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ハンエクスプレス物流倉庫労災惨事から一か月、青瓦台に行った遺族

「事故1か月、真相調査も先が見えず…再発防止対策もなし」

パク・タソル記者 2020.05.29 16:32

4月29日、利川のハンエクスプレス物流倉庫労災惨事が起きてから1か月が過ぎた。 死亡者38人を含み合計48人の死傷者を出した恐ろしい労災だったが、 一か月の中間捜査の結果さえ発表されていない状況だ。 一足遅れてできた汎政府TFは来月、建設現場の安全に対する最終改善案を発表する計画だが、 これも労災惨事当事者や関係者を徹底的に排除したままで進んでいる。 これに遺族ら100余人が直接青瓦台の前で政府と元請の責任を要求した。

「ハンエクスプレス物流倉庫重大災害遺族」100余人は5月29日午前、 青瓦台噴水台の前に集まって今回の労災惨事の元請で責任者のハンエクスプレスの処罰を要求し、 繰り返される労災を防ぐ特別法を要求した。 この席で遺族と代表者は遅れている捜査結果の発表や法制度の問題、 また家族を失った悲しみと苦痛を明らかにして政府に責任ある解決を要求した。

パク・カンジェ遺族代表は 「私たちが知りたいことは、どこで火が起きたのかだけではない。 なぜ労働者たちは待避できなかったのか、 なぜ労災惨事が続くのかがを知りたい」とし 「大統領秘書室長、与・野党代表、国会議員などが来て、 総理は『格別の対策』まで要求したのに、 なぜまだ何の対策が出てこないのか」と苦しい心情を吐露した。

実際に警察の中間捜査結果は1か月以上出ていない。 遺族などが警察に捜査結果を督促すると、 6月初めに発表するという立場を明らかにしただけだ。 警察は事故直後の4月30日、(株)ハンエクスプレスと(株)コンウ本社、 主要下請企業に対する押収捜索の後、 5月16日に遺族を相手に捜査進行状況をブリーフィングする席を持った。 だが警察は「火災の原因を明白に明らかにするために最善を尽くしている。 火災原因により、責任を問う対象も変わるので慎重にならざるをえない」 という立場を明らかにするだけで終わった。

パク・カンジェ代表は 「『建設現場火災安全汎政府TF』が来月まで最終改善案を用意して発表するというので見守る」とし 「21代国会も政争を終わらせて、死者の死を無駄にしない (産業安全関連)特別法を制定しろ」と明らかにした。

遺族は安全の外注化構造を指摘して法制度改善を要求した。 遺族は「発注処『ハンエクスプレス』は直接的な責任がないと退いている。 監理業者の『チョニン』は労働者の安全に対して責任を全うしなかった。 『コンウ』と下請企業は自分は責任がない、その上被害者だという」とし 「(しかし)彼らはすべて『危険の外注化』に最善を尽くしただけ」と批判した。

続いて「2008年の利川冷凍物流倉庫火災事件の当時発行された消防白書の内容を参考にすれば、 現在、マスコミを通して出る報道資料と政府改善案、法案の内容がほとんど同じだ」とし 「政府の部処は約束で終わらせずに法制化まで推進しろ」と要求した。

特に遺族の法律代理人のキム・ヨンジュン弁護士(マジュン)は、 今回の惨事から距離をおくハンエクスプレスに直間接的な責任があると主張した。 キム弁護士は 「毎週ハンエクスプレスの常務とコンウの社長、協力業者役員が集まって、 共に工程会議をしていた。 事故当日も工程会議がある日で、事件現場には彼らがみんないた」とし 「6月30日の竣工を控えて無理な作業を指示したために、 一緒にしてはいけない作業が同時に行われて火災が発生した」と話した。 キム弁護士によれば、毎週開かれた工程調整にハンエクスプレスが関与したという録音証拠もある。

遺族、事故後一ケ月…忘れられるかと恐ろしかった

一方、今回の惨事の犠牲者は、 家族、親戚、友人などだったので苦痛は倍加した。 1家族に2人の犠牲者も出てきた。

今日の記者会見でマイクを持ったミン・ジョンウォン氏は事故当時の現場を証言して、 死亡した弟に書いた手紙を朗唱した。 ミン・ジョンウォン氏は労災惨事の生存者でもあった。 ミン氏は「一日一日が自責と苦痛の中でつらい。 火魔が襲った日も兄として走りまわったことを思い出すと本当に狂うほど胸が痛くて苦しい」とし 「真実が明らかになって責任者が処罰されるまで、 幼い甥や弟の嫁のためにでも、微力でも最善を尽くす」と話した。

他の遺族A氏も今回の惨事で親戚2人を失った。 A氏の義理の兄弟と、彼の義理の兄弟の2人を失ったということだ。 A氏は「この一か月でマスコミの報道も静かになって、 捜査結果の発表も遅れるのを見て、 このまま忘れられるのではないかと恐ろしかった」と話した。 A氏は「一家から二人の死亡者が出てきた。 本当に惨めな状況だ。 コロナまで襲ってきて、どの家も経済的にとても難しい状況なのに、 早く労災処理されるように願うだけだ」と話した。

一方、青瓦台での記者会見を終えた遺族らは、 ソウル市瑞草区にあるハンエクスプレス本社前に移動してデモを続けた。 午後2時に本社前に集まった遺族らはハンエクスプレスに元請の責任を取れと要求した。 この日、遺族代表は直接ハンエクスプレス側と会って、立場を伝えた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2020-06-10 23:47:32 / Last modified on 2020-06-10 23:47:34 Copyright: Default

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