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「サムソン半導体白血病真相究明」対策委発足

「23才のファン・ユミ氏など最近7年間で労働者5人が白血病で死亡」

チェ・イニ記者 flyhigh@jinbo.net / 2007年11月20日17時59分

サムソン電子半導体器興工場で発生した労働者の白血病発病および死亡事件と 関連して、労働社会団体が真相究明を要求している。

▲アン・ポヨン記者

民主労総京畿本部、健康な労働世の中、サムソン解復闘、タサン人権センター、 労働災害労働者協議会など13団体で構成されるサムソン半導体集団白血病真相 究明と労働基本権確保のための対策委員会は、今日(11月20日)午前11時に京畿 道器興市のサムソン電子半導体工場正門前で発足記者会見を行い、このように 発表した。

同じ工程で働いていた女性労働者2人とも白血病で死亡

サムソン半導体労働者の白血病発病の実態は、今年の3月にファン・ユミ氏が 23才という若さで死亡してから少しずつ知らされた。2003年に入社したファン・ ユミ氏は、サムソン半導体器興工場3ラインのディフュージョン工程3ベイで働 いていたが、2005年6月に急性骨髄性白血病と診断され、闘病の末に亡くなった。 同じ工程で働いていた李某氏は、2006年6月にリンパ腺白血病と診断され、2か月 後に死亡した。

対策委員会によれば、サムソン半導体器興工場では最近7年間で少なくとも6人 の白血病患者が発生、そのうち5人が死亡したと言われ、衝撃を与えている。対 策委はしかし他の遺族とは連絡できず、作業環境を証言する同僚も口を閉ざし ていると苦しさを吐露した。

▲故ファン・ユミ氏の父親ファン・サンギ氏/アン・ポヨン記者

この日の記者会見に参加した故ファン・ユミ氏の父親ファン・サンギ氏は「サ ムソンの対処方法が到底なんとも言えないほどうらめしく、くやしい」とし、 「会社の人たちは、ユミが病気にかかった時『ちょっと待てば補償する』と言 い、ユミが死んでからは『労災処理は好きなようにしなさい、お父さんがサム ソン相手に勝てると思うなら一度やってみなさい』と言った」とし、うらめし いといった。ファン・サンギ氏は「この会社で、また労働者がくやしがる理由 がないように、ぜひ労働組合を作り、安心して安全に働ければ良い」と話した。

三星側、「サムソンを相手に勝てるなら」

対策委は労働災害補償保険法第33条の「業務上の要因で罹患した疾病ではない という明白な反証がない限り、これを業務上の疾病と見る」という条項を上げ、 故ファン・ユミ氏の労働災害認定を主張している。「化学物質の有害性は一般 化できないため、職業的な要因が疾病を起こさなかったという証拠がなければ 職業病と認定しなければならない」と明らかにした。

しかも、白血病で死亡した故ファン・ユミ氏と李某氏は6インチペーパーを手動 で有害物質に入れたり抜いたりする作業をし、防毒機能がないマスクを着用し ただけで、全面型ゴーグルもあご側が持ち上がり、有害物質に露出したものと 推定される。

また故人が作業していた工程の局所排気装置は頭上に位置し、排気装置の吸入 力はむしろ作業者が有害物質に露出するようになっていたという推測もある。 同じ工程で働いていた二人が同じ病気で死亡したという事実も有害物質露出に 関する対策委の主張に力を与えている。

「国家経済一番の貢献者が半導体産業? 職業病と環境汚染に対処しろ」

対策委は記者会見文で「この20数年間、この工場を通り過ぎた数万人の労働者 の中で、どれほど多くの人々が同じ苦痛を受けたのか誰にもわからないが、数 十種類、数百種類の有害物質を使う半導体産業で、自然流産と癌の危険が高ま るという経験は知っている」とし「勤労福祉公団は遅滞なく労働災害と認めて 補償しなければならない」と主張した。

サムソンに対しては「事業主としての責任を全うするどころか病気になった労 働者に退社を勧め、現場に入れない遺族に『作業環境の問題点を捜し出すなら ば捜し出してみろ』と言い、二重三重の苦痛を抱かせた」と暴露し、「こうし た苦痛は数十年間サムソンが固守してきた無労組経営方針の下で労働三権を踏 みにじられて過ごした多くのサムソン労働者の苦痛と同じだ」と明らかにした。

故ファン・ユミ氏の遺族は今年の6月に勤労福祉公団平沢支社に労働災害補償保 険遺族給与を申請した。勤労福祉公団は産業安全公団に業務との関連を確認す る疫学調査を依頼、その結果を待っている。

対策委員会は今後、サムソン電子半導体労働者の白血病発生に対する真相究明 に努める一方、サムソンの労働者が労働基本権を取り戻せるように闘争を組織 する計画だ。また「これまで『世界化時代先端産業』、『国家経済一番の貢献 者』と美化されるばかりだった半導体産業の『職業病と環境汚染』を広く知ら せていく」と付け加えた。

サムソン電子半導体器興工場最近白血病発病関連経過
  • ファン・ユミ氏2003年10月入社. (束草商高同期約10人が入社)
  • ファン・ユミ氏3ライン ディフュージョン(diffusion)工程で13ケ月勤務(総24個のベイ中で1、22、24ベイ勤務)
  • 2004年12月 3ライン ディフュージョン工程中3ベイで発令
  • 2005年5月ぐらいからアザ、嘔吐、疲労、混迷症など
  • 2005年6月10日 ファン・ユミ氏急性骨髄性白血病M2診断確定
  • 2005年8月頃 器興工場設備エンジニア ファン00種白血病で死亡(発病時期不明)
  • 2005年12月 骨髄移植手術
  • 2006年6月 器興工場3ライン3ベイ ユミ氏同僚の李00氏リンパ腺白血病発病
  • 2006年8月頃 李00氏死亡
  • 2006年10月 会社がまた退社要求
  • 2006年11月 再発
  • 2007年3月 ファン・ユミ氏死亡
  • 2007年6月1日 ファン・ユミ氏遺族給与申請
  • 2007年6〜7月 勤労福祉公団で書類調査
  • 2007年8月初め 産業安全公団で疫学調査依頼
  • 2007年8月 休暇および器興工場停電で疫学調査を9月に延期
  • 2007年9月17〜21日 産業安全公団職業病研究センターで疫学調査実施
  • 現在疫学調査(作業環境測定)結果分析中

[出処:サムソン半導体集団白血病真相究明と労働基本権確保のための対策委員会]

原文

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-11-27 00:32:26 / Last modified on 2007-11-27 00:32:28 Copyright: Default

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