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レイバーネットТV報告:正真正銘のジャーナリスト、青木美希さんが語る原発とメディア | |
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レイバーネットТ�杭G�の3・11特集は、ジャーナリストの青木美希さんをスタジオに迎え、3月13日に放送された。
昨秋上梓された著書『なぜ日本は原発を止められないのか』(文春新書)が二年間も出版出来なかったという話から、志賀原発の最新取材報告に至るまで、青木さんが随所で力を込めたのが、激しい言論統制と闘うジャーナリストとしての覚悟だ。著書の出版を遮ったのは政府でも電力会社でもない、ある大手新聞社だったのだ。 多くの気概ある記者たちが今、苦しい状況に立たされている。取材しても書かせてもらえず、辞めていく人も多い。 ここ数年、青木さんは勤務時間外を使って取材発信してきたが、そのプライベートな時間さえ会社は統制してくるという。個人の責任において伝えることも許されないとは。 「伝えなかった責任というものを、報道機関は負うべきだ。その責任が問われないまま、同じことをくり返してはいけない」。青木さんのこの言葉が、原発を止められない理由をもっとも端的に示している。ならば、それに抗うしかない。 正真正銘のジャーナリストの姿を目の当たりにし、力と勇気が湧いた。連なろうとする人は、きっと出てくるはずだ。(H) ********************************************* 【詳細報告】 読者の応援の言葉で、どんな圧力・攻撃も跳ね返す!報告:笠原真弓 3月11日前後になると、なんとも胸の奥が騒がしい。2011年のあの日以来、いまだに日常を取り戻せない人々が大勢いる。あの日何が起き、今どうなっているかを知りたいのに、彼らの言葉を信じていいのかさえ闇の中。どんなに原発推進側に圧力をかけても疑念は膨らむ。 レイバーネットTV197号<3.11特集:原発とマスコミの大罪> ◆新著『なぜ日本は原発を止められないのか?』に込めた思い 堀切:3.11が近づくと、原発関連の報道が目白押しになる一方「どうせ今だけだろう」と鬱になる被災者もいる。巷では、現在、原発関係の本は売り上げが伸びないと聞くが、一貫して原発問題を追ってきた青木美希さんの3冊目の本『なぜ日本は原発を止められないのか?』は昨年末に出版されて以来、4刷りまで出ている。 青木:タイトルは「とめられないのか」ではなく「やめられないのか」と読む。これまで反原発について知らなかった人にも読んでもらいたいとタイトルを工夫した。今回は男性からの反響が多くなった。原発の構造は、単純だということが伝わったと思う。 堀切:確かに1冊目『地図から消される街』、2冊目『いないことにされる私たち』は、被害者目線だが、この本は多角的だ。 青木:「やめられないのか」にするか「やめないのか」で悩んだが、「やめないのか」にするとやめるべきという人しか読まない。でも「やめられないのか」にすると、原発に疑問を持っている人も手に取ってくれるということだ。やめられないと思っている人に「本当にやめられないんでしょうか?」と問いかけたかった。 ◆原発推進側の話を中心にしたわけ 青木:家族にエネルギーの研究者、電力会社社員がいる環境の中で育ち、「エネルギーをどう賄うか」は学生時代からのテーマ。今回は原発推進する側の話も多数だが、事故後推進から変わった人も取り上げた。 ◆大手新聞などでは伝えられないことを書いたと思う 土田:今年の3.11もきれいになった双葉町の駅舎や、復興が進んでいるようなイメージから始まる報道が多かったが、3月9日の報道特集(金平茂紀/青木美希)が素晴らしかった。また、長周新聞は、きっちり報道している印象を受けた。東京新聞も報道しているが、他は制約がある印象がある。その制約を取っ払って書いたのがこの本だと思った。 青木:出版しようにも、会社に止められた。でも、読者の声におされ、今回今まで言えなかったこと、伝えたかったことを詰め込んで、何とか出版することができた。 ◆「被曝」について書けなくなった現場/避難指示解除でも高線量 青木:最近では、被曝について書くことができなくなっている。ある記者は、被曝を恐れて避難している人のことを書いたのに、その部分を全部カットされてしまった。 ◆解除地域にあらたに移住する人たちへの情報不足 青木:今の放射能の状態やその影響が伝えられないままに、戻るも戻らないも「自己責任」になっている。一方、2万世帯の避難先の住宅手当などが打ち切られ、兵糧攻めで戻らざるを得ないのが現実。更に大熊町や双葉町も今後打ち切られる可能性があり、家探しが始まっている。 ◆原発がなくなったら困るのはだれ? 青木:原発の存続を願うのは「ほんの一部の既得権益を持っている人たち」で、岸田さんが聞いているのはそうした人たちの声。私たちの声ではない。 堀切:あるドキュメンタリーで、避難先から戻った人が「原発を動かしてほしい」という人もいた。仕事がないから…。 青木:それは聞いたことがない。確かに高齢者の仕事と廃炉作業はあり、それ以外は非正規ばかりで正規の仕事がない。 ◆電力会社の本音は「やめたい」? 