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「コオロン整理解雇者の選定は誤り」

中央労働委:公正ならば資料を出せ、 コオロン:提出できない

オドヨプ記者 odol@jinbo.net

コオロン整理解雇に対する中央労働委員審判が4月3日に開かれた。委員の尋問 が終わり、コオロン組合員が最終陳述をした。

中央労働委員会審判長

25メートルの鉄塔の上に3人の組合員が全身が腫れたままいると涙声で話を始 めた瞬間、そこに座っていた20余人の組合員の目が赤くなり始めた。

「今日この時間にも、私の8才の娘は学校からの帰り道に6才の兄弟の手を握り、 家に帰っても空腹も忘れてお父さん代わりに、仕事に行ったお母さんが帰って くるのを待っているでしょう」。

組合員たちは声を出して泣き始める。

「私たちの残る46人のすべての同僚が監獄に行ってもかまいません。お願いで すから私の小さな子供たちが、短くて10年、長ければ20余年の青春を捧げた職 場で仕事ができず、整理解雇されたと言われなくてもいいようにして下さい」。

お父さんが仕事ができずに、解雇された

中央労働委員会は午後4時30分頃始まるという。昼食を食べ、急いで中央労働 委に行った。今日に限って春日差しが暖かい。組合員の顔も明るい。

コオロン整理解雇に対する中央労働委員会が開かれている間、ある解雇者が外で聴いている

正門前でハンストをした4人の女性組合員は昨日の夕方にハンストを終えた。 「お腹がすかないようにして下さい」というと、笑う。

「今日、中労委が終われば亀尾に行って荷物をまとめて、明日上京します。 それで皆が断食をすることにしました。4月5日から」。

また断食をする。今回は全解雇者がすべて集まって断食をするという。突然春 の日差しが暖かいというよりはめまいがする。

また、断食。春の日差しが冷たくなる

4時20分頃に始まった中労委の審判は、1時間30分後に終わった。公益委員の質 問に会社と労組間の狭められない答弁が行き来して、参考人に出たチャムンシ ク氏の証言で審判長は雰囲気が変わる。

中央労働委が終わって、ある女性解雇者が涙声で話しながら出てきている

チャムンシク氏は整理解雇者ではない。参考人に出てきたチャムンシク氏の証 言は、「私が整理解雇対象者」であった。

「会社が提出した整理解雇基準に合わせて点数を計算してみると、整理解雇者 より私の点数がもっと低かった。評価のとおりなら、私が解雇されなければな らないのに、私の代わりに他の人が解雇された」。

私の代わりに他の人が解雇された

この言葉に公益委員は会社側に選定過程資料を提示することを要求した。だが 会社は「個人のプライバシーがあり、資料を提出できない」という苦しい弁明 をした。

継続的な会社側の資料要求拒否に委員は、「公開せず、委員だけが参照する」 と約束したが結局拒否された。

この日会社側では社長を初め人事チーム16人が参加した

「解雇者選定が公正だったことを立証する責任が誰にありますか? 会社にあり ます。もし公正だったなら公開できない理由がありますか?」

資料提出要求を黙殺、解雇は公正だった?

チャムンシク氏の場合、使用側が主観的に判断する業務評価を満点を与えても 56点で、整理解雇者より低い点数だという。当然、整理解雇者に含まれなけれ ばならなかった。自ら証人に出たチャムンシク氏の資料は委員に見せられない かと言ったが、何の理由なのか会社側はこれさえ拒否した。

会社に提出を要求した委員が今回は、「では労組の資料だけを採択して判定を してもいいか?」と言うと、会社側はそれには反対意見を提示する。

中央労働委員会で判決をするなという意味だろうか? おかしい。委員が他の会 社も、とても多く整理解雇して、みんな選定基準の資料を提出をしたと言って 資料の提出を要求したが、会社は結局資料の提出を拒否した。「公正にした」 という言葉だけを繰り返しながら。

GM大宇整理解雇者復職を例にあげながら、委員が会社側に復職を提案した。 「いくらも残っていない解雇者を復職させることはできないのか。この人たち が暮らせるように採用できないのか。提案します」。

