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●都庁の現場からの緊急報告

3選出馬表明の小池知事、囲み取材にきちんと対応せず、「逃げる」

レポート 竪場勝司

 東京都の小池百合子知事は都議会定例会最終日の6月12日、知事選に3選を目指して出馬することを、ようやく表明した。それまで、定例記者会見や議会の代表質問で出馬について何度訊かれても、「今は議会に集中する」などと態度を明らかにしていなかった。表明後に小池知事を取り囲んで報道陣の取材が行なわれ、知事は数問の質問に答えただけで取材対応を打ち切り、「逃げないでください」などの記者たちの怒号が飛び交う中、SPとともに姿を消す一幕があった。(*写真=都議会での出馬表明の後、囲み取材に答える小池百合子知事)

傍聴席から「嘘つき!」「待ってました カイロ大首席」の声

 小池知事が出馬を表明したのは、都議会本会議の場。議長から発言の機会を与えられた小池知事は、新型コロナウイルスや東京オリンピックなどへの自身の対応を「歴史に残る数々の都政に全身全霊をかけて取り組み続けた日々だった」と振り返った後、重要な課題が残されているとして、「東京大改革3.0を進めていく。その覚悟を持って都知事選への出馬を決意いたしました」と表明した。知事発言の終盤、傍聴席の女性から「嘘つき!」と大きな声が飛んだ。続いて別の男性からは「待ってました、カイロ大学首席」と、学歴詐称疑惑を指摘するヤジが飛び、男性は議長から「退場」を命じられた。

 本会議終了後、議事堂と都庁第1本庁舎を結ぶ連絡通路の一角では、出馬を表明した小池知事の囲み取材をするため、フリーランスの記者やカメラマンを含めて80人近い報道陣が集まっていた。都議会各会派へのあいさつ回りを終えた小池知事が姿を現し、都庁記者クラブのテレビ局記者の仕切りで、囲み取材が始まった。「出馬の決意に至った経緯は?」「東京大改革3.0の具体的内容は?」「公約の発表時期は?」などの質問がテレビ局記者から続き、小池氏は淡々と答えていく。そこへフリーランスの佐藤章氏が「昨日、朝堂院大覚さんが…」と学歴詐称疑惑に関する質問をしかけたが、これは仕切り役の記者にさえぎられた。仕切り役の記者が「いつも勝負服のカラーで緑色の服を着られるが、本日はそういった服を着られていませんが」と質問すると、小池知事は笑いながら「今は公務をしっかりしておりますので。それはそれでメリハリをつけた対応をしていきたい」と答えた後、突然取材対応を打ち切り、移動を始めた。「待ってください」「逃げないでください」、記者たちから大きな叫び声が上がり、現場は騒然とした雰囲気に。知事を追いかけてカイロ大の学歴詐称疑惑の質問を投げかけるフリーランス記者もいたが、小池氏は答えず、SPに守られながら、第1本庁舎方面に足早に姿を消した。

 囲み取材の現場に残ったフリーランスの記者たちは「今の囲み取材はひどすぎる」と憤り、仕切り役を務めた記者に、「都庁記者クラブで話し合って、知事部局に、再度会見を開くよう要求してほしい」と要請した。記者はクラブに持ち帰って検討したようだが、結局、この日は、その後、小池知事が報道陣の前に姿を現すことはなかった。

「開かれていない」知事の定例記者会見

 現在、小池知事の定例記者会見は、都庁記者クラブ主催で毎週金曜日に開催されている。以前はフリーランスも会見に参加できていたが、コロナ禍を機に、リアルで参加できるのはクラブ加盟社の記者に限られ、フリーランスはオンラインでしか参加できないのが、現状だ。

 12日の囲み取材に集まり、小池知事の「逃げ」の姿勢に怒り、都庁記者クラブの対応に疑問を感じた、筆者を含めたフリーランスの記者たち(横田一氏、佐藤章氏、緒方聡彦氏など)は、「定例記者会見が限られた記者しか参加できない形になっているのは、おかしい」として、同日夕方、都庁記者クラブの幹事社に対して「フリーランスも定例会見に参加できるようにしてほしい」と共同で申し入れを行なった。

 記者の質問に真摯に答えるべきところを、取材対応を突然打ち切って、「逃げ去った」小池知事の姿勢はあきれるばかりだ。「開かれた都政」とは真逆の小池知事の姿勢を、よく頭に入れて、有権者には知事選の投票先を選択してほしい。
(囲み取材の模様は、ニュースチャンネル「Arc Times」で視聴することができる)


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