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LNJ Logo 不動産強制競売とたたかう韓国オプティカルハイテク支会/インタビュー記事紹介
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News Item 0328korea
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〔解説〕
 韓国の日系企業韓国オプティカルハイテックから解雇された労働者は、解雇撤回・雇用継承を求めて闘ってきましたが、日東電工の「工場撤去の妨害禁止仮処分」に基づき、裁判所は、当該支会などが工場と労組事務所の撤去妨害をした場合、一日一回金属労組200万ウォン、当該支会200万ウォン、組合員各個人にそれぞれ50万ウォンつづの間接強制金の支払い命令を課してきました。
 日東電工は、この執行を裁判所に請求し、裁判所は各組合員個人の自宅や賃貸マンションの保証金を強制競売ににかけることを決定し、マンションがない人には通帳を差し押さえるなどを各組合員と家族に通告してきました。これに対して組合は、異議申し立てし、裁判所はこれを認め、差し押さえの強制執行の停止を決めたのでした。解雇したうえに住居まで奪うというあまりにも酷い仕打ちに裁判所が一時STOPをかけた形です。
 しかしこれで闘いが終わったわけではありません。これはほんの息継ぎの時間、まだまだ闘いは続きます。引き続きの注目とご支援をお願いします。(尾澤孝司)

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*以下は、日韓民主労働者連帯の中村猛さんが『労働と世界』(民主労総)の記事を緊急翻訳したものです。

●韓国オプティカル労組・イ・ヒウン組合員インタビュー

「私は最後を見るでしょう」〜日系企業の食い逃げ廃業を許さない

 2024年3月12日、韓国オプティカルハイテク支会に不動産強制競売の決定文が来た。最初に受け取ったのはイ・ヒウン組合員だった。家にいたイ・ヒウン組合員の息子が決定文を受け取り、家族全員が知ることになった。その後、別の組合員の家にも不動産強制競売決定文が来て、他の組合員の通帳が続々と差し押さえられた。当事者たちはこの状況にどのように耐えているのだろうか? 最初に決定文を受け取ったイ・ヒウン組合員(写真)にインタビューした。

私たち一緒に乗り越えよう

 約二年前、闘いを始めた時に多くの説明を聞きました。どんな闘いをしなければならないか、どんな気持ちでいなければならないか、会社はどう出るか。最後に、会社が家を強制競売にかけ、赤いレッテルが貼られたり、通帳が差し押さえられる可能性もあるという話も聞きました。それでも余りにも極端な話しだから、闘いながらも「まさかそこまで行くのかな・・・」と思いました。

 受け取ってからイライラしました。会社はここまでやるのか。夫は私の闘いを支持してくれる方ではないのですが、今回は会社の悪口を言っていました。家族にまでどうしてこうなんですか。私は夫に「今回が最後だ。私たち一緒にもう少しだけ頑張ろう」と言いました。夫は騙された積もりで信じてくれることになりました。

 数日後に組合員の会議をしていました。その時、チョン・ナヨン組合員が突然携帯電話を見せながら「今これが来ました」と言ったんですよ。見ると、通帳が差し押さえられたと、銀行が送ってきた内容でした。通帳の差し押さえはこのようにして始まりました。二人で座って話して、ナヨンに「あなたと私が一番甘く見られたようだね。私たち二人に一番最初にしたのを見ると」と言いながら、本音もちょっと話しました。

甘く見ないでください

 仕事では本当に頑張りました。不当なことだと解っても、どんなに仕事が辛くても、すべて言われた通りにしました。仕事が辛くても、会社に感謝する気持ちもありました。会社が私たち家族を食べていけるようにしてくれたからです。そして会社に対する自負心も大きかったのです。どこかに行って、他の人が自分はサムソンに通っていると、LGに通っていると自慢すると、私も「私は韓国オプティカルハイテクに通っています」と、誇らしげに言いました。私たちの会社ほど良い会社はないとも言いました。私が以前に住んでいた家からは工場全体が見えました。時々、退社して家に帰るために階段を上がると、三階の窓から工場が見えました。そこに立って、一人で誇らしげに言いました。「あそこが私の職場だよ。『うちの会社、本当に最高だよ』と。」  今になって考えてみると、会社の立場からは、私が一番甘かったと思います。言われた通りに働く人間だったのですから。だから、会社に言いたいのです。「私は考えのある人間だと、甘く見るなって。無視されてもいいような人間じゃないって。」

最後を見るでしょう

 私は本当に最後を見たいのです。この前、お母さんと話したんですけど、気にして訊いてきたんですよ。「いつまでやるんだよ。家族のためにそろそろ諦めないといけないんじゃないか」って。私は「今までは後悔することが多かったけど、これだけは本当に後悔することにならないようにしたい。お母さんも解ってるでしょう。私がなぜこれをするのか。」と答えました。その時、夫も私の言ったことを聞いていたそうです。後で私に言うんですよ。私は堂々と言っていたそうです。「こいつに無理は言えないな」思ったそうです。

 先日、金属労組と民主労総が募金を決議してくれました。金属労組は組合員一人当り2千ウォン、民主労総は1千ウォンを。一人当たりの金額は小さいように見えるかも知れませんが、全部集めるとかなり大きな金額ですよ。私たちが今、金銭的な攻撃を会社から受けているというので、困難な決定をしてくれました。心強いし、責任感も感じます。この闘いが私だけの闘い、私たちだけの闘いではないのだということが本当に感じられます。正直「これをどうやって返すのか」というプレッシャーもあるんですけれども。労働組合の垣根が私たちを守ってくれているのを感じます。こういう保護が感じられるから、ちょっと大きなことも考えます。外国人投資企業の食い逃げ廃業との闘いで完全に勝利したという事例を作りたいのです。後で「私はこんなことをした人だ」という自負心も感じたいのです。

*写真と原文は次で
https://worknworld.kctu.org/news/articleView.html?idxno=504290


Created by staff01. Last modified on 2024-03-28 16:11:00 Copyright: Default

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