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サムスンと警察がホットラインで労組を飼い慣らす

サムスン、労組編成問題まで介入…「労組幹部に500万ウォン支払い」

キム・ハンジュ記者 2020.03.18 08:00

金属労組サムスン電子サービス支会関連の真相調書報告書(以下、報告書)によれば、 2014年から2018年まで、サムスン電子サービスの労使交渉が「ホットライン」を通じてなされたことが確認された。 ホットラインに参加した情報警察は、 サムスンから代理交渉の代価として金を受け取ったり、 サムスンもまた金品で「ホットライン」に参加した労組の幹部を抱き込もうとした。

[出処:チャムセサン資料写真]

サムスン、労組編成・選挙まで戦略
ホットラインでサムスンに流れた労組情報

報告書によれば、サムスンは2014年から2018年まで、 情報警察のキム・ジョンファンを通じて労組幹部と「ホットライン」を運営した。 2014年のヨム・ホソク烈士闘争当時の労組京畿地域幹部がキム・ジョンファンと交渉し、 2015年2月から2018年の直接雇用合意前までは当時サムスン電子サービス支会の支会長がキム・ジョンファンと会い続けた。

警察と労組幹部の「ホットライン」は各種の労使問題に介入した。 2015年3月、使用者側は「電子人事支援グループ作成資料」で 「労組員が長期闘争に懐疑的な状況なので、 支会長が賃金交渉の早期妥結を金属労組に伝え、 金属労組はこれを承認するほかはない状況」とし 「秘線を稼動し続けて労使7人の交渉は『八百長』で行い、 実際の交渉はホットラインで進行」するとした。 実質的な交渉権は労使交渉団ではなく、 サムスンの交渉代理を自任する警察と労組幹部の「ホットライン」にあったのだ。

サムスンはホットラインを通じて賃金交渉だけでなく、 労組が決める組織編成の問題まで影響力を行使しようとした。 現在、支会は全国を合わせる統合支会体系だ。 金属労組は単一産別労組で、下に地域支部(大企業単位支部)、 支部の下に支会をおいている。 労組の体系上、サムスン電子サービス統合支会は異例な組織だ。 そのため労組はサムスン電子サービス支会を地域支部として編成する方案を検討していた。

このような背景で、サムスンは労組が地域支部で編成されれば労務管理が難しくなるという理由で工作した。 2015年7月23日に使用者側が作成した「地域支部編成影響分析および対策樹立」の資料には 「ホットラインを通じて支会執行部を対象に15年の地域支部編成案件反対を持続誘導」と書かれており 、2015年7月27日の「ホットライン議論結果」には 「支会が地域支部編成反対意見を提出する場合、反対派イシュー化、逆作用予想。 8月17日の中執(労組中央執行委員会)まで無返答の態度で時間稼ぎする予定」と書かれていた。 サムスンが支会幹部の行動戦略まで組んいたわけだ。

同年なされた賃金体系改善委(賃改委)でも、サムスンはいわゆる「バックドア」、 非公開議論の方式を選んだ。 使用者側は賃改委について 「バックドア(B-door K-R、Kは警察、Rは支会幹部)」を議論した後、 公式の合意手続きで終わらせる計画を内部文書に残した。 また真調委が確認した8月26日の使用者側文書を見れば、 キム・ジョンファンと当時の支会長が会って賃改委の進行方式に共感を形成した。

支会長選挙の支援までもホットラインで扱われた。 8月28日の使用者側文書には 「支会長選挙に物質的支援を要求した状態で、これを戦略的に活用する必要」 があると明示されている。 労組が選挙のためにサムスンの支援を望み、 資本はこれによる戦略と計画をたてたわけだ。 だが真調委はこの選挙は結局、労組の募金で行われ、 サムスンの支援はなかったと明らかにした。

ホットラインは2016年と2017年にも続いた。 サムスン電子サービス専務だったチェ・ピョンソクは、 裁判で2016年の1月頃からホットラインを稼動させたと明らかにした。 2017年8月に「外部関係者を活用して水面下交渉」の計画が含まれる使用者側の企画文書も存在すると真調委は伝えた。

