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投稿者 : ジョルディ・オリオラ・フォルチ(カタルーニャ・バルセロナ)

スペイン議会の恩赦法と闘う裁判官たち PSOE(社会労働党)がスペインを統治するためには、カタルーニャ独立運動の支持が必要 であり、そのために恩赦法を可決する必要がある。カタルーニャ独立運動側は、極右勢力 が政権を握らないように、そして何よりも、運動への弾圧をやめ、カタルーニャの自決を 問う住民投票を実施する政治的解決を開始するために、ペドロ・サンチェス氏の首相任命 に投票した。PSOEはカタルーニャの自由を切望する扉を閉じたまま、恩赦をもって前に進 もうとしている。しかし、恩赦が必要なのは、スペインがカタルーニャ独立に対して「法 戦」で汚い手を使った証拠である。PPの右翼とVOXの極右勢力は、この恩赦を、スペイン を守るために独立派を迫害する「正当な」権利に対する侵害だと考えている。そして、こ の恩赦は、カタルーニャ独立運動がクーデターを企て、テロリズムを実践しているという シナリオを覆すものであり、彼らは、PSOEがこれまでPPの弾圧を支持し、PSOEが政権を取 ったときには、独立運動に対する弾圧と違法なスパイ活動を続けてきたことからすれば、 PSOEの裏切りだと感じている。 だからこそ、恩赦法はスペインのナショナリストのスズメバチの巣をかき回しているのだ。 PSOE(社労党)内には不快感があるが、彼らは中央政府の仕事を得ることと引き換えに それを容認している。PP、VOX、報道機関、そして何よりも(ファシスト独裁の継承者 である)高位の司法当局では、政権を奪還し、カタルーニャの願望を無視して抑圧するた めに、政府に対して公然と戦いを挑んでいる雰囲気だ。スペインの前PP大統領アスナルは 「みんな、恩赦に反対するためにできることをしよう」と呼びかけた。そして、恩赦法 が承認されるまでの数日間、2人の判事(バルセロナ第1裁判所のホアキン・アギーレ判事 と、ファシスト独裁政権時代の治安裁判所(Tribunal de Orden Público)から引き継がれた特別裁判所であるAudiencia Nacionalのマヌエル・ガルシア・カステリョン判事)が、恩赦法の承認を妨害しようとし た。 アギーレ判事はドイツの公共テレビARD1に出演し、彼が審査しているヴォルホフ事件につ いて意見を述べた。彼によれば、2017年、プッチダモンはEU弱体化の見返りとしてカタル ーニャ独立のためにプーチンの支持を勝ち取った。プッチダモンはロシアがウクライナを 攻撃するという情報を得ていたため、この接触は非常に高いレベルであったと判事は「直 感」している。さらに非現実的なことに、数カ月前判事は、クレムリンがカタルーニャ防 衛のために1万人のロシア兵を派兵したことに「疑念を持っている」とマスコミにリーク された。 そして、ガルシア・カステリョン判事はツナミ事件を再審査させた。同氏によれば、2017 年のカタルーニャ自治州住民投票の首謀者に対する9年から13年の実刑判決に抗議する 2019年のデモにはテロリズムがあったという。デモは何日も続いたが、非暴力だった。多 少の口論はあったが、デモ隊が人を傷つけることはなかった。ガルシア・カステリョン判 事は、バルセロナ空港の外でデモが行われていたとき、空港内で心臓発作で死亡したフラ ンス人旅行者のケースをもってテロを立証しようとしている。そしてこの判事について、 4ヶ月前の公開会見のビデオでは、2000年に犯罪人引き渡し条約に署名させるために、フ ランスの判事に嘘をついたと自慢している。 必要な時には平気で嘘をつくこの判事に、どんな信用をおけるというのだろうか? これらはすべて、恩赦の承認を頓挫させるためであり、もしそれが承認されれば、テロリ ズムや反逆罪のためにプッチダモンは恩赦を受けられず、カタルーニャ州大統領候補にも なれない。しかし、この裁判官たちの告発によって、30人ほどの無実の人々が投獄される 可能性がある。裁判官たちは、立法者意思に則って法律を解釈しなかったり、直接的には 法律を適用しなかったりすることのアリバイとして、三権分立を主張している。裁判官た ちは、国民の投票によって選ばれたわけでもないのに、自分勝手な政治を行なっている。 このような理由から、1月30日、プッチダモン率いるジュンツ党は、自分たちが起草に協 力した恩赦法が、裁判官たちによって偏った形で適用される恐れがあるとして、反対票を 投じた。その後、さらに15日間の投票期間が設けられたが、PSOEは、ジュンツ党が提案し た、テロリズムや反逆罪の告発を防ごうとする修正案に拒否権を維持している。この期間 終了後、政府はさらに15日間の交渉継続を要求せざるを得なくなった。民主的なヨーロッ パで優先されるべき法の支配を侵害するこのような司法攻撃を防ぐことができるかどうか は、まだわからない。EUはスペインの司法当局にペナルティを科し、国民投票という形の 民主的な解決策をスペインに受け入れさせるべきである。 関連ニュース - ドイツのテレビで意見を述べるアギーレ判事のビデオ:https://www.dailymotion.com/video/x8rwwca - プッチダモン氏の弁護士、ドイツでインタビューに応じたヴォルホフ事件判事の解任を 要請: https://www.huffingtonpost.es/politica/el-abogado-puigdemont-pide-apartar-juez-volhov-entrevista-alemaniabr.html - ガルシア・カステリョン判事がフランスの判事に嘘をついたことを自慢するビデオ: https://www.publico.es/politica/garcia-castellon-reconocio-cuatro-meses-mintio-colegas-franceses-obtener-informacion-eta.html

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