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メディア危機の真実

[メディア関連法診断](5) -放送法

ユ・ヨンジュ記者 www.yyjoo.net / 2008年12月24日0時10分

言論掌握5大主役、『反言論、反議会、反民主』?

メディア行動は、ホン・ジュンピョ、コ・フンギル、チョン・ビョングク、ナ・ ギョンウォン、チン・ソンホのハンナラ党議員5人を『言論掌握5大主役』に 選定した。

5大主役は、△ハンナラ党の『言論掌握7大悪法』を総括する ハンナラ党メディ ア産業発展特別委員会のチョン・ビョングク委員長、△代表的悪法の『放送法改 正案』と『サイバー侮辱罪』等を代表発議したハンナラ党の第6政策調整委員会 のナ・ギョンウォン委員長、△中央日報編集局長出身で財閥と特定族閥新聞社の 下手人とそのものである国会文化体育観光放送通信委員会のコ・フンギル委員 長、△朝鮮日報出身で自分の出身保守族閥新聞に放送をプレゼントしようとする ハンナラ党文化放送委のチン・ソンホ委員、△『言論掌握7大悪法』等『MB悪法』 のかっぱらいを陣頭指揮するハンナラ党のホン・ジュンピョ院内代表だ。

メディア行動は12月23日午前10時30分、国会政論館での記者会見でこう呼んで、 「ハンナラ党の反言論・反議会・反民主的な独走の核心行動隊員であり、主軸」 と規定した。

メディア行動がここで『反言論・反議会・反民主的独走』と言うのは修辞的な 表現だが、厳密でない感じがする。中身をよく示すというより包んでおいたと いう感じが先んじる。

代議制政治で多数の支持を得た国民の代表が自分の政策を実現するために立法 を推進する過程で、議会民主主義の手続きにひどく違反したわけではないが 『反議会』と規定するのは穏当だろうか。

逆に言えば、ハンナラ党は2004年、言論対策特別委の時に作られたメディア関 連法を、与大・野小の局面で貫徹できなかったが、大統領選挙、総選挙で勝利 して、ようやく実現が目の前になった。公共性に反して『産業』論理のメディ ア政策を押し通すからといってそれ自体が『反議会』だったわけではない。

たとえば、民主党が17代国会で非正規法案を通過させ、民主労働党の議員が壇 上を占拠したが、法案通過を『反議会』と断定はしなかった。当時、大韓民国 議会は、ただ労働者の利害を考慮するのではなく、非正規法案の通過を望む資 本家の利害を忠実に反映したにすぎない。

『5大主役』に対して「ハンナラ党の反言論・反議会・反民主的独走の核心行動 隊員であり、主軸」の代わりに、「ハンナラ党の親資本・言論独走の核心行動 隊員であり、主軸」と言った方が正確であるだけでなく、はるかに訴える力が なかったのだろうか。わかりやすく書けば『保守体制維持と利益のためにメディ アが持つ原初的価値も市場に差し出す5大主役』程度。

放送法改正案、新聞と資本の放送所有進入障壁を事実上撤廃

放送法一部改正案を代表発議したナ・ギョンウォン議員は立法趣旨で「新聞、 放送、通信、インターネットが融合する新しいメディア環境の変化に応じて、 国際的な市場開放の潮流に対応し、韓国の放送産業の競争力を強化しメディア 産業の発展に適した環境を造成するため」と明らかにした。

核心は、現行法の1人持分所有制限と大企業、新聞・ニュース通信および外国資 本の総合編成または報道専門コンテンツ事業の兼営または株式・持分所有禁止 などの規制を緩和すること。

放送法改正案が通過すれば、地上波の20%、総合編成・報道専門チャンネルPPの 49%までが新聞と資本の放送事業参加が可能になる。総合編成・報道PPの20%まで は外国資本の進出も可能だ。この他に、支配株主1人所有制限が30%から49%まで 引き上げられ、ケーブル、衛星放送、IPTVなどの有料放送メディアも同じ所有 制限の規定を受けることになる。放送審議規定に違反すれば、制裁措置に加え 課徴金も賦課される。

言論報道機能の対米従属深化、政治報恩の朝鮮・中央・東亜放送誕生、地域放送は壊滅

言論報道機能の対米従属深化、政治報恩の朝鮮・中央・東亜放送の誕生、地域 放送の壊滅。言論連帯のヤン・ムンソク事務総長は、放送法改正案が招く事態を この3つに圧縮した。