当時の支会長は真調委側に 「金属労組も直接交渉を突破できず、その後警察を通じたブラインド交渉が慣行」になり、 そのため「自分もブラインド交渉をして、警察キム・ジョンファンを明らかにしないこと」と述べた。 続いて「(警察と会いに)行く、行かないで支会と議論し、 特に○○○と全てを共有した」と明らかにした。

しかし他の対面調査は真調委側に 「支会長が警察キム・ジョンファンと会うことを全く知らず、 ただサムスン側の誰かに会うと推測」していたとし 「これは支会長が交渉の過程でいつも誰かに聞いて決めるため。 会議の中断時間に(支会長が)誰と会うのか、 誰と通話するのかを役割を分担して確認しようとした」と述べた。

[出処:チャムセサン資料写真]

危険だったホットライン、金封筒を呼ぶ
真調委「当事者が夫人…金品受領確認できず」

ホットラインは金封筒がやりとりされる状況にまでなった。 まず1審の判決文によれば、 サムスン電子サービスの当時のチェ・ピョンソク専務は、 2014年7月8日、経済人総連のファン・ヨンヨン、 労組幹部A氏に各500万ウォンを支払った。 経済人総連のファン・ヨンヨンは翌朝、チェ・ピョンソクに 「常務様人柄に○○が(A氏)が感銘したようです^!^」という携帯メッセージを送った。 特に警察キム・ジョンファンはホットラインの運営の代価として、 チェ・ピョンソクなどから9回にわたり3188万3250ウォンを受け取った。 だがA氏は真調委側から金品を受け取った事実はないと明らかにした。 検察も口座追跡の結果、確認できなかったと明らかにした。

警察キム・ジョンファンは2015年3月16日、ホットライン運営費用、 つまり食事と酒代300万ウォンをサムスンのチェ・ピョンソクから受け取った。 サムスンに金を要求した理由は 「警察庁と国家情報院から受け取った金額は領収処理をしなければならないので、 居酒屋の利用費には使えなかったため」と明らかにした。 これ以外にも警察キム・ジョンファンは裁判の過程で当時の支会長に何回も金品を渡したと主張した。 だが支会長は真調委側にキム・ジョンファンからタクシー費をもらったことはあるが、 タクシーの運転手にすべて渡し、金額は確認しなかったと述べた。 また、金品を渡したというキム・ジョンファンの主張は、 自分が受け取った金額を小さくして、特定犯罪加重処罰法を避ける主張でしかないと伝えた。

真調委「公開の原則、資本の抱き込みに対抗する方法」
金属労組「交渉透明性、民主性を守れなかった」と謝罪

真調委はホットライン事件について、 「資本と警察、政府の官吏らと『個人的な出会い』はありえない」とし 「学縁、地縁、同好会など、あらゆる縁を使って関係を形成し、維持しようとすることに彼らの理由と目的がある。 資本の懐柔と抱き込みに対抗するための方法は、すべての出会いを仲間たちに報告して共有することだけ」と明らかにした。

続いて真調委は、サムスンがホットラインを通して労組の情報を入手し戦略をたてたという点を指摘して 「秘密の出会いは労組の要求を貫徹する空間ではなく、 サムスンが対策をたてる助力の空間、 サムスン資本の立場が提示される空間」と評した。 また、「組合員が主体から排除され、組織活動が民主的に運営されず、 要求を誰かが使用者側に『取ってくる』のなら、労組は必要ない組織だろう。 民主労組のために命まで捧げた理由は、資本の統制管理を拒否し、 労働者自身の未来は自分で決めるという決意」という点を明確にした。

金属労組は真調委勧告により、3月16日に謝罪文を発表し、 「サムスンに対して交渉の透明性と民主性を最後まで守ることができなかった」とし 「2014年の非正常的交渉は、2015年以後のサムスン電子サービス支会賃金団体協議交渉で 正規の交渉ラインが意味を失った「ホットライン交渉」というさらに歪んだ形態の秘密交渉につながった。 サムスン資本の闘争過程での交渉が民主的でなかったことを確認し、 これに対して全国の仲間たちに頭を下げて謝罪する。 金属労組は真剣な省察と反省を経て、民主労組運動の原則を立て直す」と伝えた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2020-03-27 11:30:52 / Last modified on 2020-03-27 11:30:54 Copyright: Default

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