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昨日のブログで、「パレスチナ国家承認」で日本の対米従属が試されると書きましたが、朝日新聞は17日、独自記事として「承認を見送る方向で最終調整に入った」と報じました。またしてもアメリカの圧力に屈した日本政府の姿がそこにあります。
アメリカに言うべきことも言えない。それは「関税交渉」や「パレスチナ承認」だけではありません。最近の大きな出来事として見過ごせないのが、4日に発生した米国内における日本人労働者の不当逮捕・拘束です。
12日、米移民・税関捜査局（ICE）に拘束された韓国人労働者330人が帰還するチャーター機が仁川国際空港に到着しましたが、この中に日本人が3人いました。
ことの起こりは今月4日、ICEが突然「不法滞在者の取り締まり」として450人余の外国人労働者を逮捕したと発表。ハンギョレ新聞は帰還した労働者らの話として8日間の拘束のもようをこう伝えています。
「腰と手が拘束された状態で水を飲むためには、頭を下げてなめなければならなかった。扉もカーテンもないトイレには、下半身を覆う布が1枚置いてあるだけだった。日差しはほとんど入らず、許されていたのはたった2時間、小さな庭に出ることだけ」（15日付ハンギョレ新聞日本語版デジタル、写真はハンギョレ新聞が伝えた逮捕のもよう）
韓国政府外交部は早々に、「韓国国民の権益が不当に侵害されてはならない」と遺憾の意を表明（6日付ハンギョレ新聞）。「李在明大統領も、今回の事件に対して特別な関心を持って対処を指示したという」（同）
ハンギョレ新聞は9日の社説で、「今回の事態の根本的な原因は、米国が大規模な投資を要求しながらも、ビザ問題を解決しなかったことにある」と指摘しました。
さらに同紙のパク・ヒョン論説委員はこう解説しています。
＜事態の本質を理解するには、トランプ大統領が主張した「MAGA（米国を再び偉大に）」運動とは何なのかを、改めて考えなければならない。…MAGAは根本的にポピュリズムに基づく白人人種主義だ。「米国を再び偉大に」というスローガンは、より正確に言えば「米国白人をさらに偉大に」に近い。（中略）
今回の事件をきっかけに、対米投資事業を全面的に見直さなければならない。米国は日本に対し、5500億�砲療蟷餠發鮗更圓掘⊆�益金の50〜90％を米国が持っていくというとんでもない要求をしたが、韓国にも同じ要求をしているという。日本を真似したら、韓国経済は取り返しのつかないことになりかねない。＞（11日ハンギョレ新聞）
今回の労働者逮捕・拘束事件は、トランプ大統領が要求している米国内への投資と不可分の人権侵害であり、その根底にはトランプの「白人人種主義」がある。このまま日本のようにトランプの言いなりになったらたいへんなことになる、という分析です。
韓国のメディアはこれほどこの事件を重視し、韓国政府も抗議し、李大統領も重大な注意を払いました。
翻って日本はどうでしょうか。政府は米国に何の遺憾表明もしていません。メディアの報道もきわめて小さく不十分です。社説での分析・批判は皆無です（私が見た所）。
それは拘禁された韓国労働者が330人で日本は3人だったという人数（量）の問題ではありません。自国市民の人権を守る、アメリカに対しても言うべきことは言う（韓国も日本と同じアメリカの同盟国）という当然の姿勢を政府やメディアが持っているかどうかの問題です。
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