外国資本の進出が最も致命的な要素だと言う。ヤン・ムンソク事務総長は、 「総合編成・報道PPを外資に20%許容するのは、事実上、韓国の言論報道機能の 対米従属深化領域と見られる」と話した。サムスンと中央、CJとフォックスの コンソーシアム構成がいくらでも可能になり、所有持分が現実になれば韓国の 世論が米国の利益を中心に形成できるという説明だ。

続いてヤン・ムンソク事務総長は、「いくらかき回してみても『朝鮮・中央・ 東亜TVサムスン放送』という基本コンセプトから少しも変わっていない」とし 「財閥と朝鮮・中央・東亜に対する政治的報恩を熱烈かつ忠実に進めることが、 所有規制緩和法案」と話した。

地域と地域放送に及ぼす影響については「一次的な致命打が地域・宗教放送に なるだろうが、地域放送は事実上なくなると思わなければならない。そうなる と、世論の多様性と韓国の公共性の核心的な下位概念である地域性を抹殺する 危機につながる」と予測した。

総合編成チャンネルが新しく一つ登場すれば、地上波放送の広告売上額は最低 16%から最高37%まで削減要因が発生すると発表された。現在、広告売上総額を 2兆3千億ウォン規模とすれば、2300億ウォンから7000億ウォンの間、だいたい 5千億ウォンの損失が生じるとすると、SBSを除く地域民放10社の年間総予算に 匹敵する額だ。首都圏の地上波は競争力があるので避けられるとしても、地域 放送は構造的に生存が難しくなる。

放送法改正の2つの根拠

ハンナラ党がメディア関連法を推進するにあたり提示した根拠は大きく新聞・ 放送の兼営が世界的な傾向だという主張と、メディアグループが必要だという ことの二種類。ヤン・ムンソク事務総長は2つとも説得力がないと断言した。

ヤン・ムンソク事務総長は「日本を除くOECD国家のほとんどが世論寡占を牽制 する装置を持っている」とし「韓国のように興奮して新聞・放送兼営を認めよ うとする国は世界に一つもない」と話した。

また、すでに総合編成・報道PPを除けばすべての領域が開放されている。CJや 朝鮮、中央などはすでに独自のPPを3つから4つ、多ければ15本も持っている。 メディアグループに成長できないのは力量の問題であって、現行法制が遮って いるのはないと診断する。

世界的メディアグループには、フォックス、CNN、ソニーピクチャなどがあるが、 これらのグループは報道と映画に集中して影響力を拡大してきた。決定的なの は、10億人規模の英語圏を背景としているということ。中国語圏を17-19億人、 アラビア語圏を17億人規模とすれば、韓国語圏は7千万人に過ぎず、とにかく言 語的な側面で世界的メディアグループの誕生は不可能だ。

ヤン・ムンソク事務総長は「英語でなら外国でやるが、なぜ韓国を開放してメ ディアグループを言うのか、基本的に論理的矛盾でないか」と問い直した。続 いて「さらに総合編成・報道では報道が核心だが、この領域を開放し、メディ アグループを誕生させるなど話になるのか」とあきれる表情だ。

代議制的秩序と公営放送の危機

『言論掌握7大悪法』に『言論掌握5大主役』を呼称し、メディア運動の主導者 が放送掌握阻止に一触即発の全力を集めている。ところが彼らは何を守ろうと しているのか。死守しようとする公営放送は何で、その公営放送の価値とは何 だろうか。

社会構成員のメディア参加の権利実現と社会進歩の熱望から見て、今まで公営 放送への評価はたいしてよくなかった。

たとえば黄禹錫事態の時、YTN製作者が見せた報道態度は、朝鮮日報顔負けの水 準だった。参与政府が韓米FTAを進めた時、KBSは機械的中立の枠組みから少し も脱しなかった。わずか数か月前も、市民が激しい論争を展開したキャンドル の現場に駆け付けて生中継をしたり、その内容を分析して報道する公営放送の カメラはなかった。とても特別な契機、数人の主導者だけが与えられた代議制 的秩序を越える議題に接近してコンテンツ生産に臨んだだけだ。

振り返れば当然かもしれない。公営放送は代議制的秩序の発展、マスメディア の発達と脈を同じくし、公論の場の機能をしてきた。公営放送の主導者はブル ジョア民主主義の拡大過程に一方向的かつ啓蒙的な方式で市民社会に介入し、 社会の世論を引っ張ってきた。彼らは放送会社という生産手段を持ち、番組を 製作する過程で情報を独占、加工する位置を持ち続けた。社会的に優れた地位 が付与されるのは自然なことだった。

