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われわれはなぜ舞台を占拠したか

[座談-キャンドル市民3人]「強硬になったのは、キャンドルではなく警察だ」

『キャンドル1周年』をむかえた5月2日、ソウルの都心は『戒厳状況』を彷彿と させた。この日、警察は兵力約1万2000人を集中配置してすべての集会を源泉封 鎖した。またキャンドルを持った人だけでなく、その周辺を通る市民まで 『現行犯』で逮捕し、『キャンドル恐怖症』を如実に表わした。

この日の夕方『キャンドル市民』は市庁前広場に用意された『ハイソウル・フェ スティバル』の開幕式イベント会場を占拠するデモを行った。これに対して韓 昇洙国務総理は「再び暴力デモが景気回復や国家利益に莫大な被害を与えてい る」とし「誰も容認できない事態」と話した。

▲2日の夕方「2009ハイソウルフェスティバル」イベント会場舞台を占拠し、デモをする「キャンドル市民」(写真=ソン・キヨン記者)

▲イベント会場舞台に上がれないキャンドル市民も市庁前広場に集まってデモに賛同している(写真=ソン・キヨン記者)

だがこの日、舞台を占拠して、デモをした『キャンドル市民』のアン某氏(38、 訪問学習教師)は、「その時に舞台を占拠したからマスコミで報道された、そう しなければ『キャンドル1周年』の意味と私たちの声は、まったく埋没してし まっただろう」と、舞台に上がるしかなかった理由を明らかにした。

上がらなければ、誰も知らなかっただろう

彼とともに舞台に上がった金某氏(50、愛犬ショップ運営)も「ソウル駅広場、 清渓広場などがすべて封鎖され、『キャンドル』は声をあげる所がなかった」 とし「もう我慢できず、人々がつめかけたフェスティバルで私たちの声を少し でも世の中に知らせたかった」と話した。

警察は2日、無差別な強制連行を試みた。この日の夜、明洞で知人と酒を飲んだ 後、帰宅しようとして連行されたカン某氏(41、会社員)は「戦闘警察6〜7人が 腕と足をもち、首までおさえて抵抗も抗議もできなかった」とし「(集会に参加 したのでもないが)あきれて言葉も出なかった」と当時の状況を説明した。

カン氏は昨年キャンドル文化祭に参加したことはあるが、忙しい職場なのでこ の2〜3か月は集会に参加できなかった。彼は4日の夜、金川警察署から解放され た状態だが、『集会およびデモに関する法律(以下集示法)』違反の疑いで不拘 束起訴されている。

▲〈レディアン〉は去る7日キャンドル市民3人と共に、キャンドル1周年集会の経験談および警察の暴力鎮圧問題などについて話を交わした(写真=ソン・キヨン記者)

一方、彼らは口を揃えて「警察が前よりも強く鎮圧し、無差別な連行を断行し ているので、キャンドルも自らを守る何かが必要だ」とし「今は『非暴力だけ を叫んでただ連行されるのではなく、公権力に抵抗してもっと戦おう』という 考えに共感する人も増えている」とし、強力な『キャンドル運動』の必要性を 強調した。

恐怖の社会

彼らはまた「『広場』でのキャンドル運動の限界を指摘し、『制度圏の中でキャ ンドルを具現しよう』という話もあるが、『キャンドル』は制度圏が持ってい る問題を直そうとして出発した」とし「キャンドルが制度圏に入った瞬間、そ の純粋性を失うから、キャンドルの進化もあくまでも『広場』でなされなけれ ばならない」と主張した。

レディアンは5月7日の夕方、舎堂駅付近のある飲食店で『キャンドル市民』3人 と『キャンドル1周年』集会の経験談、警察暴力鎮圧の問題、今後の『キャンド ル運動』の方向などについて話を交わした。この日の座談会は、熱い雰囲気の 中で2時半ほど行われ、取材源の要請により記事は匿名とモザイク処理をした。 「恐怖の社会」が到来している。

以下は『キャンドル市民』3人との対話。

#1 - 5月2日の『悪夢』、そして抵抗

カン氏= 「週末に明洞聖堂付近のマットリアという酒屋で友だちと酒を飲んだ。 そして10時を過ぎた頃に席を立ち、家に帰るために明洞駅側に向かった。とこ ろが突然戦闘警察が明洞ミリオレ側から乙支路入口側に鎮圧作戦をした。その 瞬間とても驚いて、周辺の人と近くの商店の側に逃げた。

▲カン某氏(写真=ソン・キヨン記者)

