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LNJ Logo 「ウィシュマさん名古屋入管死亡事件裁判」第20回裁判(医師 証人尋問)報告
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投稿者: 小野政美

「入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合・東海」&「エルクラノの会」の小野で
す。
おはようございます
長文・BCC重複送信をお許しください。転送転載・SNS拡散をお願いします。

 いつも、「ウィシュマさん名古屋入管死亡事件」国家賠償裁判支援・傍聴やウィシュマ
・サンダマリさんのご遺族である原告の妹さん(ワヨミさん、ポールニマさん)への激励
やご支援、裁判傍聴、裁判支援、弁護団支援やカンパなど、ほんとうに有難うございます
。

◆「ウィシュマさん名古屋入管死亡事件裁判(名古屋地裁)」第20回裁判(医師証人尋
問)報告(2025.12.5 小野政美)

(1)2021年3月に名古屋出入国在留管理局施設で収容中に死亡したスリランカ人女性ウ
ィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)の遺族が国に損害賠償を求めた訴訟(名古屋地方
裁判所民事第10部「事件名 国家賠償請求事件 令和4年(ワ)第891号」)の第2
0回口頭弁論が12月4日午後、名古屋地裁でおこなわれました。当時の判断は「不合理
ではなかった」とするウィシュマさんの担当医の新美医師の「陳述書」に基づき、被告・
国側の代理人による新美医師の主尋問が行われました。

(2)今後、昨日12月4日に続いて、◆12月11日午後には、新美医師の証人尋問の続き(
原告・遺族側弁護士による主尋問)、◆12月24日(全日)には、原告・遺族の求める今井
医師の証人尋問、◆2026年1月14日(全日)には、被告・国側の求める野村医師の証人尋
問、◆2026年1月28日(全日)には、原告・遺族の求める下(しも)医師の証人尋問を名
古屋地裁で実施されます。

(3)原告(ウィシュマさんご遺族)と弁護団は、これまでの裁判で、ウィシュマさんを
診察した外部病院の医師の他、当時の名古屋入管局長、処遇担当統括、ウィシュマさんの
担当の看守、庁内内科等医、庁内整形外科医、看護師の証人尋問を求めています。今回の
裁判で、原告・遺族の求める今井医師と下(しも)医師の証人尋問は実施されることにな
りましたが、当時の名古屋入管局長、処遇担当統括、ウィシュマさんの担当の看守、庁内
内科等医、庁内整形外科医、看護師の証人尋問は認められていません。被告・国は、既に
当時の名古屋入管における医療体制などの事実関係は明らかになっており、また、当時の
名古屋入管局長を証人尋問する必要はなく、医師以外の証人尋問は不要であるという見解
の意見書を出していました。これまでの裁判で、名古屋地裁・大竹敬人裁判長は、事実関
係の証拠はすでに出揃っており、医師の尋問などを踏まえて入管の注意義務違反を判断す
るとしています。

(4)ウィシュマ・サンダマリさん本人は、名古屋出入国在留管理局施設で収容当時、体
調不良の訴えや極度の体重減少があり、飢餓状態で点滴治療や、原因となる緊急入院治療
が必要であり、点滴治療や緊急入院治療を求めていました。当時、新美医師はウィシュマ
さんの診療を担当していました。スリランカから日本で英語の教師になるのを夢みて日本
に語学留学したウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)は、収容された「名古屋出入国
在留管理局(名古屋入管)」施設で、飢餓状態になるほどの体調悪化し、2021年2月23日
の名古屋入管施設で撮影された映像では、「担当さん、病院の点滴お願い」、「もうがま
んできない、息もできない」と訴えている声が記録されています。3月3日付の「申出書」
には「薬をください」という言葉もあります。その3日後、2021年3月6日、ウィシュマ・
サンダマリさんは、本人と支援者の訴えにもかかわらず、救急搬送もされず、飢餓状態で
あることがわかっていながら、病院に救急搬送されることもなく、点滴などの治療も受け
られないまま亡くなりました。
なお、2022年、名古屋地検は、殺人容疑などで告訴された当時の局長らを死因が特定でき
ないため刑事責任を問えないとして不起訴決定し、名古屋第一検察審査会の不起訴不当決
定後に、再度不起訴としましたが、名古屋地検の依頼で作成された2022年2月28日付の鑑
定書2通のうち1通に死因が記載され、「食思不振(食欲の低下)による脱水と低栄養」に
、血液中のリンパ球が異常となる「血球貪食症候群」が合併した多臓器不全と記されてい
ました。

