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「私のような非正規職を作らないために」

[非正規法粉砕!廃棄](3) [インタビュー]イ・イン全国一生教育労組委員長

イ・コンマム記者iliberty@jinbo.net / 2007年06月 12日21時31分

非正規職との約束、知らんぷりするだけの労働部

労働部は非正規職が集団解雇されている現実にもかかわらず、非正規法が非正 規職を保護するのだと堂々と嘘をついている。そして労働部傘下の組織では、 非正規職があふれている。韓国に存在するほとんどの非正規職がいる所。そこ はまさに韓国産業人材公団と学校法人技能大学だ。ここは労働部傘下の唯一の 教育機関だ。

▲ストライキ30日をむかえた2005年11月22日国会前、全国一生教育労組の組合員は「非正規職で生きろということは死ねということと同じ」とし全身に鎖を縛って国会に進撃した。/チャムセサン資料写真

そして労働部は非正規職労働者との約束は、ただ知らないふりをすればいいと ぐらいに思っている。こうした状況で非正規職を保護すると堂々と非正規職労 働者の前に出られるのか理解できない。

2005年冬、66日間の戦いで非正規職雇用継承と段階的な正規職転換を勝ち取っ た全国一生教育労組(旧産業人材公団非正規職労組)が2年ぶりにまた戦いを始 めた。労働部が約束を破ったためだ。

2005年のストライキ当時、労働部は「2007年に企画予算処などの関係部署と協 議し、50%水準まで正規職化されるように努力する」と約束していた。しかし この約束は企画予算処の予算がないという理由で、公共部門非正規職対策が出 てくる予定だという理由で、いまだに守られていない。約束を履行するどころ か、労働部は無期契約がどこにあるかと、永遠の契約職である無期契約労働者 として生きていけという。

全国一生教育労組は先月16日、組合員臨時総会で争議行為賛否投票を実施した。 この日の総会には92%の組合員が参加した。病気や、どうしても避けられない 事情で参加できない組合員を除き、全員が参加した。そして93%の組合員が争 議行為に賛成票を投じた。

「労働者を教育する使命感で戦う」

イ・イン全国一生教育労組委員長に会った。

2005年の苦しい戦いの記憶をそのまま抱いている組合員がまた争議行為に立ち 上がると決意した理由について、イ・イン委員長は「何も変わっておらず、 むしろ労働条件が後退したから」と説明した。

▲イ・イン全国一生教育労組委員長

正規職と同じ業務を、いやむしろもっと多くをしているのに、学校法人技能大 学に所属する非正規職教師の賃金は、正規職教師の50%でしかない。時間外手 当と成果給は絵に書いた餅だ。イ・イン委員長は「二人が働き、正規職1人の 成果給を稼いでいる状況」とし「それでも非正規職教師ががんばって働く理由 は、教師としての使命感のためだ」と伝えた。

全国一生教育労組の組合員は、また使命感で闘争に立ち上がったという。なぜ なら自分たちが教える学生が、再び非正規職として生きていくことが明らかだ からだ。だから組合員たちは非正規職撤廃と書かれたチョッキを着て数百人の 学生と教室で会う。

「学生の前でチョッキを着て授業をするのは容易なことではありません。だが 学生の未来に責任のある教師として、堂々と話さなければと考えます。非正規 職が社会でどう差別されているかを正しく話さなければなりません。闘争を組 織するために全国を巡回しましたが、むしろ学生たちが闘争と叫んでくれまし た。近いうちに非正規職教師の私の生が、まさに自分の生になるという事実を 感じているためでしょう。」

「無期契約職は永遠の契約職」

全国一生教育労組は、13日から企画予算処前で野宿座り込みをする。企画予算 処が、他の部署との公平性を理由に2005年の合意を認めないばかりか、政府は 公共部門非正規対策をあげて、すでに合意した正規職化の約束を履行しない。

イ・イン委員長は無期契約化が正規職化でないとはっきり言った。イ・イン委 員長は「無期契約職は契約職だ」とし「政府が、非正規職を合法的に解雇でき る名分を作った」と指摘した。無期契約化と同時に進められる分離職群に対し ても異議を提起した。イ・イン委員長は「経済人総連が広報している分離職群 制を政府も積極的に広報している状況だ」とし「これは差別を固定するだけ」 と説明した。

「政府の公共部門非正規職対策が出てこなければ、われわれは当然正規職になっ ていたでしょう。合意は守るのが当然のことですから。対策のおかげで、逆に 労働条件や差別がさらに悪化する状況です」

▲イ・イン全国一生教育労組委員長

非正規職労働者たちがこのように反対しているのに、国務総理までが非正規法 をはじめ、政府が出した対策は非正規職を保護するものだと言い張っている。 非正規法施行令が国務会議を通過した12日、韓徳洙国務総理は「労働市場の柔 軟性を確保することがグローバル・トレンドだが、非正規職保護のための格別 の措置を下した」と堂々と話した。

「非正規職労働者、もう頼れる所はない」

こうした状況では、民主労総の闘争はあまりにも無力なようだ。非正規法が通 過した時も、施行令が立法予告された時も、施行令が国務会議を通過した時も、 民主労総はただ「みじめだ」という言葉を繰り返しす。これに対してイ・イン 委員長は「率直に言って、非正規職労働者や零細事業場の労働者はもうこれ以 上頼れる所がない」とし「闘争の意志があるのなら、3〜4月に闘争計画を用意 するべきだった。全部通過してから戦って、どれくらい変えられるのか」と、 民主労総にきびしい発言を惜しまなかった。

だが一人では戦えないので、連帯という名前でさらに大きな闘いを作るため、 再び民主労総旗の下、非正規職労働者の連帯という旗の下に集まろうと強調し た。イ・イン委員長は「非正規職労働者がいる事業場はほとんどが小さい」と し「いくら苦しくても共に戦わなければならない。みんなが固く団結して、共 に戦う人々がいなくてはいけない」と話した。

イ・イン委員長は最後に「労働部を輸入しよう」という挑発的な話をした。

「労働部と言えば、労働者を保護するために税金で作ったところだが、労働部 はむしろ先頭で労働者を弾圧しています。労働部が非正規職をなくすのではな く、多くの非正規職を内部で雇用し、試験して広めている状況です。労働部も そっくり外注化してアウトソーシングすればいいのです。そうすれば何が問題 なのか分かるのではないでしょうか。韓米FTAがいいと宣伝していますね。で は、労働部も米国から輸入しましょうか(笑い)」

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-06-17 00:31:39 / Last modified on 2007-06-17 00:31:41 Copyright: Default

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