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韓国:非正規労働者溢れる九老をただす | ||||||
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非正規労働者溢れる九老をただすこれまでと違うハンスト7日目、 キムソヨン分会長に会う オドヨプ記者 odol@jinbo.net / 2006年08月31日10時53分 長期闘争事業場の取材は、その闘争の時間ゆえに難しい。元の位置をぐるぐる と回る交渉は、質問する内容を作らない。使用主は頑固に粘り、労働者たちは 集会、座り込み、断髪、断食を繰り返す。使用者は頑固に、労働者を労働者と 認めようとせずに時間をかけ、労働者は自分の生命をかけて闘争を続けなけれ ばならない。
一ヶ月ぶりにキリュン電子のキムソヨン分会長と会った。8月には工場に帰る と言っていたが、交渉の進展について聞いてもキムソヨン分会長は白い喪服を 見るだけだ。命がけの断食7日目をむかえている。取材は終わった。 キリュンの1年 2005年7月5日金属労組キリュン電子分会設立、8月5日労働部から不法派遣判定、 8月24日契約解除中断、誠実交渉要求現場徹夜座り込みに突入。そして55日目、 公権力が投入されて工場から追い出された。 「労働部により会社の不法派遣判定が出たので勝ったと思いました。現場徹夜 座り込みに入った時も、3日で勝てると思いました。ところが55日間の座り込 みになり、公権力に連行され、一年を遥かに越えました」。 すでに労働組合は最初の要求から譲歩できるだけ譲歩した具体的な交渉案を出 した。だが会社は交渉できる案はないと頑張っているという。労働組合は「全 員正規職化」の要求から人員も減らし、「直接雇用」を追加して雇用形態の流 動性も受け入れるという姿勢だ。 ハンストは、闘争の方法ではない 8月30日に断食一週間を迎えたキリュン電子分会の昼食宣伝集会に行くと、葬 送曲がスピーカーから流れる。ハンストをしているカンファスク副分会長は、 テントで横になっている。ハンストの後で顔と体にひどいできものが出て熱も あるという。キムソヨン分会長は帰宅ぼうっとしているが、まだ頑張れるとい う。
「年を越しても解決しなかったら決断しようと思ってハンストを始めました。 今回のハンストは闘争の方法としての選択ではなく、本当に命がけの闘争であ ることをはっきり見せます。工場に戻る日まで命がけの強力な闘争を見せるで しょう」。 昨年の7月5日、労組設立総会の日、10分で200人ほどが組合に加入した。そし て一年。今は約40人しか残っていない。キムソヨン分会長は誰よりも組合員に 申し訳なく、責任を感じると話す。 「頑張って戦ってきたと思っていましたが、問題解決の突破口が作れませんで した。会社の弾圧と生計の困難のために、先に会社をやめた組合員に本当に申 し訳なく思います」。 あきらめることができない 残された組合員は1年以上戦い、今さらあきらることはできないと話す。日が たつにつれて悲観よりも楽観しているという。 キムソヨン分会長が九老工業団地にきてから15年たつ。甲乙電子で労働組合活 動を始め、工場が清算されてからしばらくは金属連盟のソウル本部で働いた。 工場生活はもうたくさんだと思っていたはずなのに、工場に戻った理由を尋ね た。 「上級団体で働く人より現場でオルグする人のほうが足りないと思いました。 2002年に派遣業者からキリュン電子に入社しました」。 いつ契約解除通知を受けるかわからないキリュン電子の労働者に同僚の愛を見 つけるのは簡単ではなかった。ラインで一緒に働いていても、互いに話しかけ ることも難しい。金分会長の初出勤の日に食堂がわからず、昼食を取り損なっ たと回想する。
話をするのも難しい現場の雰囲気の中で、10分で200人あまりが組合に加入し た力はどこからきたのだろうか? いつも雇用の不安に震えていた2000年代の九 老工業団地労働者の境遇が作ったのではないか? 2006九老労働者の姿 「生計が困難で職場を離れた組合員がまた非正規職として就職し、いくらもた たないうちに契約を解除され、仕事を探してさまよう姿を見ます。この戦いに 命をかけざるをない理由です」。 九老地域で正規職として就職できる所をみつけるのは容易ではない。まだ多く の工場が九老にあるが、ほとんどが非正規職だ。不法派遣の判定を受け、正規 職を要求するキリュン電子労働者の闘争は、キリュン電子だけのものではない。 2006年の九老地域労働者の現実をそのまま反映する闘争だ。 「これまで闘争では、私たちの分会は金属労組や連盟に要求していませんでし た。今度は闘争計画をたてて積極的に連帯します。また非正規、長期闘争事業 場が集まって一緒に突破口を開く闘争もするつもりです」。 いつ終わるかわからないハンスト者をテントに残して九老から出る。8月には 工場に帰るという計画は、秋夕の前に工場に帰ると修正する。単純な修正でな く、今回は命がかかっている。 正当な要求にも命をかけなければならない労働者の現実に、キムソヨン分会長 は怒りよりも悲しさが先立つという。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2006-09-03 09:32:02 / Last modified on 2006-09-03 09:32:02 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ | ||||||