彼らは時折、放送は権力と資本から独立していると明言したりするが、これは 代議制的秩序を正当化する要求に過ぎない。今まで大韓民国の公営放送はたっ た一度も権力と資本から独立したことはなかった。

現実的に、公営放送は権力と資本と絶えず関係を結ぶことを強制される。落下 傘だというのでその時その時に議論になるが、落下傘が代議制的秩序を維持す る一つのシステムだという事実は否定できない。『言論掌握7大悪法』が如何に 悪法だとしても、とにかく議会を通過すれば取り返しがつかないという実体的 真実を否定できない。

今まで公営放送は権力からは自由でなかったが、資本の直接の影響からは保護 されてきた。そうした公営放送が、今資本の利害を代理する『5大主役』の攻勢 の前に風前の灯の危機を迎えているのだ。

資本のメディア所有再編は相当な利益を持たらすだろうが、放送の独立性と公 共性は、きっとその利益の大きさ以上に反比例し、後退するだろう。この点に おいて公営放送の危機は明らかだ。

ところがこう整理してしまうには、どこか何となく寂しい。この程度では、 『反言論的、反議会的、反民主的』のような修辞的表現が真実をひどく歪曲し ているという疑いをおさめられない。

危機の実体

公営放送が代議制的秩序から脱すれば、脱した瞬間、今のような公営放送とし ての地位を維持するのは難しいかもしれない。公営放送を規定する定規、つま り法的地位や所有支配構造、財源調達方式、公的サービス機能などを考慮する と、体制と秩序を越える放送への変革の試みは、それ自体が変革の性格を持つ ためだ。

代議制的秩序に順応する代価として得られる安楽に安住せず、社会批判的な緊 張を緩めずにいた公営放送の主導者がいる。たとえば『PD手帳』の製作者たち やBSE、GMO、NAFTAなどの真実について製作してきた主導者、時事番組で矛盾を 告発し、社会的少数者の声を伝えてきた主導者、放送の最低限の独立性も政治 的に掌握しようとする李明博政権の試みと戦ってきた主導者が彼らだ。『言論 掌握7大悪法』と『5大主役』の最優先の標的になるということは残念でつらく、 うっとうしいことだが、喜ばしい面がないわけではない。

どうしても忘れられない記憶がある。参与政府と朝鮮・中央・東亜とYTNの合同 作品だという黄禹錫事態の報道だ。公営放送が市民社会の理解の胸を離れた時、 その主導者が真実を知らせることに失敗した時、メディアにより韓国社会がい かに苛酷な退行の道を行くかをはっきり見せた。

だが現時点でYTNの当事者へのヤン・ムンソク事務総長の評価は寛大だった。ヤ ン・ムンソク事務総長は、「国民に対して詐欺を働いた、そんな事案の先頭に 立った部分でYTNは冷酷に評価されなければならないが、今年ク・ボノン落下傘 社長と戦う過程で構成員の自己反省が反映されてきたと見る」と話した。

ヤン・ムンソク事務総長は「黄禹錫報道事例だけでなく、今まで公営放送は基 本的に反労働者的、反環境的だったし、親資本的、親政権的なフレームの上に あったことを否めない」と認めた。ただし、過去の公営放送が国家社会的議題 を投じた事例として、2002年の西海交戦、2005年の黄禹錫真実報道、2006-7年 のBSE真実報道の3種類を選んだ。

朝鮮・中央・東亜が持つ議題設定能力、インターネットが持つ議題解釈能力、 地上波が持つ議題拡散能力。こうしたメディア間の緊張が維持される中でも、 公営放送が前の3つの事例だけは画期的に議題設定を果たしたという評価だ。

では朝鮮・中央・東亜-インターネット-地上波の議題に対する緊張関係が解体 すればどうなるだろうか。『言論掌握7大悪法』により、朝鮮・中央・東亜と地 上波が連合してインターネットが統制される一定の時点になった時、公営放送 または私有化された放送空間に再編された主導者は、果たしてどんなコンテンツ 生産で、どんな国家社会的な議題を投じるのだろうか。

したがって、危機は政権の放送掌握と資本の放送進出そのもの、公営放送の私 有化再編そのものにあるというよりは... 公営放送の公共的役割を考え、言論 の社会的責任を悩み、コンテンツを生産してきた製作主導者、そして彼らと交 感してきたインターネット空間と市民社会と独立メディア主導者の実存... 彼 らネットワークの危機にその実体的真実があるのがでないかと思う。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-12-27 17:49:32 / Last modified on 2008-12-27 17:49:33 Copyright: Default

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