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キャンドル闘争は続かなければならない

[コラム]キャンドルらの連帯と疎通、そして政治的プロジェクトの復元

ペ・ソンイン(編集委員、韓神大)/ 2008年08月14日20時03分

韓国「BSE」関連トピック

光復と建国をめぐり、民族陣営とニューライトが舌戦をしている間、北京では オリンピックが開幕して、2週間以上TVのチャンネル選択権を剥奪した。開幕式 当日に、ロシアがベルベット革命で有名なクルジアを攻撃したが、オリンピッ クのフレームに閉じ込められて特別な関心は見られない。

キャンドル集会は8月15日で100日を迎えた。李明博政権もキャンドル勢力も、 初めから予測も期待もしていなかったが、本当に辛く苦しい戦いだった。これ ほど執拗でうんざりする大統領もめずらしいだろう。彼の『反省モード』はし ん気楼と同じで、実際には存在せず、残ったものは執拗さだけだった。彼の執 拗さの根源地がどこにあるのか気にかかるだけだ。あれほど無知でよどみなく 無鉄砲精神を発揮するのは容易なことではないが、本当にすごい。誰が強いの か、力比べの見掛けを取ってはいるが、彼は自ら勝利したと祝っている。本当 に人生無常だ。

李明博の『攻撃モード』への転換

最近、大統領府が自信を回復して『攻撃モード』に転換している。李明博政権 は、公安弾圧でキャンドル集会の参加数が減り、牛肉局面が終わったと見てい るようだ。ソウル市教育委員長選挙の勝戦のニュース、独島問題に関する米国 発の朗報、そしてKBSのチョン・ヨンジュ社長の解任が、大統領府に自信を植え 付けている。MBが休暇復帰後の一声で教育委員長選挙に対して「新政府の教育 政策に対する国民的支持を確認した」と評価し「これを契機に規制緩和と公企 業改革などの改革政策に一層拍車を加えろ」と大統領府参謀陣を励ましたとい う。アメリカン・スタンダードが発動すれば、独島問題が解決するという固い 信念を持っていて、米国の軽薄な立場の変化が領土主権を決めるというバカげ た信頼が、やはり概念を喪失した政権であることを物語る。

どうせ支持率も20%内外で、「これ以上失うものがない」と言ってかなり荒っぽ い方式を駆使している。支持率が低いほど、行為の正当性が強まるほかはない が、どうせ失うこともないとKBS社長解任のようにますます荒っぽい行政に固執 すれば、本当に深刻な民心離反で統治そのものが不可能な瞬間がくるかもしれ ない(ウ・ソクン、「李明博政権、とても荒い」、プレシアン、2008.8.10)。

李明博政権は8月11日に公企業『1次先進化』対象の41機関を発表した。公企業 先進化推進委員会は、8月11日午前、果川政府庁舎で会議を開いて41の公共機関 に対する民営化(27)、統廃合(2)、機能調整(12)等の内容を含む第1次公企業先 進化方案を審議したと発表した。

また8月15日は、李明博政権が『新しい執権期』の信号弾にするという意志を繰 り返し明らかにしている時点だ。李明博の光復節記念演説による公企業民営化 への意志表現→国政監査、監査院等による公企業たたき→保守言論の集中砲火→公 企業への否定的世論拡散の段階を踏んで行く手順だ。これを基点として大攻勢 を展開するものと見られる。

キャンドルの変化と限界

キャンドルの性格が変化している。初期は、一般大衆の自発的・創意的参加と 脱理念的・脱政派的な性格から、次第に組織的参加の性格が強まっている。未 組織の一般大衆の参加数は、集中集会を除けば減っていて、政治組織や市民団 体などの組織以外にはアンチ2MBとアゴラなどの積極的な参加だけが眼につく。

一部の団体では、盧武鉉政権の残党が行う怨念解消の性格が強く、これに関連 して国家暴力の無制限な使用や公安弾圧が強行されているようだ。すなわち、 ほとんど2倍の違いで反対勢力に勝った李明博に負けた残党たちへの最も確実な 処方は『棒』だからだ。それが李明博政権の正統性を物語ってくれる。

2008年のキャンドルのキーワードは、『信頼』と『疎通』だ。キャンドル集会 は、理念や政派争いではなかった。代議制民主主義の運営者に対する不信だっ た。そうかと思うと、政党支持度は相変らずハンナラ党が1位だ。大統領の支持 度が10%台に墜落しても、野党の支持度は上がらなかった。『キャンドル』は、 李明博への政治的反対を越え、その反対陣営、特に進歩陣営の政治力量を試し ている。ところが進歩新党は不十分で、民主労働党は不安だ。市民社会勢力と 労働運動陣営は、政権の物理的な弾圧に萎縮していているというのは客観的な 事実のようだ。誰も信頼できなくなり、相変らず疎通の限界を感じている。こ れについては、教育委員長選挙のさまざまな敗北要因のうち、疎通の問題を選 ばざるをえない。各家庭で政治的な意志疎通や対話が不足していたと思う。家 庭と社会のコミュニケーションの断絶が感じられる。

キャンドルの方向設定が重要だ

キャンドルは保守的社会化プロジェクトに対する抵抗勢力が形成され始めたと いう点で意味があり、政党政治に対して重要な意味を持つ。その理由は、既存 の政治改革運動が示す根本的限界を克服して乗り越える新しい政治改革運動の 動力を提供できると思われるためだ。公共的政策の決定過程に対する市民の自 発的な参加と代議政治の責任性の向上という、既存の政治改革運動が持ってい た欠乏要素を、キャンドル集会が内包しているという意味だ。