ところが何の理由もなく、警官が近付いてきて連行した。戦闘警察6〜7人が腕 と足を持ち、首まです早くおさえて、抵抗したり抗議することもできなかった。 とてもあきれて何の言葉も出てこなかった。

警察署に着いて、その時になって腹が立ち始めた。調査の過程でこの日の夜に 酒屋でもらった現金の領収書まで提示したが信じなかった。まったく話が通じ なかった。」

金氏= 「2日、デモ行進の隊列の先頭に立って『ハイソウル フェスティバル』 が開かれる舞台に上がった。だが私はこの日の行動が間違っていたとは思わな い。ソウル駅広場での『キャンドル行動の日』イベントの開催は源泉封鎖された。

清渓広場、太平路もすべてふさがって『キャンドル』が声をあげる空間はイベ ントが行なわれている市庁前広場以外、どこにもなかった。

その時、市庁前広場と周辺では開幕式イベントが行なわれていたが、その様子 を見て、とてもあきれて腹が立った。『龍山惨事』の解決とキャンドル1周年の 意味を賛える声は公権力で踏みにじるのに、歌なんかを流して公演をする、そ んなのんびりとした感じのイベントは許して... そんな現実がとてもつらかった。

「キャンドルが声をあげる空間はなかった」

『キャンドル』が広場に進入を試みてシュプレヒコールをあげると、イベント の主催側が過度に音楽の音量をあげた。スローガンを聞こえないようにするた めだった。もう耐えられなかった。私たちの切迫した姿を見せたかった。人々 の関心を集めるフェスティバルで私たちの声を少しでも世の中に知らせたかった。」

アン氏= 「舞台を占拠したからマスコミで報道された、そうでなければ『キャ ンドル1年』の意味と私たちの声は埋ずもれてしまっただろう。キャンドルが広 場に進入し、フェスティバルのイベントに参加したある風物グループの団員が 『李明博は退け』というスローガンに合わせて鉦を打ち、コスプレに参加した ある女性も一緒にスローガンを叫んだ。それで私たちの行動が正当だというこ とを知り、力が出た。」

カン氏= 「私は連行された後、金川警察署留置場でいろんな市民と会った。そ の中には蔚山からソウルに旅行に来た大学生もいた。その人はこれまで一度も キャンドル集会の経験がなかった。またショッピングをしていて連行された人 もいる。その人も片手にショッピングバッグを持っていた。2日に警察は明洞に いたすべての人を『犯罪人』と考えたようだ。」

明洞にいれば、すべて犯罪者?

金氏= 「当時、警官たちは緊張した様子が歴然としていた。片手に棒を持ち、 市民を見る目つきも殺伐としていた。冬が過ぎて、キャンドルの数がまた増え 始め、『龍山惨事』100日を基点にメーデー、『キャンドル1周年』が続いてま たキャンドルに火がつくかととても心配したようだ。彼らは明らかに『キャン ドル』の前でおびえていた。」

#2 -もうこれ以上「非暴力」を叫ばない理由

カン氏= 「昨年より『キャンドル』が強硬になったというが、実際は警察が強 硬になって暴力的に変わった。この1年、キャンドルも多くを悟った。警察が前 よりも強硬に鎮圧して無差別な連行を断行するので、キャンドルも自らを守る 何かが必要だった。」

▲アン某氏(写真=ソン・キヨン記者)

アン氏= 「昨年の『キャンドル』は、ちゃんと李明博政権に向き合わないキャ ンドルだった。単に自分の思いをキャンドルという方法で要求する程度だった。

だがこの1年間、みんな李明博政権から多くのことを味わい、政府は国民に約束 したことを何一つ実践しなかった。そんな怒りが積もるほかはなかった。

「公権力への不信は極に達した」

特に昨年末と今年の初め、『MB悪法』処理を押し切った李明博政権に対して、 キャンドルたちはとても失望した。また今年の初めに発生した『龍山惨事』で 警察が殺人鎮圧をして、間違いを犯したのに何の謝罪もしない姿を見て、 政権と公権力への不信が極に達した。」

金氏= 「今は『非暴力だけを叫んでただ連行されず、公権力に抵抗してもっと 戦おう』という思いに共感する人が増えているようだ。公権力の暴力に対する 恐怖も越えたようだ。李明博政権は1年たっても何も変わらず、公権力の暴力は 日ましに激しくなり... このまま行けばキャンドルも強硬な闘争方法を選択す るほかはない。」

カン氏= 「最近一部の市民が都心で『投石戦』をしたりするが、警察に石を投 げようと決意して出てくる人はおそらく一人もいないだろう。合法的な文化祭 を源泉封鎖して、何の理由もなく道を通る市民を無差別に連行する公権力の蛮 行に対して、どうしようもなく現れる『反発』だろう。」

