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非正規職を断頭台に立たせる非正規法

7月の施行を前に非正規職一方的解雇中

イ・コンマム記者 iliberty@jinbo.net / 2007年04月30日17時15分

「私は断頭台の上にいる」

非正規職労働者が口を揃えて話した。今年7月から施行される予定の非正規関 連法案と、5月から本格的に施行される「公共部門非正規対策」のために命が 危ないと非正規職労働者たちは泣き叫んだ。

非正規職労働者を保護するために法を作ったという労働部でも、非正規職労働者 は「人間的な侮蔑を感じた」と泣き叫び、労働部傘下の産業人材公団で働く 非正規職労働者たちは公共部門非正規職対策のために66日間のストライキで 勝ち取った正規職化労使合意も水泡になったと泣き叫んだ。その上、労使政が 集まって「新しい労使関係パラダイム」を作ると乗り出した労使発展財団でも、 非正規職は一方的な契約解除により道路で泣き叫んでいる。 金融部門で、病院で、流通業社で働く非正規職労働者たちも泣き叫ぶ。

労働部、非正規職雇用最大「自分の家でもできずに何だ」

30日、午前政府総合庁舎前で開かれた非正規職労働者証言大会では非正規職労 働者の泣き声があふれた。

労働部で10年働いたというパク・チェチョル公共労組労働部非正規職支部支部 長は「差別と侮蔑の中でどの政府部署労働者よりがんばって働いた」として 「しかし賃金水準は最低賃金をかろうじて越える90万ウォン程度に過ぎず、 時間外手当てを入れても100万ウォン程度に過ぎない」と非正規職の悲しみを伝えた。

パク・チェチョル公共労組労働部非正規職支部支部長

パク・チェチョル支部長によれば労働部に事務補助員規定はあるが、各支庁別 に給与策定方法が異なり、非正規職の間に給与の差が存在した。昇級調整でも 原則がなかった。また女性非正規職労働者はお茶汲みはもちろんトイレ清掃に 公務員、相談員の机まで磨かなければならず、解雇を恐れて育児休職は夢にも 見られない。ある非正規職労働者は自分の所属も知らずに言われるまま 請願相談、請願接収をしているという。

パク・チェチョル支部長は「自分の家の事も正しく処理できないのに、他人の 家を考えるなど話にならない」として「労働者を保護し、法に違反する事業主 を罰するべき労働部がこんな行為をしているのに、誰が労働部を信じるのか 疑問だ」と労働部の形態をひにくった。

公企業も非正規職集団解雇中

労働部でもこうだが、公企業は何が違うのだろうか。都市鉄道にある売店で働 くソ・ヨンオク氏は「5月末で契約解除通知を受けた」と震える声で話した。 政府の公共部門非正規職対策による無期契約転換対象者提出で都市鉄道公社は 142人の非正規職労働者のうちたった1人も無期契約に転換せず、全員外注化す ると発表した。結局、公共部門非正規職対策のために都市鉄道公社で働いてき た142人の非正規職労働者は全員解雇の危機に置かれた。

こういう状況でソ・ヨンオク氏をはじめとする非正規職労働者は、労組に加入 して都市鉄道公社に交渉を要請した。しかし都市鉄道公社から帰ってきた言葉は、 「組合員名簿を公開しろ」、「都市鉄道労組とだけ話す」という交渉を回避す るためのものだけだった。

金融、流通部門非正規職にも解雇の激しい風

問題は民間企業に行けばさらに深刻だ。

農協城南農水産物総合流通センターで2000年から働いてきたイム・ミソン氏は、 5年になる2005年12月31日付で解雇通知を受けた。これは金融圏全般が5年雇用 年限制というおかしな準則を持っているからだ。5年雇用年限制は「継続勤労5 年勤務後に勤労契約期間が終了し、1年経過しない者は職員として採用できない」 と明らかにしている。結局、非正規職労働者に5年分の時限付き人生を生きろ ということだ。

イム・ミソン氏はそんな準則は話にならないとし、地方労働委員会に不当解雇 を提訴して勝訴した。中央労働委員会でも勝訴した。しかし使用側はこれを受 け入れるどころか行政訴訟を出した。

これに対してペ・サミョン農協中央会労組委員長は「政府は非正規法案により 差別是正が可能だと広報しているが、イム・ミソン組合員のように労働委員会 で使用側が敗訴すれば裁判所に提訴し、大法院まで数年間、法廷での攻防をす るのが明らかだ」とし「数年間の法廷闘争をする間、非正規労働者の人生はど うなるのかあまりにも明確だ」と指摘した。差別是正などどこか他の国の話だ。

解雇の激しい風は流通部門を根から揺さぶっている。

イーランドグループ所属のニューコアで働く非正規職労働者は、7月の非正規 関連法案施行を控えて昨年末から契約職労働者の契約期間を10ケ月から6ケ月、 3ケ月などと強制的に短縮させてきた。今では契約期間を1ケ月に短縮している。 彼らのうち契約期間をまったく空欄にして会社が任意に契約期間を記録する事 例も発生している。これに畜産、水産と一部営業を担当する90人の契約職労働者と レジ職380人の契約職労働者は、全員来る6月30日付で契約解除の危機にある。

またイーランドグループのホメボ(旧カルフ)は06年に労組と「18ヶ月以上勤務 した契約職組合員に対しては正当な理由なく契約期間満了を理由として契約解 除できない」と合意したが、使用側はこれを破って今日付けで(30日)約400人の 保安、駐車、ガット非正規職労働者を解雇し、清掃外注労働者数を半分に 減らした。

証言大会に出た非正規職労働者は「非正規労働者を殺す非正規法が韓国社会を 襲撃している」とし、「非正規法が施行される前に解雇と外注化、そして団体 協約不履行などで生存権の危機に陥っている非正規職労働者は今、政府と資本 の前で労働者の非正規職化に対抗し、断固たる闘争を展開する」と声を高めた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


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