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うわべだけの言葉の羅列、G20は解答ではない

[寄稿] G20釜山財務長官・中央銀行総裁会議に抵抗する労働者市民の闘争

アン・ジョンソク(社会進歩連帯) 2010.06.06 21:14

6月4-5日、釜山でG20財務長官・中央銀行総裁会議が開かれた。民主労総など、 全国の労働者、社会運動団体は4日の午後2時に釜山市庁前で『労働弾圧中断、 金融資本統制、G20糾弾記者会見および決意大会』を開いた。参加者たちはG20 の本質を暴露し、『G20議長国』である李明博政権の態度を糾弾した。参加者は その後、釜山市内で宣伝戦を進めた。

われわれはこの日の決意大会で、『うわべだけの言葉の羅列』、G20が世界経済 危機の代案ではないということを再確認した。そして、トロント、ソウル首脳 会議など、これからの計画に対抗して大衆的闘争を展開し、本当の代案を創出 することを宣言した。

G20会議は10年前から財務長官・中央銀行総裁会議として開かれてきたが、 2008年11月にワシントンで初めて首脳会議が開かれた。2007年のサブプライム 危機に触発された世界的な金融危機がその契機だった。だが常に曖昧で一般的 な合意に留まっていた。今回の釜山でも「金融部門の復旧と改革を加速するた めにさらに集中的に努力する」と約束し、「銀行は透明で健全な財務状態を備 え、金融会社の支配構造を改善すべきだ」と話したが、これ以上の具体的内容 は見つからないか、後の首脳会議にその決定を押し付けた。金融危機に投入さ れた公的資金を原因提供者に負担させるという原則を再確認しただけで、やっ と議論された銀行税さえ合意に失敗した。

われわれは各国の政府に金融世界化を中断する意志がないことを何回も確認し た。だから彼らが集まって何か生産的な内容に合意するなど、そもそも無理だっ たのだろう。米国のオバマ政府も金融危機への対応の過程で金融市場の兼業化、 買収合併と大型化をむしろ強める方向に進んだ。5月に上院を通過した金融改革 法案もまた兼業化禁止、銀行規模の規制(ボルカールール)ですべて失敗し、商 業銀行の派生商品取り引きを禁止する条項も現在、削除の危機に処している(こ れで危機の渦中でも2009年に派生金融商品取り引きで230億ドル以上の収益をあ げた大型銀行は安心できるだろう)。

何よりも私たちを怒らせるのは、G20に参加して自ら「グローバル金融安定網の 拡充」を云々する李明博政権の二重性だ。米国住宅市場のバブルを利用した派 生金融商品投機が世界的な経済危機を引き起こしたこの3年、李明博政権は現事 態の歴史的警告を無視して盧武鉉政権の金融ハブ戦略に忠実に従った。2009年 2月、資本市場統合法の施行は韓米FTA交渉の結果と無関係に金融市場を脱規制・ 開放し、金融機関別障壁解除、金産分離緩和で財閥が銀行に次ぐ金融機関を所 有する道を開いた。そして銀行預金と区別される高収益、高危険の金融投資商 品をすべて原則的に認めたことで、今回の危機の主犯である危険金融商品の販 売を可能にした。それ以後も保険業法改正、産業銀行民営化など、韓国社会の 金融化、投機化現象を強めるあらゆる計画を一つずつ進めている。規制どころ か金融資本に翼をつけた李明博政権が、各国首脳の前で『グローバル金融改革』 を云々することほどのコメディーもないだろう。

今回の釜山会議でのもうひとつの話題は、最近南ヨーロッパの経済危機で再び 持ち上がっている財政健全性の問題だった。宣言文は「EC、ECB、IMFが断行し た断固たる措置を歓迎すると同時に、成長親和的な財政健全化措置を用意する 必要」を強調し、「財政問題が深刻な国家は財政構造調整を加速すべきだ」と 明示した。だがギリシャなどの南部ヨーロッパの問題は、決してこれらの国家 だけの責任ではない。その背後のユーロ圏は1999年以来、会員国の貨幣主権を 奪い、財政政策を制限して無慈悲な労働収奪政策を強制し、ドイツなど中心部 の国家の経済的利益に奉仕したが、ギリシャなどの周辺部国家と労働者には災 害を持たらした。それでも支配エリートは再び労働者に危機の費用を押し付け て出血を強要している。われわれは今回の決意大会で、これまで多くの開発途 上国、最貧国を破壊したIMF式救済金融が現ヨーロッパ危機の代案にはなり得な いことを明確にした。

われわれは今回の決意大会で、これからのG20に対抗し、民主労総を中心に総団 結して労働権など、民衆の普遍的権利を擁護することを決意した。昨年、ピッ ツバーグの首脳会議で各国の首脳は「危機を口実として国際労働基準を無視し たり弱めることはない」と合意した。だが李明博政権は自由な労組を設立する 権利を事実上の許可制で運営しており、全教組、公務員労組など民主的な労働 組合に不法で非常識な弾圧を続けている。

また李明博政権はG20を口実に民主主義自体を破壊している。『G20警護特別法』 を制定し、集会・デモの自由自体を遮り、今は移住労働者、露天商を道路清掃 するかのように摘発しようとしている。李明博政権にはG20が自分の政治功績を 誇るイベントだが、韓国の労働者と市民には悪夢でしかない。

G20が開かれる11月11-12日は、あいにく毎年11月13日の全泰壹烈士の死を賛え る労働者大会で民衆の団結を企てる期間だ。最低限の集会・デモの自由も抑圧 しようとする政府は、死活をかけて闘争を弾圧するだろう。われわれは、G20に 対抗する過程で彼らが主導する新自由主義金融世界化を越える具体的な代案を 模索すると同時に、その代案を実現する唯一の原動力、多数大衆の力を引き出 すために努力しなければならない。われわれは今回の決意大会で彼らの世界化 に対抗する『烈士精神の世界化』を約束した。この言葉が持つ重さを忘れては ならない。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-06-08 04:15:01 / Last modified on 2010-06-08 04:15:12 Copyright: Default

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