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「雇用許可制が移住労働者を不法にする」

大邱慶北の移住労働者、月平均298時間労働

パク・チュンヨプ記者 2015.08.17 16:55

「韓国で出会った妻と生んだ子供の国籍はパキスタンです。 私以外はすべてパキスタンに強制退去されました。 韓国で面会することもできません。(パキスタン移住労働者フセイン氏、38)」

フセイン氏は20代の時に韓国にきて、 金属製造工場で10年以上働いた。 働いて指を切断したりもしたが、給与に反映されない残業までして一生懸命に働いた。 夫人と子供を食わせなければならなかったからだ。

▲フセイン氏が移住労働者の強制追放に反対して移住労働者合法化を要求するプラカードを持っている。[出処:ニュースミン]

雇用許可制の施行から11年、フセイン氏は一度でも家族と会いたい。 だが休暇も不十分で、 雇用許可制が家族同伴を禁止しているので家族の顔を見ることも絶望的だ。

「この手ですか? 自動車の部品を作っているときに切断されました。 それでも仕事はよくやっています。 1か月に残業だけでも100時間します。 給与とは認められません。」

労働条件も劣悪だ。 勤労基準法の死角地帯にある移住労働者として、 週40時間労働は夢にも見られないが、 給与として認められない残業をしている。

8月16日午後3時、 大邱市中区2・28記念中央公園で 「雇用許可制ではない代案制度」を要求する記者会見が開かれた。 この日の記者会見では、大邱慶北地域の製造業の移住労働者労働条件と雇用許可制実態に関するアンケート調査の結果が発表された。 「移住労働者人権・労働権実現のための大邱慶北地域連帯会議」は2015年5月から7月まで、 大邱慶北地域の製造業移住労働者210人にアンケート調査を行った。

▲16日、228記念中央公園で大邱慶北地域雇用許可制製造業移住労働者実態アンケート調査を発表する記者会見が開かれた。[出処:ニュースミン]

回答者の43%が夜昼二交代をしていて、80%が土曜も働き、18%は日曜にも働いていた。 彼らの平均労働時間は約11時間で、夜間勤務を入れると12時間になる。 週末の平均労働時間は約9時間だった。 これを月平均労働時間に換算すれば298時間になり、一週間に68.5時間働いている。

連帯会議は「下半期の常用勤労者の月平均労働時間が175.6時間なので、 移住労働者は韓国の労働者より月122時間さらに労働している。 回答者の平均賃金は約171万ウォンで、最低賃金か、それ以下のこともある」と指摘した。

アンケート調査の結果、雇用許可制の問題点もあらわれた。 特に勤労契約と勤務条件が違うと答えた割合は46.7%だった。 契約と違う労働条件は、賃金(21.9%)、労働時間(21.4%)、作業内容(14.3)、寄宿舎提供(11.4%)、食事提供(13.3%)、休み時間(15.2%)、その他(4.8%)に分れた。

また、雇用許可制が未登録移住労働者を作るという点も問題になった。 未登録移住労働者になった理由について、回答者の62.3%が滞留期間が満了したため、18.2%が事業場離脱のため、9%が3か月以上雇用を見つけられなかったためだと答えた。 事業場変更回数を超過するケースは3.9%だ。

移住労働者が未登録になる二番目の理由の事業場離脱については、 その理由の64.3%が「賃金が安く、労働条件が悪いが事業場を変更できない」と答えた。 その他の28.6%は「暴言、暴行、性暴力を受けたが事業場の変更ができない」と答え、 残りの7.1%は「事業場を離脱していないのに、事業主が故意に離脱申告をした」と答えた。

彼らが未登録移住労働者になった時、一番難しい点としては、 摘発の恐れ(31.6%)、労働権侵害が容易(21.5%)、医療サービスの利用が困難(19.6%)等の順序だった。

回答者たちは、雇用許可制の問題点として、 ▲事業場変更の自由がない(12.1%)、 ▲望む事業場を選べない(11.4%)、 ▲家族と一緒に暮らせない(10.0%)、 ▲滞留期間が短い(9.7%)、 ▲労働条件を社長が勝手に決める(9.7%)等の問題を選んだ。

▲16日228記念中央公園で開かれた大邱慶北移住労働者決意大会[出処:ニュースミン]

連帯会議は「入国前に勤労条件を決める現行制度は、 事業主の選択権を保障するためだ。 入国後に実際の勤労条件が違うという結果を見ると、 移住労働者の労働権が大きく侵害されている。 入国後に勤労契約を決めなければならない」と明らかにした。

続いて「滞留期間制限を解除すれば、 移住労働者が韓国に永久滞留することになるというが、 回答者の41.9%が滞留期間が終了すれば本国に戻ることを望むという。 労働権を保障するために、滞留期間も本人が選択できるようにするべきだ」と主張した。

最後に「移住労働者は世界のどこでも社会と経済に大きく寄与している」とし 「移住労働者が望む制度について、耳を傾けなければならない」と指摘した。

彼らは記者会見を開いた後、 大邱慶北移住労働者決意大会を開いた。

付記
パク・チュンヨプ記者はニュースミンの記者です。この記事はニュースミンにも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2015-08-18 01:24:24 / Last modified on 2015-08-18 01:24:25 Copyright: Default

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