キム・ヨンチョル暴露『餅代検事』 3人.. 彼らは何者?

イム・チェジン・イ・ジョンベク・イ・ギナム、検察内「ビッグ3」核心要職すべて歴任

キム・ヨンチョル弁護士(前サムソン・グループ構造調整本部法務チーム長)が 確保しているといういわゆる『餅代検事』のリストの一部が公開され、波紋が 生じているが、リストに含まれた人物の面々に世間の関心が集中している。

天主教正義具現全国司祭団はイム・チェジン検察総長候補者(現法務研修院長)、 イ・ジョンベク現国家清廉委員長、イ・ギナム大検察庁中央捜査部長にサムソ ン側が金品ロビー活動をしたと11月12日、キム・ヨンチョル弁護士の代理で暴 露した。イム・チェジン法務研修院長など3人は現在提起された疑惑を全面的 に否定している。

この日司祭団が暴露した3人の共通点は、ソウル中央地検長、法務部検察局長、 最高検察庁中央捜査部長という、検察内でいわゆる『ビッグ3』と呼ばれる要職 中の要職を現在または過去に歴任した検察の核心首脳部という点だ。

イム・チェジン、ソウル中央地検長時期『ユン・サンニム法曹不正』、『一心会スパイ集団』事件など処理

11月13日、国会法司委検察総長候補者に対する人事聴聞会を控えているイム・ チェジン院長は、釜山高とソウル大法大を卒業した司法試験19回で、△法務部検 察課長、△ソウル地検刑事部長、△大田地検次長、△水原地検2次長、△ソウル地検 2次長、△法務部検察局長、△ソウル中央地検長など、検察内の主要職務をあまね く歴任した検察企画通として知られている。

イム院長は、ソウル中央地検長在職中はいわゆる『一心会スパイ集団』事件、 『海の話』事件などを陣頭指揮した。当時イム院長が扱かった事件には、チョ・ グァネン高裁部長判事まで関与して世の中を沸きかえらせた『ユン・サンニム 法曹不正』事件もあった。

先月、イ院長を検察総長に内定した大統領府は、最後まで混乱を繰り返した。 それもそのはず任期末に検察首長を交替することをめぐり、ハンナラ党は高位 職の任命を次期政府にしろと要求していた。それだけ任期末の任命という負担 を抱き、検察総長に抜てきされたイム院長への大統領府の信頼感と期待も格別 だった。

大統領府、「イム・チェジン、原理原則に忠実でリーダーシップと人柄を備え」抜てき

パク・ナムチュン大統領府人事主席は10月11日、イ院長に対して「業務処理に 私心がなく原理原則に忠実で、リーダーシップと人柄を備えている」として 「大統領選挙の公正な管理などの当面の課題を合理的に処理し、検察機関本来 の任務に忠実で、政治的な中立性を守ることに大きな役割を果たすと期待する」 と明らかにしたことがある。

パク人事主席は「検察総長内定者(イム院長)が『ユン・サンニム法曹不正事件』 を徹底的に捜査したか」という記者の質問に「ソウル中央検事長在職時、非常 に原則通りに捜査した。多分そのような憶測は消えたと理解している」として 「非公式な主張より客観的な事実を尊重すべきだ」と一蹴した。

一方、イム候補者はサムソンエバーランド事件の捜査に関するサムソン・グルー プの李健煕会長の検察召喚問題に対して「政府機関の検察も経済に与える影響 を考えなければならない」とノーカットニュースとのインタビューで述べたこ とがある。

イ・ジョンベク、盧武鉉大統領と司法試験17回同期.. 『8人会』メンバー

司祭団が暴露した3人の人物のうち、イ・ジョンベク現国家清廉委員長は、盧武 鉉大統領、そしてサムソン・グループとの縁(?)が深い。

イ・ジョンベク委員長はイム・チェジン院長と同じく釜山高とソウル大法大を 卒業した。李委員長は盧大統領とチョン・サンミョン現検察総長とは司法試験 17回同期だ。一方、最近キム・ヨンチョル弁護士のサムソン秘密資金造成疑惑 暴露に関して辞表を提出して辞任したサムソン・グループのイ・ジョンワン法 務室長も司法試験17回だ。

