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News Item 20040922kir2
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労使政委公益委員が「派遣全面拡大」に反対した理由

勤労監督死角地帯・間接雇用・交渉力不均衡などが 問題と指摘

政府が発表した非正規職保護法案をめぐって労政間の対立が悪化する一方だ。

非正規職労働者はヨルリンウリ党の李富栄議長室を占拠して籠城していて、 民主労総はゼネストまで宣言した。 韓国労総は社会的対話を強調していた政府が2年間の労使政委員会の議論より 後退した案を発表したとして、 特殊形態従事勤労者の対策を議論する特別委員会に参加しなかった。

これに対して政府は「政府案の核心は非正規職差別解消と乱用規制」とし、 「労使政委公益案の中で反映された部分も多い」と主張している。 法案を全体的な文脈で見てくれという意味だ。

もちろん、労使政委公益案中、 △差別禁止原則明文化 △期間制勤労使用期間制限 △重要勤労条件書面化 などの内容が法案に反映されはしたが、 労働界は派遣業種拡大がこれらすべてを無力化させる「台風」の水準という反応だ。 このように、派遣業種拡大は労働界反発の最も核心的な理由だ。

実際、労使政委の公益委員たちも派遣業種拡大に関しては 労働市場に大きな影響を及ぼすと見て慎重な態度を見せた。 労使政委公益委員はなぜ派遣拡大に即同意できなかったか。

公益委員たちの判断の根拠

労使政委員会は、去る2001年7月から昨年までの2年間、 非正規職保護法案を議論したが、労使政合意ができないまま 公益案を政府に移送した。

このうち、核心の争点に浮上した派遣対象業務拡大に関して公益委員は 「26の業務許容など、現行方式を維持するが、 ただしその業務を合理的に調停するための別途の労使参加機構を設置しよう」 ということに意見を集約した。 労働市場状況を検討しながら段階的に許容業務を拡大しようという趣旨だった。 注目すべきは、公益委員と非正規職対策の議論に参加した専門家たちは、 派遣業者まで直接訪問する等「現実把握」に相当な努力を払い、 このような結果に到達したということだ。〈ボックス記事参照〉

労使政委が昨年末に出版した非正規職保護法案に対する2年間の議論過程と 公益案内容が含まれている「期間制・派遣・短時間勤労議論資料集」によれば、 公益委員は派遣勤労の秩序がまだ確立されていないという韓国の与件で、 前提無く許容業種を自由化することは、相当な危険が伴うと断言している。

特に公益委員は 「政府が派遣業種全面拡大で現在の不法領域を合法領域に転換し、 合法空間内で適切な規制により派遣勤労を規制し、 不法を持続的に再生産する構造を遮断するという目標を持っているとしても、 その前に必ず解決しなければならない課題が多い」と明らかにしていて注目される。

これは、政府が「いずれにせよ不法派遣が蔓延している現実で、 合法空間を拡大する代わりに、派遣労働者の労働条件の差別禁止と 以後発生する不法派遣を確実に措置することが労働者により有利」 という主張に対して、公益委員が充分な検討にもかかわらず、 その効果を懐疑的に見たということを意味するためだ。 結局「派遣業種を全面的に拡大するのは時期尚早」ということが 公益委員たちの最終見解であった。

派遣拡大以前の解決課題が山積

公益委員はまずネガティブリストに転換した先進国(ドイツ、日本など)では、 韓国よりも派遣勤労者に対する法的保護装置がしっかりしているうえ、 韓国では派遣勤労は勤労監督の死角地帯におかれているという点が 考慮されるべきだと助言した。

実際、98年に派遣法が制定された後、 勤労監督官業務に勤労者派遣法違反行為に対する規定がなかったという理由で、 6年間派遣業務に対する常時的勤労監督がなされなかった。

政府は、来年から派遣法違反行為に対しても司法警察権を持って 直接司法処理するように勤労監督官執務規定を改正すると明らかにしている。

だが、派遣勤労が雇用・使用関係が分離した新しい雇用類型として、 派遣法、勤労基準法、そして男女雇用平等法の複合的適用には 相当な専門性が要求されるなど、派遣勤労に対する勤労監督行政が強化されるためには 相当な時間が必要だということが専門家の見解だ。 また、現在の勤労監督機能や人材などで強力な法の執行力を担保にすることは 容易ではなく、派遣を全面拡大する代わりに不法派遣を厳正に執行するという 政府の主張の実效性が疑問視されている。