(5)今回、第20回口頭弁論では、この裁判では証人尋問は昨日が初めてとなるもので
、当時、名古屋入管でウィシュマさんを計4回対面で診察したとされる非常勤医師の新美
医師が証人として出廷し、被告・国側代理人による新美医師への主尋問が行われました。
原告・遺族側は、収容中のウィシュマさんが2021年1月から体調が悪化するなか、入管が
適切な対応を取らなかったために2021年3月に死亡したと訴えています。新美医師は、当
時ウィシュマさんと直接接した名古屋入管側の関係者の中で唯一の証人尋問が認められま
した。
被告・国側代理人による新美医師への主尋問では、ほぼ、新美医師の前回提出された新美
医師の「陳述書」の内容を確認するものでした。新美医師は当時、週2回勤務し、同年1〜
2月に対面で計4回診察したと証言しました。
証人尋問では、低栄養を示した2021年2月15日の尿検査結果について被告・国側代理人に
「点滴の必要性を感じなかったか」と問われ、「受け答えがはっきりしていて意識レベル
に問題はなく、必要な状態に当たらないと思った」と答えました。また、「亡くなる兆候
は見られず、亡くなったと聞いたときは驚いた」などと当時の認識を語りました。
証人尋問では、10名以上の被告・国側代理人から、新美医師への主尋問に立った女性弁護
士が、名古屋入管でウィシュマさんが命と尊厳を奪われたことに関して、質問が書かれた
ペーパーを、まるで芝居の台本を読む役者のように読み、それに対して、名古屋入管でウ
ィシュマさんを対面で計4回診察した新美医師が、台本を読む役者のように、「はい」、
「はい」と答えるものでした。ウィシュマさんが車椅子で新美医師の診察を受けているの
に、「覚えていない」と証言していたことも印象に残りました。

(6)この裁判の焦点の一つは、収容中に行われた尿検査の評価です。体調不良を訴える
ウィシュマさんに、2021年1月26日と2月15日の2回、尿検査が行われました。体の維持に
必要な糖が不足したときに生成される「ケトン体」が検出され、1回目よりも2回目の結果
が「ケトン体3+」と悪化した数字が出ましたが、点滴や入院治療などは行われませんで
した。新美医師は、2回目の結果を受けて点滴をしなかった理由を被告・国側から問われ
、「入管には点滴のための設備がなく、私には点滴の判断をする権限がなかった」と述べ
、「希望があれば外部の医師に依頼する。判断するのは外部の医師だ」などと証言しまし
た。被告・国側の主尋問に続いて行われた遺族・原告側からの尋問で、2回目の「ケトン
体3+」の結果について「一般的に重篤な状態になる可能性がある結果だという認識があ
ったか」と問われると「はい」と答えました。

(7)前回提出された新美医師の「陳述書」では、新美医師は、入管の非常勤内科医で、
21年1〜3月にウィシュマさんの診療を担当し、合計4回の診察を行っていました。2020年8
月20日から収容されたウィシュマさんは遅くとも2021年1月18日ごろには摂食困難となり
、2月15日の尿検査で「ウロビリノーゲン3+」「ケトン体3+」「蛋白質3+」を示しまし
た。これは「飢餓状態」で電解質異常や腎機能障害を起こしている可能性を意味するのに
、本人や支援者が再三求めた点滴や入院、一時的に収容を解く「仮放免」も許されないま
ま死亡しました。
新美医師の「陳述書」では、医師は、「ケトン体3+」という結果が「低栄養の状態を示
唆する要素となると認識している」、「重篤な脱水や低栄養の状態になると、意識障害が
生じたり、血圧が低下したり、皮膚が乾燥したりすることがある」と説明しています。そ
の診察の3日後の2月18日の診察でウィシュマさんに意識障害がなかったことや、看護師な
どから嘔吐はするものの食事や経口補水液は摂取していると聞いていたことなどから、「
重篤な状態(重症)に至っているとは考えなかった」としています。国が21年8月に公表
した「調査報告書」で、新美医師は「2月18日の診療時に尿検査結果を把握したかどうか
の記憶は定かではないと述べている」とされていましたが、「陳述書」では、「私が2回
目(2月15日)の尿検査の結果を認識していないという可能性は考え難いと思う」と訂正
していました。「私だけではなく、医学教育を受けている看護師等の医療従事者もウィシ
ュマ氏の様子を日々見ていたのであり、仮に、急を要する状態であれば、看護師等から私
に報告をしてくることもあると思われるが
ウィシュマさんが収容された部屋を真上から撮影した監視カメラ映像にも「点滴をお願い
」と職員に懇願するウィシュマさんの声が記録されていました。

