本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:すべての社内下請正規職判決から1か月の蔚山の風景
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1413819267066St...
Status: published
View


現代車不法派遣の綱引き、参加しますか?

[寄稿]すべての社内下請正規職判決から1か月の蔚山の風景

パク・チョムギュ(非正規職ない世の中作り執行委員) 2014.10.20 11:35

10月17日午後1時30分、 蔚山地方法院101号法廷に現代自動車の非正規職労働者たちが一人二人と集まり始めます。 非正規職労組の前・現職支会長、幹部、解雇者まで何と54人です。 弁護人席から傍聴席まで、すべての席を埋めました。

現代自動車は2012年から2013年に工場の内外で行われたストライキ、 集会、座り込みを暴力と業務妨害で警察に告訴しました。 検察は非正規職労働者を特殊公務執行妨害、暴力行為など処罰に関する法律違反、 業務妨害、集示法違反など、凄まじい罪目で起訴しました。

9月22日に検察は現代車非正規職のパク・ヒョンジェ前支会長とカン・ソンヨン前主席副支会長に懲役5年、 大法院判決当事者のチェ・ビョンスン組合員に懲役3年を求刑するなど、 54人に合計69年10か月を求刑しました。 現代車のすべての社内下請工程が不法派遣だというソウル中央地方法院の判決から3日目の日でした。

労働者たちは暗い表情でした。 懲役3年以上を求刑された組合員は、法廷拘束されるのではないかという憂慮のためでした。 1人でも拘束者があれば、判決以後に急増している労組加入の雰囲気に冷水を浴びせかねないからです。

非正規職労働者54人裁判

蔚山地方法院刑事3部(裁判長チョン・ゲソン)は、 パク・ヒョンジェ前支会長に懲役2年と執行猶予3年、 カン・ソンヨン前主席副支会長に懲役1年6月と執行猶予3年など、 8人に執行猶予、46人には50万ウォン〜300万ウォンの罰金刑を宣告しました。

裁判所は現代車の非正規職労働者たちが生産業務妨害、警備暴行、高空籠城、執行官公務執行妨害などで 「実際に施行されている違法行為が数年間繰り返し行われ、 これにより現代自動車は少なからぬ損害をこうむった」と明らかにしました。 それにもかかわらず、核心的な3つのことを考慮しなければならないといいました。

まず正規職労働者と共に働き、その勤労の内容にも特別な差がないのに、 勤労条件は劣悪で、雇用が不安な不合理を解決しようとする過程で、 この事件の各犯行が行なわれたので、その犯行の動機を参酌する余地があるということです。

次に、非正規職労働者の処遇に関する社会的な対立が立法的、政策的に解決されない状態で、 継続的に犯行が繰り返された面もあるのに、 このように先進的な雇用剤度がきちんと定立できないことで引き起こされた問題に対する責任を全的に被告人に負担させるのは適切ではないということです。

三つ目に、現代自動車株式会社と非正規職支会の間の紛争の核心は、 大法院の判決の趣旨が同じ条件にある社内下請業者労働者に一般的に適用されるのか、 さもなくば被告人チェ・ビョンスン1人に限って適用されるのかですが、 最近の上の大法院判決の趣旨により、 社内下請業者勤労者は現代自動車の勤労者であることを確認したり、 彼らに対する現代自動車の雇用義務が認められるという内容の民事判決が宣告されたということです。

非正規職闘争「不合理を解決しようとする過程」

裁判所を出た労働者たちがようやく明るく笑いました。 たとえ無罪宣告ではなかったとしても、 非正規職労働者たちが闘争の正当性を認められたためです。 現代車非正規職労働者たちの闘争は 「不合理を解決しようとする過程」であり、 大法院判決がすべての社内下請労働者たちに一般的に適用されるということをまた確認されたからです。

現代車の非正規職労働者たちは、 現代自動車よりも検察の方に腹を立てています。 10年前の2004年9月12日、 国家機関である労働部が現代車9234の工程の1万人の労働者はすべて不法派遣だと判定し、検察に起訴意見を出しました。 しかし蔚山地検から大検察庁まで、すべて現代車鄭夢九(チョン・モング)会長と使用者を「容疑なし」として起訴しなかったのです。

2013年9月13日、大検察庁公安部は現代車不法派遣事件捜査について蔚山地検で捜査会議を開き、 年末までに捜査を完了させると言論に公表しました。 しかし1年経っても一人も起訴しませんでした。