それにもかかわらず、キャンドルがどこに向かうのか、どうやって行くべきか で迷っている局面だ。当初、決意した議題拡張に対する方法も苦しい。状況に よっては、戦闘的で強力な指導部が必要かもしれない。

今は、物価上昇と投機資本、そして公共部門の私有化に対抗し、いつよりも労 働者階級の闘争が必要だ。ソウル教育委員長の選挙結果は新しい現象ではない。 総選挙と大統領選挙のたびに繰返される韓国の逆階級投票が反復された。ただ し、今度は家のウサギだけを守る守勢的な性格ではなく、階級的結集により選 挙の結果をひっくり返す程に威力的であったという差異がある。富裕層の団結 はますます強固になり、彼らの階級投票は威力的だ。労働者たちは利害関係に よる富裕層の連帯に対抗して団結することなく、支配階級の分割支配戦略に巻 き込まれている。そのため労働者も富裕層のようにハンナラ党に投じるという 珍現象が韓国社会で行われているのだ。しかしこれに対抗する階級について言 えば、古い戦略だと思われたり、不穏な(?)意図を持っていると思われている。

このように、キャンドル闘争の過程で、国内外の経済危機が本格化し、支配階 級の階級的結集が強固になっており、全面的な反資本主義的闘争が要求されて いる。だが労働者階級が前衛に立つ条件と力量はない。

キャンドルの連帯と疎通が切実だ

李明博政権の危機は、経済危機が激化し、彼らの政治本質が暴露されれば益々 さらに深刻になるだろう。そんな面から見れば、キャンドルをいかに維持する のかがカギになる。今すぐ必要なことは、時間と忍耐だ。もちろん純粋で断片 的な考えだ。経済危機の激化は資本主義経済の問題、資本主義の向こう側の問 題を提起するだろう。

だからキャンドルの連帯と疎通が切実に要求される。これは単なる議題の拡張 を言うのではない。代議制民主主義と直接民主主義という消耗的な二分法を越 える民主主義間の連帯が必要だということだ。これと共に、狂牛病対策委の問 題を深く、ただし慎重に議論しなければならない。対策委に替わる新しい指導 部を組織することが現実的には難しいためだ。

問題は、当為ではなく現実だ。労働者たちはキャンドル闘争を自分自身の闘争 だと受け止めなければならない。労働者は李明博政権に対する攻撃と代案を提 示しなければならず、明確な自分たちの要求を掲げて叫ばなければならない。 それは、キャンドルの中で大衆と共に呼吸し、疎通をしてするべきだ。ここか らさらに一歩進んで能動的にキャンドル闘争に参加して主導できるように組織 しなければならない。

そのために、今すぐキャンドルの連帯と疎通が切実だ。今は李明博の『独裁』 に対抗する運動の構図は、過去と同じものではいけない。現在のキャンドルに は『本当と同じニセ物』がたくさん隠されている。まさに市庁広場、光化門、 清渓広場、KBS本館前のキャンドルの中に、非正規職のキャンドルが埋もれる 『広場のアイロニー』が発生するのも、こうした本質を支配する現状の転倒し た現実のためだ(カン・ビョンイク、「李明博無能の四つの願い」、レディアン、 2008.8.6)。今日現在、キリュン電子非正規職女性労働者のハンストは65日を迎 えたが、相変らず埋もれている。彼女たちとの連帯と疎通を粘り強く叫び、要 求したが、傍観者的な立場のためか、返ってくるのはむなしいこだまだけだ。

プロジェクトの復元と民主主義の拡張

進歩陣営は、キャンドル集会の触発を予測できなかったが、運動の展開の過程 で何らかの形で政治的プロジェクトの復元という重要な課題を抱えることになっ た。過去、韓米FTA闘争でも同じ課題を強調したが埋もれてしまった。今回こそ、 国家と地域、家庭と広場を、そして全地球的な次元を統合的に思惟する新しい 変革運動の流れが必要だ。

キャンドルを下ろし、代議民主主義を復元しろと主張するのではなく、新しく 登場した大衆の参加(または直接)民主主義空間をいかに保存して拡張すべきか に対する悩みが必要だ。また代議制民主主義を監視して補完する新しい政治空 間をいかに創り出すかについての悩みが必要だ。すなわち韓国の政党政治を市 民の公共参加という方向へと改革するためには、韓国社会の実情に合った韓国 型の政党モデルを創り出さなければならない。

李明博政権は、盧武鉉政権が先取りした新自由主義の形式的な枠組みを維持す るが、盧武鉉が失敗した社会改造戦略を新保守主義的戦略に強化していて今後 も続くものと見られる。また李明博政権においてさらに強化される私的権力と それによる社会の二極化の深化は、結局新自由主義の核心国家と最近のキャン ドル局面で現れているように、国家暴力の無制限の使用や公安弾圧といった衝 撃療法によってのみ維持されるだろう。すなわち李明博政権は警察国家の典型 を示している。今回のキャンドルで、既存の政界や言論などの媒介集団に対す る大衆の不信が克明にあらわれた。それが今回のキャンドル闘争を続けなけれ ばならない理由だ。ある映画で、長く頑張る奴が強い奴だといっていた。誰が 長く頑張るのか、本気で対決してみよう。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-08-15 18:49:28 / Last modified on 2008-08-15 18:49:29 Copyright: Default

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