これと共に、公益委員は派遣勤労が労使間雇用の三角関係的な特性を持っているが、 われわれはこの部門で労使間の交渉力のアンバランスがめだち、 補完が必要だと指摘した。これについて 非正規職対策特別委員会の12次会議で金素英労働研究院専任研究員は、 「勤労者派遣法の争点と改善課題」という発表を通し 「派遣事業体と使用事業体間の交渉力不均衡は派遣勤労者保護のために望ましくない」 とし、「現在の派遣事業主は行き過ぎた単価競争で 使用事業体と交渉力を壊しており、 これは結局派遣勤労者の劣悪な勤労条件に帰結する」と強調した。

金研究委員はまた「派遣事業体と使用事業体間の交渉力確保のために 使用事業体が一方的に派遣事業体との勤労者派遣契約を解約する場合、 派遣事業体に対する損害賠償責任を負うように規定する必要がある」と提案した。

この外に韓国の派遣会社の大多数は小規模かつ零細で、 過当競争の原因になっている反面、 専門的人材供給会社として必要な派遣会社の専門性確保と過当競争を抑制する 大型化が相変らず不十分だと公益委員は指摘している。

労働部が調べた派遣事業体現況を見ると、 50人未満の派遣業者が1114社中644社で、57.8%を占めている。

こういう理由で公益委員は 「ドイツ、日本などが派遣の全面拡大を推進しているが、 韓国の現実を勘案して許容業種の再調整において段階的な接近法を提示するようになった」 と明らかにした。公益委員はまた 「派遣勤労の窮極的な解決法のためには中長期的対策として、 派遣、用役、請負に関する現在の法律を労働供給に関する一つの統一的な法律として 整備規律することが必要だ」と指摘するなど、根本的な対策を提案した。

一方、非正規勤労者対策特別委員会(委員長ユンソンチョン光云大教授)の公益委員には、 ソンシン女大パクジュンソン教授(経営学科)、 労働研究院カンスニ研究委員(現中央雇用情報院院長)、 延世大イサンユン教授(法学科)、 ソウル産業大チョンイファン教授(教養学部)、 中央大イビョンフン教授(社会学科)、 韓国技術教育大オスボン教授(産業経営学部)などが参加した。

〈公益委員の現場調査結果を調べる〉

「零細業者人材供給競争過剰」…賃金減少で300余の業者調査結果も 「専門性欠如、全面自由化困難」と結論

直接、労使政委非正規特委委員が派遣業者に対する現場調査を行った結果、 業者間の競争が非常に激しいことがわかった。

2002年10月24日と31日、11月21日など3回にわたり 非正規特委委員が使用事業体、派遣業者などを訪問した調査結果報告書によれば、 例えば使用事業主が1人を採用するとき、5社が各々3人の候補を送り、 最終的に1人が採用される等、業者間での人材供給競争が多かったと明らかにした。

報告書は「派遣業者の過当競争が業者の利潤圧迫要因になり、 それがまた勤労者に転嫁されて窮極的に派遣勤労者の賃金減少の要因として 作用していると分析された」と指摘した。 特に50人未満の零細派遣業者が約60%を占め、 常傭型、募集型、登録型など特別な規制無く派遣業者が許されているため 費用節減の圧力がさらに強いと予想された。

キムスンテク労働研究院研究委員も第10次会議で 派遣業者200社、使用業者150社を対象に実態を調べた結果、 「派遣業者の零細性と専門性の欠如が実態調査の随所に現れている」と指摘し、 「現在の状況で派遣業者の専門性が確保され、 非正規職に対する権利保護が確定するまでは、 業務分野の大幅または全面的な拡大は不可能だ」と結論づけた。

これに対して政府は、差別禁止明文化、休止期間3か月等で 派遣労働者の労働条件が保護されると展望しているが、 「不合理な差別」に対する基準、差別判定に対する資料の蓄積、 派遣労働者が権利救済を求めた場合に、 使用事業主が派遣業者との契約廃止ができないようにする保護装置など、 大半が「差別禁止」が落ち着くには相当な時間がかからざるをえないという意見だ。 したがって、事前の準備無く派遣が全面拡大すると、 多段界請負のように「単価節減」を目的に歪んだ労働市場が形成される 可能性が高いと憂慮される。

これと共に、報告書は派遣業のもう一つの重要な傾向として、 SKテレコムが約1800人のアウトバウンドコール業務を担当する常時人材を 派遣職として採用したのに続き、彼らをまた請負職に転換した点も、 注目すべき事項として分析した。 つまり正規職の派遣職代替の可能性を見せたわけだ。 また、報告書は派遣勤労者の移動が頻繁で、 大多数が短期雇用状態にあって派遣勤労者が自主的に労組を結成したり 労組に加入する事例は非常に珍しいことが把握されたと明らかにした。

キム・ソヨン記者 dandy@labortoday.co.kr 2004-09-21 午前9:09:56入力 (C)毎日労働ニュース

原文

翻訳/文責:安田(ゆ)


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