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美術館めぐり:「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」 | ||||||
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志真斗美恵 第16回(2025.10.27)・毎月第4月曜掲載 ●「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京都美術館) ゴッホは働く人を描いた「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」は、大阪展(2025.7.5~8.31大阪市立美術館)が先行して公開されたので訪れた方もいるだろう。展覧会は、アムステルダムの〈ファン・ゴッホ美術館〉から貸し出された作品に拠っている。 ゴッホが1890年に自殺すると、その半年後、物心両面の支援者であった画商の弟テオが病死した。テオの妻ヨーには、1歳の息子、そしてゴッホの作品と手紙が残された。ヨーは、ゴッホを画家として世に出すために努力し、書簡集も発行する。その後、成長したテオの息子や孫によってフィンセント・ファン・ゴッホ財団が設立され、1973年、アムステルダムの〈ファン・ゴッホ美術館〉が、国立の美術館として開かれた。私は、そこを10月初旬に訪れることができた。この美術館には予想より多くの入館者があり、修繕が必要になっていて、運営が困難をきたしていると、日本でも報道されていた。 大きな広場の正面には歴史のある国立美術館があり、広場のすみに面して〈ファン・ゴッホ美術館〉はあった。前日はその広場で移民排斥を叫ぶ集会があり、休館になってしまったということだ。本館に隣接して黒川紀章設計の展示棟 (1999年開設) もあり、南フランスで交流の深かったルーラン――「郵便配達夫」(1889)で知られている――とその家族の人びとを描いたゴッホの数多くの作品が特別展示されていた。1枚1枚の絵からゴッホの温かみのある人間性が伝わってきた。 ゴッホは、労働者階級の人びとを好んで描いた。その点が、同時代の印象派の画家たちとは異なっている。東京展では、油彩「女性の顔」(1885)、鉛筆・水彩「防水帽を被った漁師の顔」(1883)がよかった。女性の眼を私は忘れられない。「種まく人」(1888/写真)は、ゴッホが敬愛し、模写を重ねていたミレーの農民の姿を想い起こさせる。構図には、浮世絵の影響があるともいわれている。 貧しくてモデルを雇うことも出来なかったためだろうか、ゴッホは自画像を繰り返し描いている。今回展示されていた「画家としての自画像」(1887-1888)は、ヨーが「あの頃の彼(ゴッホ)に一番似ている」と評した。キャンバスに向かいパレットを持った自画像で、画家としての自負があらわれている。 今回の展示は「家族がつないだ画家の夢」の理由が解かるようになっている。手紙やヨーの出納帳についての説明も丁寧だった。最後のイマーシブルコーナー(大画面に映像が写され、音も合わされてみる者を没入させる方法)では、テオの息子の誕生を祝って描いた「花咲くアーモンドの木の枝」(1890)、「ひまわり」(1888)、ゴッホの愛した麦畑などが写されていた。どれも見た絵だったが、たしかに見入ってしまった。 (東京都美術館では12月21日まで。愛知県美術館で2026年1月3日~3月23日) Created by staff01. Last modified on 2025-10-27 14:56:10 Copyright: Default | ||||||