JR東日本による組合つぶしと闘った四名の労働者/「脱退パワハラ訴訟」控訴審判決をうけて | |||||||
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リポート 堀切さとみ 「組合ハラスメントは不当だ」。JR東日本の労働者四名が2019年末に提訴した損害賠償請求裁判は、昨年8月の一審判決で、会社の不当労働行為を認めさせる画期的な判決を勝ち取った。しかしそれから八カ月、現状は変わらない。それどころか、組合員であることを理由とした不当な配置転換(ジョブローテーション)など、あからさまな組合員差別は強まるばかりだ。
雨の中、大勢の仲間たちが集まったにもかかわらず、法廷で告げられたのは「控訴棄却、一審判決維持」だった。悔しい判決であることは間違いない。しかし、その後の報告集会は熱気と活気に溢れ、敗北感を感じさせないものだった。300名の組合員や支援者たちが四人の奮闘を讃え、「あったことをなかったことにさせない」「健全な会社を取り戻そう」と声をあげるのを見ながら、筆者の中に熱いものがこみ上げてきた。
『脱退パワハラ訴訟』とよばれるこの裁判の発端は、2018年春闘だった。スト権を発動したJR東労組に対し、会社側は「労使共同宣言は地に落ちた」「抜いてはいけない刀を抜いたのだから、会社として考えを変えないといけないと強く思っている」と発言。脱退セミナー、社長による職場巡回、懇親会で上司が組合員を取り囲んで脱退を迫るなど、あらゆる手段で組合員を追い詰めた結果、5万人いた当時の組合員を、わずかな期間で半減させた。 「このままでは組合が消滅してしまう」。その思いで立ち上がったのが、当時まだ30代だった四名の労働者だった。しかしJR東労組は、労働委員会に不当労働行為の救済申請を出そうとした四人に対し、取り下げるように指令した。そもそも組合への攻撃なのだから、受けて立ってしかるべきなのに、立ち上がった仲間に背を向けた。 個人として闘うことにならざるを得なかったが、この裁判が一つのきっかけになり、新しい組合(日本輸送サービス労働組合=JTSU)が2020年に発足した。彼らは今この組合で頑張っている。 〇石井祥大さん 〇高橋弘樹さん 〇宮沢和真さん 〇放出弘喜さん(四人の中で唯一、損害賠償請求が認められた) 四人の発言は時に笑いを誘い、会場を沸かせた。 Created by staff01. Last modified on 2024-04-27 15:17:48 Copyright: Default |