原医療院支部は7月の末までに南原医療院が労組との団体協約締結 などを約束しなければ、全面ストライキに入るという立場だ。

こうして南原医療院事態が混乱する背景には、地方医療院の赤字を改善するた めに、職員の犠牲を強調した南原医療院の政策にあると労組と市民社会は指摘 する。そして地方医療院の公共性を放棄して、経営成果だけを強調する全羅北道 の視点が南原医療院事態で表面化しているという意見もある。

全羅北道は、2003年、南原医療院の赤字改善の対策として、民間委託と民営化 方案を検討し、当時、南原医療院の経営赤字の責任を取らせて南原医療院長を 解任した。民間委託と民営化は失敗したが、当然、任期3年の後任院長の最大の 宿題は、南原医療院の赤字幅を減らすことだ。労組は実際に2010年、チョン・ ソック院長の任期を始まると、職員に「全羅北道が構造調整の任務を与えた」 という言葉を私席でしばしば言及したという。

▲南原医療院[出処:チャムソリ]

「経営革新の中心は、人件費の節減など職員の犠牲が大半」

チャムソリが最近入手した「2013年経営説明会」の報告書を見ると、南原医療院の 赤字を減らすための悩みが表われている。

報告書には現在の状況を「危機」と規定し、これを「機会」だと感じて経営の 革新を実現し、「最高の医療を提供し、信頼される地域の拠点公共病院」としての 位置を占める意志を見せた。

▲2013年 南原医療院経営説明会資料[出処:チャムソリ]

しかし経営革新の課題として「原価低減努力の強化」と「診療および成長事業の 活性化」に焦点を合わせたが、全羅北道と中央政府の役割はない。原価低減の 努力という言葉は結局、人件費の節減と人員補充の抑制などの構造調整をいう。 「診療および成長事業の活性化」も患者の誘致と収益事業を強化するという意志と 読める。その方案の一つとして、南原医療院は「全職員葬儀場および検診センター を積極的に広報、誘致」しようとしている。

葬儀場と検診センターは病院の主な収益事業で、これを道民のための公共医療 サービスとは言えないのは事実だ。

経営報告書には「包括的なサービス拡充」として公共保険医療事業機能の強化と 地域応急医療センター機能強化に言及しているが、具体的な推進方案は説明を していない。実際、労組は南原医療院が人員削減と人件費節減などを理由に 応急医療センターなど主要公共医療事業について病院が本来の責任を果たして いないと指摘している。

結局、経営革新が職員の犠牲によって行なわれていることを察することができる。

「主な赤字は公益的な欠損と負債」

では、南原医療院が現状況を危機と規定して、経営革新を試みようとする理由 の「赤字」の規模はどの程度なのであろうか?

▲民主労総は8日から南原医療院正常化と金完柱全北道知事が問題の解決に動くことを要求する108拝を始めた。[出処:チャムソリ]

2008年の南原医療院の損失額は48億。その後の2009年には33億、2010年には22億、 2011年には10億と、損失額の規模を減らした。これは、従事者の賃上げ分返却と 凍結などの犠牲による結果だ。病院側は毎年、継続的な原価低減のために人件費 の節減を従事者に要求してきた。これは毎年公開することになっている決算書 などでも簡単に確認できる。この過程で、職員への未払い賃金も9億ウォンに達した。 2012年の未払い賃金を入れると、合計17億が現在未払いになっている。

こうした状況で、2012年には損失額が26億へと増加した。これは2012年に労使 対立が表面化し、ストライキなどが起きて南原医療院の運営が混乱した結果と 言える。犠牲による補償は別としても、団体協約締結など労組のための最低の 配慮がなかったのは残念な部分だ。

報告書は、2013年の赤字発生の主な要因として「公益的性格の欠損額発生」と 「累積赤字による負債償還の困難」が大きな要因と分析している。

南原医療院は、地域開発基金の負債93億を今年から2023年までに段階的に償還 しなければならない。医療院はこの償還計画で資金難に陥ると憂慮している。 地域開発基金は、機器の購入など、南原医療院の設備補強などのために使われた。 地域開発基金は全羅北道からの借入だ。

公益的性格の欠損額(年間37億ウォン程度)も南原医療院の赤字に大きな部分を 占める。最低の医療安全網(産婦人科、応急医学と、小児科、応急室運営)等の 機能を維持するためには避けられない赤字だ。労組と政界は、これを「健康な 赤字」と見ている。

「最近5年平均26億、民間市外バス会社支援金より少ない」

[出処:チャムソリ]

では全羅北道が道立公共病院の南原医療院に支援する金額はどの程度だろうか。 全羅北道は最近、マスコミを通じ、毎年約26億ウォンを南原医療院に支援して いると明らかにしている。その内幕を見ると、これらの負債を南原医療院と 従事者に転嫁しているのでないかという疑問を感じる。

2008年と2009年に約50億を支援した全羅北道は、2010年に約13億、2011年に約6億、 2012年には約12億と、支援の規模を大幅に下げた。2013年にも約14億の予算を 支援する計画だ。これをすべて合計すれば平均26億になる。民間会社と言える 市外バス会社に全羅北道が補助している支援額(推定約35億)よりかなり低い水準だ。 市外バスと違い、南原医療院は全羅北道が作った病院だ。

そして、全羅北道が予算規模を大幅に減らした時点と、職員の人件費の節減が 本格的に提起された時点も2010年頃で妙に一致する。

全羅北道のある関係者は「モラルハザードを防ぐため、人件費などの経常費の 支援より、機能補強などで国費とのマッチングによって支援した。2010年から 予算が減ったのは、南原医療院の施設の新築・増築が完成したためだ」とし 「今、南原医療院の赤字は労組が主張する『健康な赤字』のためではない。 南原市の人口などの規模と比べ、人員と施設が多いからだ」と明らかにした。

しかし民主労総全北本部の関係者は「全羅北道が支援する予算は、南原医療院 が施設補強を福祉部に申請すればこれに道費の一部を投入する水準」として、 「結局、重要なことは人件費と債務の帳消しなど、経常費支援を当然道立病院 運営の責任がある全羅北道がするべきなのに、それをしていない。経営改善を 強調すれば、これが構造調整でなくて何なのか」と話した。

現在、全羅北道が南原医療院の赤字と負債の代案を用意すべきだという声は、 労組だけの主張ではない。これらの負債の解決を南原医療院だけに強要すれば、 南原医療院は収益中心の医療サービスに方向を定めるほかはない。これは、 労使の対立が長く続くことを意味する。いつよりも全羅北道が南原医療院事態の 解決に積極的に動くべき時だ。(記事提携=チャムソリ)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-07-17 02:26:44 / Last modified on 2013-07-17 02:26:44 Copyright: Default

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