アン氏= 「李明博政権のおかげで生活が苦しくて死にそうなのに、今『非暴力』 を叫んでのんびりと集会現場に出てくる『キャンドル市民』はあまりいないだ ろう。私たちの要求をもっと強く要求したり、李明博政権をはやく引き下ろし たいとしか考えないだろう。」

「強盛」になるキャンドル

金氏= 「昨年のようにキャンドル少女、乳母車部隊の主婦もたくさん集会に参 加してほしい。でも現実はそうでなくて残念だ。もう李明博政権はこの1年間、 彼らが出られないように執拗に『事前措置』を取ったためだ。それでこの頃は 集会に出てくることを負担に思う人は多い。こうした弾圧を克服するには、キャ ンドルもますます『強盛』にならなければならない。」

カン氏= 「率直に今、合法的に私たちの声をあげる方法はあまりない。集会は すべて源泉封鎖され、キャンドルを持っただけで、いや、キャンドルの近くに いただけでも全員現行犯で逮捕される。『ミネルバ事態』のように、インター ネットへの書き込みの自由も保障されない。オフラインでもオンラインでも キャンドルが声をあげる空間は殆どない。」

▲2日キャンドル1周年集会に参加したある市民が警察に連行されている(写真=ソン・キヨン記者)

アン氏= 「率直に、昨年までは『非暴力』という叫びに共感する人は多かった。 でも今はそんな話は集会場では通じない。もうこれ以上無気力な集会をするの をやめよう、そして暴力的な方法ではなくても、もっと強い抵抗が要求される 時点だ。」

カン氏= 「警察も認める事実かもしれないが、この1年間、キャンドルは『非暴 力』を叫んで、平和デモをしようと本当に努力した。だが警察は暴力鎮圧の強 度を高めるだけだった。結局、警察と李明博政権はこの1年間、平和で合法的な デモ文化を作る条件を用意してくれなかった。記者会見でも、文化祭にしても、 デモ行進でも、すべて不法と罵倒した。」

#3 - 「キャンドルは『広場』で進化する」

アン氏= 「2009年のキャンドルの中心的な問題は、『李明博政権退陣』になる だろう。運動方式もアスファルトの上で、すでにキャンドルへの正当性を失っ た公権力と強く対抗する形になるだろう。私はもっと強硬になるキャンドルの 抵抗を『運動の退化』とは考えない。」

▲金某氏(写真=ソン・キヨン記者)

カン氏= 「もう『忍耐の限界』のようだ。この1年間、明洞で『無限挑戦X2』と いうフラッシュ モブもやり、徳寿宮周辺で『キャンドル散歩』もした。それと 共にキャンドルのの闘争方式が多様に進化してきたのは事実だ。

だがそんな方法も公権力に徹底的に弾圧された。だから無意識に、もっと強い 抵抗の方法を探すしかないのだ。

もちろん『広場』での闘争にある程度の限界はあるだろう。だから『制度圏の 中でキャンドル運動を具現しよう』という話もある。

だがキャンドル運動は制度圏が持つ問題を直すために出発した。結局制度圏に 入った瞬間、その純粋性を失う。2009年のキャンドルの進化も、あくまでも 『広場(通り)』でなされなければならない。」

「制度圏に入れば純粋性を失う」

金氏= 「政党や市民団体など、制度圏の中の人たちと『キャンドル』が感じる 情緒は全く違うこともよくある。この前、ホ・セウク烈士2周忌追慕祭を開くこ とにしたが、政党と市民団体側は特に関心を示さず、『キャンドル市民』が すべてのイベントを直接準備して追慕祭をした。」

アン氏= 「そうだ。『キャンドル』が制度圏に入ることは警戒しなければなら ない。昨年の狂牛病国民対策会議の時もそうだったが、制度圏の団体が闘争の 議題を独占したりもし、市民の声をあまりよく聞かないこともあった。『龍山 惨事』の闘争でも、政党や市民団体は最初だけ出てきて『するふり』だけして、 今はほとんど手を引いている。

彼らは保守勢力が『失った10年』と呼ぶこの10年間、楽でやさしい闘争だけを してきたようだ。結局大衆運動ではなく『政治活動』をしたいのだ。80〜90年 代のように、大衆の要求にはあまり気を遣わず、自分たちの政治的利害関係で 行動しているようだ。キャンドルは彼らがいる制度圏に行ってはいけない。」

2009年05月08日(金) 19:20:05ソン・キヨン記者mywank@naver.com

原文(レディアン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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