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LNJ Logo 抗議声明・日韓投資協定の基本合意を弾劾する!
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日韓投資協定NO!緊急キャンペーン事務局の土松です。

既報のとおり、12月22日、日韓投資協定の基本合意が強行されました。 以下に、緊急キャンペーンの抗議声明を発表します。 (転載歓迎)

私たちは引き続き、新年の国会批准反対のキャンペーンを起こして行きます。 皆様のご支援を、引き続きよろしくお願いします。

********************

<抗議声明>

 12月22日(土)午前、日韓両国政府は、東京・外務省において日韓投資協定の 第9回本協議を強行し、同協定の基本合意を行なった。  官庁が休みの日の午前、しかも年末も押し詰まったこの時期に、協議事項をまだ残 したまま、国内外からあがる協議中止の世論も押し切って、日韓投資協定の基本合意 を強行した両国政府実務担当者たちの姿勢を、私たちは満腔の怒りをもって弾劾する!  こうした彼らの姿勢は、10月にソウルと上海で行なわれた二度にわたる日韓首脳 会談で、小泉・金両首脳が取り交わした「日韓投資協定、年内妥結」の合意事項を、 担当省庁の面子(メンツ)をかけて守り抜こうとする、なりふり構わぬものであっ た。それは、「資本の無限競争」というグローバリズムが支配する中で、富める者は ますます富み貧しい者はますます貧しくなる、21世紀の日韓間の政府・財界と労働 者・民衆との二極間関係をいみじくも暗示するものであった。  日韓投資協定の全貌は、基本合意が強行された現在も、いまだ明らかにされていな い。マスコミ報道によれば、合意内容には、?進出企業に投資受け入れ国の企業より も上位の待遇を与える「内国民待遇」と「最恵国待遇」の保証、?国内地場産業の発 展の道を閉ざす進出企業への「現地調達の義務付け」禁止や「輸出要求」の禁止、? 短期投機資金の流出入を可能にする「送金の自由」、?企業進出時の土地買収に便宜 を図り、撤去民を路頭に追いやる「土地収用の際の補償措置」、?世界銀行などが深 く関与する投資紛争解決国際センター(ICSID)や国連国際商取引法委員会(U NCITRAL)に対して進出企業が投資受け入れ国を訴えることができる「紛争解 決メカニズムの設置」などが盛り込まれている。また、私たちと外務省の数回にわた る交渉過程で、内国民待遇の例外項目に対する?「スタンド・スティル原則」(投資 協定の締結後、経済状況の変化によって国家的保護が必要な分野が生じても、勝手に 例外項目に追加できなくする原則)や、?「ロール・バック原則」(逆に、締結時に 設定した例外項目は、締結後の協議によって自由に削除できる原則)が盛り込まれて いることが明らかになっている。このように日韓投資協定は、私たちが繰り返し指摘 してきた「多国籍企業のための権利憲章」である多国間投資協定(MAI)の亡霊 が、二国間(BIT)の形に姿を変えて甦(よみがえ)ったものなのである。  そして、私たちが最も懸念してきた労働運動を監視・弾圧する?「労働条項」は、 条項としては盛り込まず、協定前文に精神規定として盛り込むことで決着したと報道 されている。「労働運動」を条項から撤回させたことは、この間、この条項の危険性 を訴えてきた日韓両国の労働者・民衆の闘いの成果であったと評価できる。しかし、 精神規定として盛り込まれた「労働問題」の文言が今後、どのような姿をとって労働 現場に現われてくるか、監視は怠(おこた)れない。また、経団連をはじめとした日 本の財界は、投資協定後の日韓自由貿易協定(FTA)に「労働条項」を盛り込もう と構えており、引き続きこの問題に対する世論の喚起が求められている。  今回の基本合意の事態を受けて、今後、私たちの闘いの舞台は、年明けから始まる 通常国会での批准の阻止に移る。そして、来年5月末には日韓ワールドカップ開会式 に出席のため、小泉首相が訪韓しようとしている。日韓の政府・財界が掲げる「未来 志向の日韓関係」の実体が、この日韓投資協定には如実に示されている。私たちは、 小泉首相が日韓投資協定の批准を手土産に韓国の地を踏む事態を何としても食い止め なければならない。  この間、私たちは日韓投資協定NO!キャンペーンをつうじて日本と韓国内に多く の友人を得てきた。新自由主義の下で繰り広げられる「貿易と投資の自由化」は、私 たちの生活や環境、労働や人権など、あらゆる分野・領域に影響を及ぼすものであ り、それに対して起こってくる抵抗は必然のものだからだ。この抵抗の輪こそ、私た ちの唯一の財産であり、今後の闘いの礎(いしずえ)である。  今回の基本合意の事態に怯(ひる)むことなく、私たちは引き続き日韓投資協定N O!の声をあげていく。私たちの緊急キャンペーンへのご賛同とご支援、そして連帯 の行動を切に呼びかける。

2001年12月25日

日韓投資協定NO!緊急キャンペーン


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