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アリの一言:日曜日記376・映画「アレン・ネルソン」の新たな力 | ||||||
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ドキュメンタリー映画「アレン・ネルソン 9条を抱きしめて〜元米海兵隊員が語る戦争の真実〜」(監督・阿部裕一=元読売テレビディレクター、ナレーション・森山良子=歌手)の上映会と講演が15日、全国に先駆けて京都市内であった。
制作はネルソンさん(1947〜2009)を支援してきた京都、大阪の有志が氏の死後に結成した「アレン・ネルソン平和プロジェクト」(共同代表・山口良子さん=元同志社中学教師)。
講演はネルソンさんと親交があり、映画でも重要な役割を果たしている国際政治学者のダグラス・ラミスさん(88)。高齢をおして沖縄から駆け付け、明快で熱のこもった講演を行った精神力に脱帽だ(写真右)。
ニューヨークのスラム街に生まれたネルソンさんは、貧困から脱出するために18歳で海兵隊の勧誘に応じた。「人を殺す」軍隊の任務を叩き込まれ、19歳でベトナム戦争へ。そして実際に「人を殺す」。防空壕の中でベトナム女性の出産に立ち会ったことで失っていた人間性を取り戻した。
帰還後はPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しみ、23歳でホームレスに。幼なじみの教師の勧めで学校で体験を語ったことから反戦・平和の語り部に。1995年の「沖縄少女暴行事件抗議県民大会」に参加。友人に勧められ英文で読んだ日本国憲法9条に動けないほどの衝撃を受けた。「9条は日本だけではなく、世界の宝だ」
日本での講演は13年間でのべ1200回におよんだ。ベトナム戦争でアメリカが散布した枯葉剤の影響でがんにおかされ、62歳の若さで亡くなった。 「平和は国連などでつくられるものではありません。ここにいるみなさん一人ひとりがつくるものです」 ネルソンさんのこの言葉で映画は終わる。まさに貧困と戦争に翻弄された人生だった。それとの闘いによって人間性を輝かせた。「9条」が希望の光だった。
ネルソンさんの半生を映像化したものとしては、2013年にDVD「9条を抱きしめて〜元米海兵隊員アレン・ネルソンが語る戦争と平和〜」が制作されている。私はその年に住んでいた那覇市の不屈館(瀬長亀次郎記念館)で観て、衝撃を受けた(2013年11月15日のブログ参照)。
このDVDは、黒井秋夫さん(PTSDの日本兵家族会・寄り添う市民の会代表)が実父の戦争トラウマに気づくきっかけにもなった。
映画の内容はほぼ知っていたが、今回は新たな問題意識をもって観た。それは「戦争・暴力では何も解決しない」と強調し続けたネルソンさんの非暴力主義と現代世界とりわけウクライナ戦争の関係だ。
「9条」はたんなる「平和主義」ではない。「非戦・非武装」の非暴力主義にその真髄がある。「9条」を支持する、生かしたいと思うなら、あらゆる武力行使・戦争に反対しなければならない。侵略された国を守るための戦争もその例外ではない。
ナレーションを快諾したという森山良子さんはチラシに寄せたメッセージでこう述べている。
「今、日本自体が戦争というものの肌感がなくなってきている中、とてもショッキングな映画だと思いました。敵味方ではなく、地球に授かった一人一人の大切な命が無残に奪われていくことに、常に悲しみと怒りを感じています」
映画は残念ながらそこまでは描かれていなかった。それは観る者の課題・責任だろう。 Created by sasaki. Last modified on 2025-11-16 07:20:51 Copyright: Default | ||||||