中央労働委進行過程と4月5日全解雇者ハンスト突入の説明を聞いている。当日に中労委決定が出て、組合員が判決までさらに3-4週かかる予定だ。

使用側の答弁は頑なだった。「早期退職者との公平性の問題があり、労組の 不法行為によって社会通念上の信頼関係が破られたので受け入れられない」。

誰が信頼を破ったのか

「これまで一緒に仕事をしてきたのにまた信頼を回復させるべきではないか」と いう委員の提案に会社側は答弁をしなかった。

会社は社長が最終陳述をした。「48年ぶりの初の経営上の解雇だったので公正 な基準で選別し、解雇した。法的要件に合わせて解雇した」。

公正な解雇なら、選別基準を中央労働委員会に参照資料にも提出できない理由 がどこにあるのか。会社側の最終陳述に首をかしげるほかはなかった。

2006年04月04日9時05分

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


コオロン労組解雇者、中労委最終陳述

汗流して働きたい労働者たちの絶叫を 無視しないで下さい

オドヨプ記者

尊敬する中央労働委員会委員様、

400日余りの時間がこの場に溶け込んでいるという新たな感慨も感じます。そ れに比べて、あまりにも短い尋問会議の最後の瞬間です。胸が震えます。

私たちの主張と呼び掛けは委員のみなさんの判断とは、あるいはとてもかけ離 れているかも知れません。しかし残った人生をかけた絶叫と思い、受け入れて 下さい。

経営上の整理解雇の正当性を争い、今も会社の処置を受け入れない理由は次の 通りです。

まず、コオロン不良経営の責任は経営陣にあります。しかし企業を生かすため に苦痛を分かちあうことに私どもは同意しました。430人余りの同僚が、希望 退職という名で雇用を奪われ、残った組合員は1人当り700万ウォンに達する賃 金を返却しました。その上、2005年無交渉妥結まで譲歩しました。しかし会社 はライバル社との比較で余裕人材が509人として、78人を整理解雇しました。 コオロンと無関係のライバル社の人員と比較され、われわれは大幅な賃金カッ トにもかかわらず、整理解雇されました。すでに2004年からは人的構造調整は ないという合意を会社は破っています。よほどでなければ労組委員長が賃金カッ ト案まで出して整理解雇を防ごうとするでしょうか?

いやそれならあの時なぜ会社は、労組にもっと賃金面で譲歩して整理解雇を無 くそうと提案をしたのでしょうか? その理由は整理解雇という形式でなんとか 追い出したい人がいたからです。苦痛分担に同意したが会社と私たちが考える 苦痛分担の大きさは、とても違いました。希望退職に追い出されて賃金も削減 すれば、整理解雇はないと信じていたのに整理解雇までされれば誰が会社を信 じて対話と妥協ができますか?

二番目に、整理解雇対象者選定の疑惑です。すでに地労委でも問題が提起され ましたが、会社は全体組合員988人の人事考課資料を提出しませんでした。こ れはぜひ確認してください。検察は、コオロン労働組合が提起した不当労働行 為告訴の件で数日前、亀尾工場に押収捜索を実施しました。6箱の資料とコン ピュータには、構造調整過程の不当労働行為も入っているだろうと思います。

もしこれが明らかになれば、今日の尋問会議は総体的な事実が伏せられた中途 半端な判決になってしまいます。したがって、私どもは疑惑を釈明する客観的 な資料を明確にして、今回の決定が下されなければと考えます。中央労働委員 会が悔しい不当な行為に対する救済機構としての役割を果たすというのなら、 ぜひこの手続きがなければなりません。そうではなければこれも地労委を経て、 中労委という要式的行為に過ぎません。そうだとすれば労働委員会が客観的な 審判者としての役割も放棄するものです。

三番目に、百歩譲って、会社の整理解雇が法的正当性と手続きを備えていたと しても、今私たちの復職を拒否する理由はありません。すでに会社は昨年黒字 に転換しました。それだけでなく、昨年3月から会社は私どもの活動を防ぐた めに外注警護として多くは140人、少なくとも80人までの人員を1年以上雇用し ています。聞いたところでは、彼らの平常時の日当が22万ウォンで、非常時の 日当は30万ウォンだといいます。

私たちのような労働者には想像もできない天文学的な数値のお金が、生産と経 営に何も役立たないことに使われています。それだけでなく労働部特別勤労調 査を控えてペヨンホ社長は正規職に100万ウォン、非正規職に50万ウォンずつ、 約30億の金を社長激励金の名目で支給しました。経営が困難なら、こんなに使 える金はないはずです。今まで会社が使ったその金を計算すれば、解雇された 私たちを雇用して定年を保障しても余ります。

会社は、労働部も認めた労組を9ケ月も拒否し、交渉を回避しています。中央 労働委員会が開かれることだけを待って我慢しました。こういう会社の態度に 中労委が力を貸してはいけません。9ケ月間交渉が進められていれば、あえて 今日のような場は必要ではなかったでしょう。労働部も率先して交渉を推進し ています。会社が正常な対話に乗り出し、この問題を解決するように中央労働 委員会委員皆さんの賢明な判断を望みます。

今この時間にもコオロン亀尾工場の25メートル鉄塔には3人の私どもの同僚が 全身を腫らしてたまま手足がしびれ、マヒを感じ、会社との対話を要求して命 をかけています。しかも他の三人の同僚を監獄に送りました。

そして今日この時間にも私の8歳になる娘は学校からの帰り道に6歳になる兄弟 の手を握り、家に帰って空腹も忘れてお父さんの代わりをして、仕事に出たお 母さんが戻るのを待っているでしょう。

尊敬する中労委委員様! 私たちの残り46人のすべての同僚が監獄に行ってもかまいません。

お願いですから私どもの小さな子供たちに、短くは10年、長くは20余年青春を 捧げた職場で仕事ができずに、整理解雇されたといわれないようにして下さい。

私どもは労働委員会が韓国の労働者たちが抑圧と差別から保護される最後の堡 塁だと思っています。中労委まで私どもの最後の希望を挫けば、私どもは韓国 で生きていく自信がありません。

汗を流して働きたい労働者たちの絶叫を無視しないで下さい。

2006年04月04日10時38分

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2006-04-05 04:42:14 / Last modified on 2006-04-05 04:43:33 Copyright: Default

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