2,862筆の「無罪判決」要求署名を提出、「傍聴の権利」については答えず

尾澤邦子

　サンケン弾圧ー尾澤孝司さんは、昨年9月11日のさいたま地裁「罰金40万円」有罪判決に抗議し、東京高裁に控訴しています。4月25日、午後12時から東京高裁前で情宣行動が行われ、約60人が参加しました。12時20分頃から集会で参加者の連帯あいさつを受け、地裁判決の不当性をみなで確認しました。午後1時から東京高裁への申入れ行動を行いました。

＜2,862筆の「無罪判決」要求署名を提出しました＞

　ご協力、ありがとうございました！
　尾澤孝司さんを支える会では、東京高裁刑事5部裁判長あてに、尾澤孝司さんに対する「暴行」「威力業務妨害」罪の有罪判決に対して公正・公平な「無罪判決」を求める署名活動に取り組んできました。北海道から沖縄まで、またネット署名では韓国やカナダ、アメリカ、ヨーロッパなどからも署名がありました。たくさんの方々のご協力を得て、 2,862筆（内ネット署名547筆）の署名を提出することができました。ありがとうございました。

　対応に出た東京高裁の刑事訟廷管理官の杉山さん、総務課庶務係の山口さんに「刑事5 部担当裁判長に渡すように」と手渡しました。

＜傍聴の権利についての質問に、裁判所「お答えできません」？！＞

　東京高裁の刑事5部は、建物の15階にあります。署名と要請書を持ち、また先に提出している「質問書」の回答をいただくべく、15階の刑事5部に約30人で行きました。刑事5部の入り口にはすでに鍵がかかっており、担当官が「訴訟に関しては、被告当事者本人のみ中に入れます。要請は18階に会議室が用意してありますので、そちらで受けます」とのこと。みなでエレベーターで18階に上がり、がらんとした会議室へ。対応したのは刑事訟廷管理官の杉山さんと、総務課庶務係の山口さん。2,862筆の署名を手渡しました。

　また「韓国サンケン労組を支援する会」と「尾澤孝司裁判を支援する会・埼玉」からの要請書を読み上げ、「公判は警備法廷を止め、普通の大法廷で行うこと」「予断と偏見を持たずに公正、公平に審理し無罪判決を出すこと」「サンケン電気側の事件関係者などの証人尋問を行うこと」「被告人質問を行うこと」を要請し、要請文を手渡しました。

　「尾澤孝司さんを支える会」が4月1日付で刑事5部総括判事あてに提出している質問書の回答を求めました。すると「ここはそういう場ではありません。1か月に1回、1回30分、20人までの要請は受けます」とのこと。「はぁ？」「それはどこで誰が決めたことなのか、規則なのか」と聞いても要領を得ず、庁舎管理規定のようでしたが、文書は見せられないとのこと。

　「質問書の回答を25日に取りに来ることは伝えてあったのに、なぜ回答できないのか」と聞いても、「お答えできません」「要請として聞きます」と繰り返すのみ。

　質問は傍聴制限に関することであり、会として出しています。書類は受け取り、書記官は見ているとは言っていましたが、全く回答する気配なし。質問事項は、①なぜ、429法廷を使用するのですか。②大法廷を使用しない理由と根拠を示してください。というもので、地裁での傍聴数を参考に載せています。「傍聴する権利であり、当事者は傍聴したい人全部」であると言っても回答なし。法を守り、審判する立場の裁判所が、傍聴する権利について、その質問に答えないとはどういうことか。この国の裁判所はいったいどうなっているのか、本当に公正・公平な裁判が期待できるのか。とても怪しく思いました。