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非正規法で差別を認められた非正規職、結局解雇

高齢畜産物共同売場、契約期間満了による差別是正の非正規職を解約

イ・コンマム記者 iliberty@jinbo.net / 2007年10月17日17時25分

『差別的処遇』が認められればどうなるのか

非正規法施行以後初の差別是正申請をした非正規職労働者が、結局10月16日付 で解雇された。

解雇された非正規職労働者は、農協中央会高齢畜産物共同売場で働いていたイ・ ユンホ氏。イ・ユンホ氏は、7月24日に慶北地方労働委員会に対し、同じ業務を 遂行しているのに正規職労働者と較べて賃金や各種福利厚生制度などの労働条件 で不合理な差別を受けてきたとし、差別是正申請をした。これについて慶北地 方労働委員会は10日に「差別的処遇に値することを認める」と判定した。

しかし、慶北地方労働委員会の決定は、高齢畜産物共同売場の『契約期間満了』 を理由とする解約の前でその効力を失った。政府は非正規法を作るにあたり 『差別是正制度』を上げ、この法が非正規職を保護すると宣伝してきた。だが 今回の事態で非正規法が非正規職労働者を保護できないことが再度証明された。

差別是正制度は、非正規法施行直後に使用者は、差別の比較対象をなくすため、 非正規職労働者を全員外注化したり職群を分離する方式を選んで、すでにその 実効性が疑われていた。

契約期間満了で解雇、そして時間かせぎ

高齢畜産物共同売場はこれまで差別是正申請をした非正規職労働者に圧力を加 え続けたという。申請人の8人には請負業者への転籍を強要し、彼らはこれに耐 えられずに申請を取り下げた。慣例では特別な事情がない限り契約が更新され ていたが、あとの10数人には異例の解約を通知した。イ・ユンホ氏を始め10数 人の非正規職労働者は次々と解約される予定だ。

差別是正決定の履行は、労働者と使用者間の雇用関係が条件だが、非正規職労 働者が『契約期間満了』を理由として解約されれば会社側はこれを履行する義 務がなくなる。ほぼ同じ時期に差別是正命令を受けた韓国鉄道公社のケースも、 地方労働委員会の決定に従わずに再訴する計画だという。

このように差別是正命令があっても会社側は契約期間満了を理由に非正規職労 働者を解約したり、不服で行政訴訟までの長い時間を稼いで差別是正命令を 無力化する方法をとっているものと見られる。

これに対して民主労総大邱本部と民主労働党大邱市党は、「優秀社員賞を受け て、がんばって働いてきた労働者が追い出され、解雇されるのでは、非正規法 が何の役に立つのか」と残念がった。

民主労総、「差別是正回避使用者にはっきり処罰を」

民主労総も声明を出して「非正規法の『差別是正命令』が『解約命令』そのも のだということを如実に見せる例」と説明し、「今回の解雇は一抹の正当性も ない農協中央会の横暴」とし「差別是正申請への報復であり、準司法機関の権 威を深刻に傷つけ、差別是正制度を無力化させる蛮行だ」と強く批判した。

続いて民主労総は「政府が差別是正を回避するために非正規労働者の生存権を 剥奪した使用者に対し、はっきりとした処罰と措置を取らなければ、差別是正 制度が無力化されるのは火を見るより明らか」とし「法の命令があっても報復 性の解雇をした農協中央会の不当労働行為に対する強力な報復が必要だ。非正 規法は非正規職を画期的に削減する方向で全面再改正されなければならない」 と明らかにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-11-05 03:43:12 / Last modified on 2007-11-05 03:43:13 Copyright: Default

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