土田:この本によると、枝野幸男(当時官房長官)さんへのインタビューで、電力会社は本音ではやめたいのに、思考停止でやめ方が分からないのでは?と言ったとある。 青木:官僚を取材していると「前例踏襲」なので、とても分かりやすい。100年先、200年先のグランドデザインなどは示せない。自分が定年退職するとき、退職金が出るかどうかしか考えていない。政治家も同様だ。 土田:六ケ所の再処理工場など、その典型と思う。 青木:やめると言ったとたんに、たくさんの店晒し物件が噴き出てくる。核燃サイクル(使い終わった核燃)はどうするのか?これに手をつけたくないから、原発を使い続けている面もある。 土田:核燃リサイクルをアメリカとイギリスはやめました。残るはフランスと中国、ロシア、日本。日本以外は核兵器を持っている。 青木:核燃リサイクルは夢の技術で、採算も取れず、いかに原発を続けるかに端を発したもの。実現の可能性については事実をきちんと伝えていく必要がある。 ◆チャット・会場から ・東京電力の会見も、記者たちが少なくなってきているようだ。
・著書に毎年関電副社長が歴代首相7人に1千万円を盆暮れに贈っていたと。それぞれからの生々しい謝辞が記載されていたが、そのソースは?民主党政権の時はどうだったのか? 青木:引用先を書籍中に記しています。まだネットでみられるものもあります。民主党政権の時は、労組に支えられていますから、連合との結びつき、選挙や普段からの関係の中で、出来ないこともたくさんあったとか。 ◆自然エネルギーと民主党 堀切:本の中で、自然エネルギーにも触れている。ではどれくらい普及しているのか? 青木:RE100という自然エネルギー100%をめざす国際企業が参加する運動がある。 ◆休憩タイム:乱鬼龍とジョニーHのコーナー ◆東海林智さんから「ジャーナリズムを放棄しない青木さんへ」 「青木さんは、自分で大事な問題と思うと決して手放さず、ものにしていく。ジャーナリストとして大事なことなのに、現場ではそうもいかない。その中で書き続けたのがこの新刊で、心からの拍手と連帯を送りたい。 青木:北海道新聞時代に自主的に記者の勉強会を持ち、東海林さんから「ジャーナリズムの気骨とは何か」を学んだ。 ◆東京新聞にもあるタブー 記者クラブ制度の制約 土田:東京新聞は、記者の一人ひとりが大事にされている。個人の意見を縛ることは、報道機関ではあってはならない。 マスメディアの問題として会社が強制するというより、記者クラブ制度などのために、政府に依存した取材をせざるを得なくなるという問題もある。もっと個人が物を言える関係にならなければという。 ◆青木:プライベートの時間をも縛る会社 新聞社の記者としての場面とは別に、私的な時間をも縛ろうとしている。その力が強まっていることが問題。みんなに伝えたいことも伝えられなくなり、圧倒的に情報量が減るということ。(自著を示し)この本を読んで初めて分かりましたと言う人が多いということは、十分に伝えられていない証拠でもあるので、今後も伝えていきたいと思う。 ◆書けないことも 青木:被ばくの問題が書けないために、起きていることを正確に伝えられないジレンマで記者が辞めていく。 ◆志賀原発の現状〜片付けてから記者に公開 青木:北陸電力は地震後の3月7日に初めて報道陣に志賀原発を公開した。正式には定期検査のため止まっていたということだが、実際は原発事故から13年間止まっていた。2号基については、最近再稼働を申請していた。 1、「物上げ場」の沈下 2、傍聴壁の傾き 3、1号機の直近の地割れ ◆嘘まみれの原発トラブル報道〜現場に行けないから起きること 土田:志賀原発は止まっていたというが、1999年に臨界事故を起こし、それを7年間隠していた。 青木:普通の事故なら、報道陣が現場にいけるが、原発事故は行かれない。発表者のいうことで報道するしかない。今回の発表も、くるくる変わった。いまだに北陸電力が記者会見を公開していないのも問題。 ◆会場から:担当替えの弊害/読者の応援! 青木:短期で担当が変わるのは問題。取材される被害者から「また一から話すのは苦痛だ」と言われる。新しい担当者には、本などを読んで、勉強をしてから行くようにとアドバイスしている。 土田:調査報道班のキャップ時代の経験では、裏取りが大事。自分たちで調べて証拠固めをしないと報道出来ない。記者クラブ制度の問題もある。記者クラブを通さず報道しようとすると、社の方が脅える。そこをしっかり信用されるようにしなければならない。それをしようとしたら社内で「新聞記者は、ジャーナリストではない」と言われた。やはり、社としてはもめ事は避けたい。 青木:北海道新聞の時の北海道警の裏金問題を取り上げた時、夜道には気を付けろなどの電話がかかってきた。その中でもやってこられたのは、読者からの応援の電話がすごかったから。応援電話の動機は、北海道新聞が負けるだろう…ということだった。 報道機関は何のために闘うのか。組織の既得権益を守るためではない。皆さんのためだ。その本来の姿に立ち返って頑張りたい。 ********************************************* ◎次回198号は4/10 東海林智さんをゲストに、非正規春闘特集の予定です。 Created by staff01. Last modified on 2024-03-27 10:03:53 Copyright: Default | |