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LNJ Logo 「今日のイスラエルは明日の日本」栗田禎子さん:『地平』 創刊号
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浅井健治@週刊MDS編集部です。
元『世界』編集長の熊谷伸一郎さんが立ち上げた「地平社」から月刊『地平』が創刊され ました。創刊号の特集の一つ「パレスチナとともに」に千葉大学の栗田禎子(よしこ)さ んが「ガザ侵攻に抗うグローバルサウス/誰が国際法をよみがえらせるのか」と題する論 考を寄せています。 その最後のほうで「日本は…中東におけるイスラエルとパラレルな位置を占めつつある。 …周辺国に『テロリスト』や『ならず者国家』というレッテルを貼り、『自衛』を名目に 相手国の領域内で軍事行動を行ない指揮系統を破壊する、という点で、イスラエルによる ガザ攻撃と『敵基地攻撃能力』のロジックは同一である。『今日のイスラエルは明日の日 本』とも言える」と述べているのが強く印象に残りました。 岸田首相は「今日のウクライナは明日の東アジア」と明日の日本が被害国・被侵略国にな るかのような言説を振りまいていますが、日本はガザ・ジェノサイドにおいて紛れもなく 加害国・侵略者の側に立っています。沖縄の人びとが「今日のガザは明日の沖縄」と訴え ているのも、決して「ガザの人びとのような目に遭いたくない、殺されたくない」といっ た消極的な意味ではなく、敵基地攻撃能力保有のための琉球弧の軍事要塞化によって「ガ ザの人びと=グローバルサウスの人びとを殺す側に立ちたくない」という断固とした決意 の表明にちがいありません。 イスラエル軍がラファの難民キャンプを空爆し、赤ちゃんを含む少なくとも45人を殺害し た翌日、外務省前で若者が虐殺された子の写真をスマホで外務省職員に示しながら、「こ の首のない遺体は私たちが、世界が殺した子どもの亡骸です。お前が殺した子どもの遺体 です」と悲痛な声で叫んでいたのも、同じ意味合いだと思います。 ガザ反戦闘争は、「殺すな」と求める闘いであるだけでなく、「殺戮と重大人権侵害を不 可欠に伴う新自由主義的グローバリゼーション」「『米国=欧州=日本+豪』の三極から成 る『集団的帝国主義』(サミール・アミン)」からの脱却を求める闘いなのだ、と改めて 確認することができました。 若者たちは、日本に暮らすパレスチナ人たちは、「フリー・フリー・パレスチナ」「 Liberation Before Peace=平和の前にパレスチナ解放」とコールしています。5月6日の渋谷反戦行進で若者 たちが掲げたプラカードには「NO ONE IS FREE UNTIL WE ARE ALL FREE」と記されていました。ガザのパレスチナ人をはじめとするすべての人が自由になる までは誰も自由ではない、ということでしょう。ネルソン・マンデラ元南アフリカ大統領 の「パレスチナ人の自由なくしてはわれわれの自由は不完全である」という言葉が思い出 されます。栗田さんが紹介している米国の学生・労働者のスローガン「ガザを救い、われ われ全員を救おう」も、深く心に留めたいものです。インスタグラムで「ラファを救え、 ガザを救え、パレスチナを救え、人びとを救え、人質を救え、すべての市民を救え、平和 を救え、希望を救え、わたしたちの尊厳を救え、わたしたちの人間性を救え」というスロ ーガンを見つけました。 『地平』創刊号の特集には、他にも早稲田大学の岡真理さんがラシード・ハーリディー著 『パレスチナ戦争/入植者植民地主義と抵抗の百年史』などを参照しつつ「ガザで今起き ていることは入植者植民地主義による侵略・占領・アパルトヘイトとの100年にわたる『 植民地戦争』の最新の局面」と断じた論考「ガザ/存在の耐えられない軽さ」などが収め られています。 ガザ反戦闘争=パレスチナ解放闘争を闘う者にとって必読・必携の書です。

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