大検察庁のホームページには 「犯罪から社会を防衛し、社会正義を実現し、人権を保護して、被害を救済する国家機関」と書かれています。 しかしこの10年間、検察は不法派遣という犯罪から社会を防衛することはなく、 社会正義を無視して、労働者の人権を保護せずに、被害を救済しませんでした。

不法派遣という犯罪から社会を防衛しない検察

午後4時、蔚山市北区オートバレー福祉センターの教室に勤務を終えた現代車非正規職労働者たちが集まります。 10月13日から非正規職支会は非組合員に対し、裁判所の判決を知らせて労組への加入を受け付ける事業を進めています。

9月18日と19日、現代車のすべての工程が不法派遣だという裁判所の判決以後、 蔚山工場を中心として労組加入の問い合わせが集中しました。 無賃乗車に対する組合員の反発は強かったのですが、 非正規職労組は非組合員に手を差し出すことに決め、 2週間、労組加入説明会を開くことにしました。

すると現代自動車は10月13日、自由に出入りを認めていた労組幹部の出入りを止め、 新規採用を電撃発表しました。 大法院の判決まではかなりの時間がかかるので、労組に加入せず新規採用で一日もはやく正規職になれと誘惑します。 国内最大の財閥は、法を守るどころか稚拙な手法を使っています。

「現代車は〈共に行く道〉で、大法院で訴訟の結果が出れば組合員も非組合員も判決に従うといいました。 ところがなぜ労組への加入を妨害するのでしょうか? なぜ建物の下に下請企業の管理者が来ているのでしょうか? 私たちが10年間戦って受けた判決です。 1人1人の力が足りないのなら、一緒に戦えば良いのです。 堂々と権利を勝ち取るために共に手を握りましょう。」

現代車非正規職キム・ソンウク支会長が説明会に参加した労働者に連帯の手を差し出します。 労働法院のチョン・ギホ弁護士には訴訟への質問が多く聞かれます。 6時になって終わりましたが、家に帰らず知りたいことを尋ねます。 非正規職労働者たちの目が光ります。

労組加入をめぐる労使間の戦争

遅い夕食時間、起亜自動車の合意について、非正規職労組の幹部が憤激を放ちます。 10月15日、起亜車労使は「特別交渉関連会議録」という名前で不法派遣特別交渉に合意しました。

起亜車労使は、 △労使は社内協力社の人員に対し、共同で対応する必要性を認識し、 2014年の賃金団体協議終了後に特別交渉を行い持続的に議論して進める。 △会社は勤労者地位確認訴訟に対し、裁判所の最終審確定判決の結果に従う。 △会社は社内協力社の人員の処遇を改善するために努力を続ける、ということに署名しました。

起亜自動車も9月25日、すべての社内下請工程が不法派遣という判決を受けました。 この判決は単に1審判決ではなく、2010年7月22日の大法院判決の趣旨により出てきた判決です。 すべての裁判所が自動車社内下請は正規職だと判決したので、 正規職転換を要求して戦わなければなりません。 ところが今回の合意は大法院の判決まで、労組自らが非正規職だと認めるものです。

現代自動車の非正規職労働者たちは「すべての社内下請正規職転換」を要求して10年間、 会社と綱引き試合をしています。 公正な審判でなければならない政府と検察は、現代車会社側で綱を引いています。 ダビデとゴリアテの戦いで、幼い子供と組織暴力の競技です。

非正規職労組には10年間綱を引いた仲間もいて、 2010年の大法院判決以後に綱引きに参加した組合員もいます。 一緒に綱を引いていたが新規採用で離れた同僚もいて、 労組の情報を売り飛ばして正規職になった背信者もいます。

裁判所の9.18判決を契機として綱引きの試合は非正規職側に有利に流れています。 新しく労組に加入して綱引きに力を貸そうとする労働者が増えています。 今日のように裁判所で非正規職労働者を慰労する判決を受ければ、 綱引きにさらに力が出ます。

だが蔚山工場5千人の社内下請労働者のうち、まだ4千人が綱引き試合を見物しています。 新規採用に応募して会社の綱を持つのか、労組に加入し、訴訟を提起して非正規職支会と一緒にするのか苦心しています。

現代車非正規職の綱引きは、いつかは終わります。 大法院の最終審を受けて終わるかもしれず、その前に労使間の合意で終わるかもしれません。 力いっぱい綱引きに参加した労働者のやりがいと自負心は、 綱引きに指一つ触らない人と同じではありません。 家族と子供に恥ずかしくない子供、誇らしい親だと言えるからです。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-10-21 00:34:27 / Last modified on 2014-10-21 00:34:27 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について