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[論評]チョ・ヒムンの独立メディア失脚

言論私有化阻止およびメディア公共性拡大のための社会行動声明書

映画振興委員会が1月25日、映像メディアセンター支援事業主体をメディアクトから (社)市民映像文化機構へと、独立映画専用映画館支援事業主体をインディスペースから (社)韓国多様性映画発展協議会に変えた。昨年の初め、カン・ハンソプ委員長在任時に 指定委託方式を公募制に変えるという話が出て、9月にバトンを受け継いだ チョ・ヒムン委員長がこれを執行した。公募の結果発表は、偏狭な理念と市場主義の 権力化がいかなる形でメディアの公共性を解体し、市民のメディアの権利を 侵害するかを示す惨事だ。

メディアクトとインディスペースは、この10年間、独立メディア運動に基盤をおいて 市民社会の支持の中で自主的にメディアの公共性を拡張してきた。メディアクトは8年、 インディスペースは3年の指定委託を受けて事業を運営してきた。特にメディアクトは 2000年のパブリックアクセスと地域メディアセンター建設など、市民参加の メディア運動に取り組んできた活動家が映振委に事業を提案し、2002年に開館した。 これまでの政策研究とともに、パブリックアクセスの拡大とメディア教育の大衆化に 寄与してきたし、窮極的に市民のメディア・コミュニケーションの権利伸長にも 尽くしてきた。また公的機関としてのささいな欠陥も指摘されることなく、 民主的運営も際立っていた機関だ。

しかし映振委が公募により選定した(社)市民映像文化機構は、映像メディアセンターを 運営できる資格と資質が検証されていない無名のやからだ。映振委が選定の理由として 5、6項目を上げたが、納得できるような選定過程と基準は何も提示しなかった。この団体の 設立日が再公募の申請期間だったと言うので、細かく説明する必要はないだろう。

李明博大統領が当選した時、正しい社会文化フォーラムの会長だったチョ・ヒムン氏は 「(この10年間)韓国映画振興は映画運動を支援する手段に変質し、表現の自由の拡大は 既存の価値と認識を転覆する口実に動員された」という認識を持っていた。また「 新しい文化政策は、理念と宣伝に動員されてきた文化芸術を本来の場所に戻す ことから始まらなければならない... 資本と労働の移動が自由で、地域間、ジャンル間の 境界が消えた現在の文化環境では、政府の役割を最小化し、自律的な市場機能を 拡大する必要がある」と主張して、偏狭な理念と市場主義思考のゆがんだ断面を 自ら暴露したことがある。

指定委託から公募制への転換は、メディアクトが標的だった。映振委の 映像メディアセンター指定委託と、この提案の当事者であり執行主体であるメディアクト 8年の成果は、独立メディア運動が下から作りあげてきたメディア公共性の 逆転できない物的基盤だ。国家により、上から構築された代議制メディアの公共性とも 質的に区分され、公的支援を基礎とする市民参加のメディアの権利実現の模範的な モデルだと評価される。だから不幸だ。政権が変わり、映画振興機構の首長が変わった。 メディアクトが「映画運動支援手段」、「既存の価値と認識の転覆」の対象に上がるのは 不可避なことだった。公募制の話が出てきた瞬間に看破されていたことだ。

メディアを単に掌握の対象として、宣伝扇動の道具として、市場で売買される物程度に 考える政治権力の横暴が、度量の広さを越えた。手続きと常識、合理的判断は無用長物 になる世の中になった。チョ・ヒムン委員長がこうしてまとめたのは、単に 映像メディアセンターという形だけで、この10年間、街頭と現場、公共の領域で 立派な成果を蓄積してきた独立メディア運動と市民の胸に消すことができない傷を 残すものでしかない。

2010年1月27日

言論私有化阻止およびメディア公共性拡大のための社会行動(メディア行動)


Created byStaff. Created on 2010-01-27 19:16:07 / Last modified on 2010-01-27 19:16:11 Copyright: Default

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