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LNJ Logo 尾澤裁判初公判:東京地裁「429警備法廷」は凄まじかった!
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*韓国オプティカル労組メンバーは韓国で集めた嘆願署名を持参してきた

堀切さとみ *写真提供=内田正

 11月14日13時30分から、東京地裁429号法廷で尾澤裁判が行われました。以下、報告です。

 「韓国オプティカルハイテック」で、解雇撤回を求める労働者を支援してきた尾澤邦子さん孝司さん夫妻が、親会社である日東電工に訴えられている。労働者と一緒に社長宅を訪問し、手紙を入れただけで「面談強要」。それで訴訟を起こされるなんてどうかしている。


*面談強要とされた社長宅への手紙入れ

 さらに驚いたことに、初公判の場所は東京地裁429号警備法廷だった。テロリストや重大犯罪を裁く法廷で、物々しい警備が敷かれるところだ。日本の裁判所は撮影も録音も禁止だから、どんなに異常なことをやっても平気だと思っている。

 韓国から来た労働者をはじめ、たくさんの支援者が抽選の列に並んだ。私の前に30代くらいの男女三人組がいた。「何でこの裁判を知ったんですか?」とたずねてみると、「私たち、実は何の裁判か全然知らないんです」と言う。男性だけは何度か傍聴経験はあるが、2人の女性は初めて。それにしても数多ある裁判の中でこれを選んでくれたなんて。嬉しくなって、この裁判の説明をする。

 私も三人も抽選に当たった。ところが彼女たちは「支援している人達に悪いから、私たちは遠慮します」と、傍聴券を返そうとするではないか。そんなこと言わないでぜひぜひ。面白いから行こうよと、どうにか法廷へ。

 物々しい警備体制の429号。荷物は紙とペン以外は取り上げられて、袋に入れて預けなくてはならない。40数名、ただでさえ時間がかかる中、やっと法廷に入ると、開廷時間を10分以上過ぎていた。

 今か今かと始まるのを待っていたが、何と二人の被告のうち尾澤孝司さんを法廷に入れないという。彼は左足の手術で膝に金属が入っているのだが、それが探知機にひっかかったのだ。どんなに説明しても、最初から犯罪者扱い。孝司さんが入らないうちに、3人の裁判官は法廷に入って来るや否や起立を促し、裁判を始めようとした。傍聴席は騒然。こんな裁判はみたことがない。

 「被告を中に入れてよ」「なぜこんなに待たせるんだ。ちゃんと説明しなさい!」。至極もっともな声が飛び交う中、2名が退廷させられた。そのうちの一人の女性は、婦警でなく4人の男に引きずられていった。それを抗議すれば、また「退廷」だ。理がまかり通らない、戦争体制がそこにあった。

 結局30分遅れて孝司さんは入廷。冒頭で「金属反応があったのは義足が入っているからだと説明しているのに、信用してくれないんですね」と言うと、堀田次郎裁判官は「発言を禁止します」と言い放った。

 その後、尾澤邦子さんが10分間の意見陳述をした。力強く抑揚のある声が響き渡った。終始、下をみていた裁判長が「韓国子会社の労働者への対応は、人権尊重といえるのでしょうか」という箇所だけ、なぜか頭をあげて邦子さんの方を見た。

 次回の期日も同じく警備法廷でやるという。なぜなのか、孝司さんが問いただしても「発言は禁止します」と言うのみ。裁判官は心をなくしたロボットのようだ。

 46名の傍聴者に対して、法廷内だけでも10人の私服刑事が入口付近に立ちはだかる。日東電工側の代理人が二人が退廷するまで、傍聴人は法廷内で待機するように言われた。これも異常だ。

 東京地裁の4階は騒然とし、他の裁判に訪れた人たちも何事かという目でみていた。傍聴者の中には法学部の大学生もいたらしく、「テレビの法廷ドラマでみるのと全く違う。驚いた」と話していた。裁判所は生きた勉強ができる。百聞は一見に如かずだ。


*報告集会で訴える尾澤孝司さん

*関連情報:DVD『裁判所前の男』(429警備法廷を描いている)


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