ドイツ・ベルリンから〜「平和の碑」が訴えるもの | |||||||
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ドイツ・ベルリンから〜「平和の碑」が訴えるもの金子通 昨年11月、韓国の高等裁判所が日本政府に対し、「慰安婦」被害者(サバイバー)への日本政府の損害賠償を求める判決を出したことについて、日本国内では、日本政府の国家主権免除の主張を当然視する報道が目立った。
****************************** ――梶村さんがベルリン市ミッテ区の「平和の碑」をめぐる様々な動きに関心を持たれて関わるようになったきっかけは、何だったのでしょうか。 (梶村)私が関わるようになったきっかけは、2020年、「平和の碑」が区の認可に従って設置された直後に、そのミッテ区が撤去を命じたことでした。 ――2022年には「平和の碑」の設置認可が延長されましたね。 ――「平和の碑」の設置許可が延長される際、韓国の極右団体が「平和の碑」撤去を求めるデモを行いましたが、地元メディアの報道はどのようなものだったのでしょうか。 (梶村)大半のメディアは関心を示しませんでしたが、地元紙のtaz紙だけは取り上げていました。韓国右翼のデモに対しては、近隣地域の人たちや市民運動関係者が100人ほど集まり、対抗デモを行いました。主催はコリア協議会です。
――「平和の碑」の永久設置に向けて、まだ見通しは不明瞭なものと存じますが、ミッテ区議会では、どのような議論が行われているのでしょうか。 (梶村)残念ながら、永久設置までの見通しは立っていません。
――「平和の碑」の碑文には「『慰安婦』と呼ばれる女性たちの苦しみを記念するものであり、1991年8月14日に沈黙を破って、このような犯罪が世界中で繰り返されることのないよう声を上げているサバイバーの勇気を褒め称える」と刻まれています。ドイツにおいて、「平和の碑」が設置されている意味はなんでしょうか。 (梶村)「平和の碑」からは、観る人が様々な気づきを得ているようです。 ――梶村さんが「wamだより」に連載中の「ベルリンからの風」には、ミッテ区以外の地域での「平和の碑」の設置や撤去問題がいくつも出てきますが、ドイツでの「平和の碑」の設置運動は他の国々と比べてかなり活発のように感じます。これはなぜだと思われますか。 (梶村)ドイツは、移民系のコミュニティーが非常に多い国です。
「慰安婦」関係の碑はアメリカにはもっと多く、しかも2010年頃から建てられています。碑の形も、ソウルに建てられた「平和の碑」と同じものばかりではありません。アメリカには韓国系やアジア系コミュニティーが多くあります。そのコミュニティーに属する人たちが、自分たちの生活の場で出自の歴史を記録したいと思うようになるのは自然なことでしょう。 ――アジア各国の「慰安婦」被害者(サバイバー)の生涯をかけた闘いを、ドイツの女性たちはどう受け止めてきましたか。ナチズムによる戦時性暴力も問題になったと思いますが、その戦争犯罪の加害責任を問う時に、何らかの影響はみられませんか。 (梶村)戦後のドイツは、ナチズムとナチスによる支配と犯罪を問うてきましたが、国防軍の犯罪が問われ出したのは、1990年ごろからです。植民地支配責任についても、ドイツの取り組みは遅れています。ナチスや国防軍による性暴力も、積み残された問題の一つです。この問題は専門家の間では扱われてきましたが、全社会レベルで取り上げられて国や軍の責任が問われるというようなことにはなっていません。 現在の戦時性暴力に取り組むドイツの女性たちの中には、「慰安婦」問題に関心を示す人たちがいます。メディカ・モンディアーレ(旧ユーゴ紛争時に、ボスニアにおける集団強かんの被害者を救済するためにできた組織)は、東京で行われた2000年女性国際戦犯法廷に参加者を数人送っています。また、移民ルーツのマイノリティーの女性たちにとっては、その出身国で現在起きている武力紛争の渦中で女性たちが被る性暴力の問題と「慰安婦」問題とは、無関係ではないのです。だから彼女らは、日本軍「慰安婦」メモリアルデーなどのイベントにも参加してスピーチをしてくれます。しかし、ドイツ全般を見渡すと、「慰安婦」問題を知らない人
の方が圧倒的に多いのが事実です。 ――「慰安婦」被害者が相次いで亡くなられている中で、証言者なき後も記憶の風化を避けるために、私たちの役割が求められていますね。 ※写真はすべて、2024梶村道子.All Rights Reserved Created by staff01. Last modified on 2024-03-22 12:06:03 Copyright: Default |