(8)ウィシュマさん事件に関して、ご遺族が「アメリカ人だったら同じことをしたのか
?ウィシュマが、スリランカの、貧しい国の出身の女性だからこんな扱いをしたのではな
いか?」と言われました。ウィシュマ・サンダマリさんの妹で原告のワヨミさんから裁判
官へのお願いを採録します。
<姉を入管で診察していた医者(新美医師)が、陳述書を出したと聞きました。当時の自
分の判断は「不合理ではなかった」と述べて、姉の死について責任を認めていないそうで
す。それまでは歩けていたウィシュマが、2021年2月には自分で歩けなくなって、ど
んどん弱っていった激しい変化は、この医師の目の前で起こり続けていたのに。この医師
も、看護師も、名古屋入管局長以下職員たちも、誰一人として、身体から栄養と水分をな
くし、ひからびた状態で死んでいくウィシュマに手を差し伸べませんでした。苦しみなが
ら、ずっと助けを求めていた、姉の声は全て無視されました。これから始まる尋問で、必
ず、真実が明らかになることを願っております。裁判官に申し上げたいことがあります。
どうぞ、尋問を、医者たちだけで終わらせないで下さい。名古屋入管局長、当時の入管の
職員たち、看護師。彼らの話を聞かないまま、この訴訟が医師の医療ミスで幕引きされる
ことを遺族は望んではおりません。それは真実のごく一部でしかないからです。それでは
、また同じことが繰り返されてしまうだけだからです。どうぞ、医師たちの尋問の後、姉
の死に深く関わった人々の尋問を続けk
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(9)次回12月11日(木曜日・午後2時30分〜4時30分)に行われる証人尋問では、新美医
師への尋問が引き続き行われ、原告・遺族側の主尋問が120分間行われる予定です。その
後、12月24日、被告・国側の求める野村医師の証人尋問、原告・遺族の求める今井医師
の証人尋問、2026年1月14日、原告・遺族の求める下(しも)医師の証人尋問が名古屋地
裁で実施されます。

◆次回12月11日(木曜日・午後2時30分〜4時30分)の新美医師への証人尋問は、「ウィシ
ュマさん名古屋入管死亡事件」国家賠償裁判の正念場となります。全国各地の皆さんの裁
判傍聴をよろしくお願いいたします。

◇<ウィシュマさん名古屋入管死亡事件国賠訴訟 証人尋問の予定について>
◆第21回口頭弁論
2025年12月11日(木) 14:30〜16:30(予定)
名古屋地方裁判所・第2号法廷
被告・国側の求める新美医師への尋問(遺族・原告代理人による主尋問)
◆第22回口頭弁論
2025年12月24日(水) 10:30〜16:30(予定)
名古屋地方裁判所・第2号法廷
被告・国側の求める野村医師の証人尋問
◆第23回口頭弁論
2026年1月14日(水) 10:30〜16:30(予定)
名古屋地方裁判所・第2号法廷
原告・遺族の求める今井医師の証人尋問
◆第24回口頭弁論
2026年1月28日(水) 10:30〜16:30(予定)
名古屋地方裁判所・第2法廷
原告・遺族の求める下(しも)医師の証人尋問

(10)「名古屋入管ウィシュマさん死亡事件国家賠償請求訴訟」についてのカンパなど
の支援については、以下をご覧ください。
◆ウィシュマさんの妹さんお二人の滞在費や裁判費用等のために、カンパにもぜひご協力
をお願いします。名古屋入管死亡事件弁護団→事件の真相究明のために結成された弁護団
です。
カンパは、国家賠償請求訴訟、ご遺族の日本滞在等に使われます。

https://wishmalawyers.wordpress.com/%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%91%E3%81%AE%E3%81%8A%E9%A1%98%E3%81%84/

◆◆ウィシュマさん事件国家賠償請求弁護団→カンパは、国家賠償請求訴訟に使われます。

https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000094

全国各地の皆さん、これまでの「名古屋入管ウィシュマさん死亡事件国家賠償裁判」への
さまざまな温かいご支援に心から感謝を申し上げます。

「名古屋入管ウィシュマさん死亡事件国家賠償裁判」が4人の医師の証人尋問が行われ、
次回法廷での証人尋問が大きな意味を持つと思われるこの時、さまざまな形でのご支援を
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
お元気で。再見。

Created by staff01. Last modified on 2025-12-05 11:09:15 Copyright: Default

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