特に李委員長は、盧大統領と司法試験17回および研修院同期の会の、いわゆる 『8人会』のメンバーだという。李委員長も、△法務部検察第2課長、△水原地検 平沢支庁長、△大検察庁企画調整部長、△仁川地検長、△法務部検察局長、△ソウ ル中央地検長、△釜山高等検察庁長、△ソウル高検長など検察要職をあまねく経た。

デサングループ秘密資金『手抜き捜査』議論で左遷

イ委員長は、仁川地検長のときに(2003-2004年)扱かったデサングループのイム・ チャンウク名誉会長の秘密資金事件で『手抜き捜査』で問題になった。イム・ チャンウク名誉会長は、220余億ウォンのバザール金を造成した疑惑で懲役3年 の刑を宣告されて服役していたが、刑期を半分ほど残した今年の2月に赦免された。

一方、イム・チャンウク名誉会長はサムソン・グループの李健煕会長の長男、 三星電子の李在鎔専務の義理の父でもある。

一足遅く爆発したデサングループ秘密資金の『手抜き捜査』の議論で、常勝疾 走していた李委員長が去年の2月、ソウル中央地検長から釜山高等検察庁長へと 事実上左遷されたというのが当時の全般的な評価だった。

当時、この人事をめぐり、大統領府と当時のチョン・ジョンベ法務部長官が諸 説を乱舞させた。チョン前長官は、デサングループ秘密資金捜査に関して「社 会的な巨悪を清算すべき検察の本分を忘れた事件」とし「人事上の不利益を与 える」と述べ、当時ソウル中央地検長だったイ委員長の釜山高等検察異動を強 行した。しかし大統領府がこれを引き止め、対立したといううわさが飛び交った。

理由はともかく、イ委員長は2006年2月に釜山高等検察からソウル中央地検へと 帰郷した。しかし李委員長はチョン前長官が同年7月に法務部長官を辞任した 2か月後にソウル高検長に『カムバック』した。

大統領府、イ・ジョンベク国家清廉委員長に栄転

イ委員長がソウル高検長に任命された当時、ハンナラ党さえ「イ・ジョンベク (当時)釜山高等検察庁長は仁川地検長だった時にデサングループのイム・チャ ンウク名誉会長の『手抜き捜査』議論に包まれ、事実上左遷されたと評価され ている人物」とし「法曹界でも6か月後の今回の人事が不適切だと指摘されてい る」と怒り、大統領府の『コード人事』と猛非難した。

一方、李委員長は今年の2月、検察の定期人事を前にして「後輩に道を開きたい」 とし、自ら検事服を脱いだ。しかし盧大統領は公職から退いた李委員長を呼び 入れて、今年の8月に国家清廉委員長に栄転した。

李委員長が国家清廉委員長に任命されると、参与連帯などの市民社会団体は 「財閥グループの会長に対する手抜き捜査に責任がある人物を特別な理由なく 国の反腐敗政策を総括する国家清廉委員長に内定したのは不適切」と反発した。

イ・ギナム、金大中政府時期司政秘書官.. 大型ゲート事件を指揮

リストで言及された3人のうち、イ・ギナム大検察庁中央捜査部長の場合は参与 政府よりは金大中政府との縁が深い。

3人のうち唯一湖南出身のイ・ギナム中央捜査部長は、全南の長興出身で金大中 政権では司政秘書官を担当、大型ゲート事件を指揮した。一方、イ中央捜査部 長はチョン・ジョンベ前長官の最側近と言われている。

キム・ヨンチョル弁護士は、イ中央捜査部長について「大統領府司政秘書官だっ た時からサムソンの管理対象のリストに入っていた」と述べたと司祭団は伝え た。

イ中央捜査部長はソウル地検在職時、造幣公社ストライキ誘導事件などを担当 した。最高検察庁公安部長を経た『公安通』として知られている。司法試験22 回のイ中央捜査部長は、△大検察庁中央捜査3課長、△ソウル地検特捜3部長、△大 統領司政秘書官、△ソウル地検刑事1部長、△法務部政策広報管理室長などを歴任 した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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