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非正規春闘 : 介護現場の悲鳴が聞こえてくる〜低賃金・過重労働・集団離職

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 介護の質が低下し利用者の命が危ない! 2月21日、総合サポートユニオン介護保育支部は厚労省で会見を開き、介護現場の過酷な実態を訴えた。同ユニオンは、非正規春闘の一環として、介護職場3か所に10%の賃上げを要求しているが、あわせて国が介護職一律7万円の賃上げ予算を組み、他産業との賃金格差を埋めるように、同日、厚労省に申し入れた。

 会見で、サポートユニオンの池田一慶さん(写真上・左)は、「2021年には介護施設で高齢者の事故死が1159人に達している。主な原因は人員不足。人員配置基準を満たしていない施設はじつに53%にのぼっている。利用者の命を守るためにも賃上げ7万円が必要だ」と強調した。そして、特別養護施設老人ホームやサービス付高齢者住宅(サ高住)で働く3人が現場の実態を訴えた。

 桜町聖ヨハネホームの介護士・宍戸正博さん(写真上)は昨年から起きている「大規模な集団離職」について語った。「コロナの時には50人のフロアを3,4人で看る状況で、地獄ともいっていい過酷な状況だった。おむつ交換、入浴介助などが間に合わず、介護士は心身ともに悲鳴を上げた。経営者は独善的で、物言う職員にはハラスメントを行い、私も出勤停止1か月の処分をされた。コロナ後も事態は変わらず、昨年には20数名が一斉離職している。日雇いの介護単発バイト(カイテク)も入れているが、その場しのぎで介護の質の低下が止まらない」。

 宍戸さんは賃上げが必要だがそれだけでは解決しないという。「施設ではルール無視の独善的な運営が行われていて、労働者の声を聞かない。それが利用者や職員に災害をもたらしている」という。「サ高住」のケアマネジャー・安田雅裕さんも「事業の不適切な運営が多大のストレスを引き起こし、退職者が続出しイエスマンだけ残っている状況だ」と。またオンラインで訴えた「サ高住・シャングリラ」のAさんは「役所への申請書類もいいかげんで私は偽造までやらされた」と怒りをぶちまけた。

 総合サポートユニオンは、こうした介護業界の状況を少しでも改善すべく「非正規春闘」をたたかっている。2月29日(17時ー21時)には、介護労働ホットラインを実施する。電話番号は0120-333-774で、相談無料・秘密厳守とのこと。また厚労省に提出した「7万円上乗せ措置」の要請について、ユニオンは厚労省に3月6日までに書面回答するよう求めている。(M)

総合サポートユニオンHP


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