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はじまりはこれから〜「群馬の森」慰霊碑撤去に抗議し、アルタ前に集まった人たち

堀切さとみ


 1月29日、ついに「群馬の森」公園(高崎市)に建立された朝鮮人追悼碑が撤去された。怒り、悲しみは収まらない。2月10日午後3時、新宿アルタ前広場で抗議の街宣行動が行なわれた。中学生が作ったという『記憶 反省 そして友好』碑のレプリカの周りに、老若男女、あらゆる世代の人たちが集まった。韓国人やドイツ人の姿もあった。

 はじめに一分間の黙祷を捧げ、マイクアピールが行なわれた。呼びかけ人の1人、松本浩美さんは、連日『群馬の森』に駆け付けた。「撤去される前日、慰霊碑の前でお別れのイベントを開いた。それはおだやかなものだったが、右翼、機動隊が妨害にやってきた。『碑は紛争の原因となり、公園の機能を阻害するから撤去は適法』と最高裁は判断したが、平和な公園の機能を奪っているのは誰なのか」と訴えた。

 市民から見えないように完全封鎖して強行された撤去作業だったが、上空からの撮影をみると滅茶苦茶に破壊され、瓦礫の山になっていた。「追悼碑は日本の良心だった。それが目ざわりでしかたない人たちによって、処刑されたも同然だ。地元メディアは、県と結託しているのかと思うほど、背景を伝えなかった」と松本さんは怒りをこめた。

 また別の女性は、安藤ハザマが35年前に出した『ハザマ組の100年史』を紹介。「ここには、工事に動員されたのは強制連行された朝鮮人、中国人だと記されていて、その過酷な実情が残されている。歴史修正主義者は『強制連行はなかった』というが、おかしいではないか」。
 さらに、今回の撤去について、抗議は来ていないというが、群馬県と観光交流しようとしていた韓国・済州島知事が、山本一太知事に申し入れをしていることを明かした。

 作家の中沢けいさん(下写真)は、「群馬県は現行憲法下で4人の総理を出した。中でも小渕恵三さんは98年に日韓共同宣言、21世紀のパートナーシップ宣言を金大中大統領と交わし、日韓関係はなだらかなものになった。今回山本知事は、そんな平和な時代を粉々にしたのだ」と弾劾した。

 「上毛かるた」になぞらえて、「何度でもつくってやるぞ 追悼碑」「一太言う 多文化共生 口ばかり」など、群馬県らしいプラカードもあった。しかし、これは群馬県だけの問題ではない。強制代執行による撤去という行政権の乱用、史実を覆い隠すために使われた「政治的」という言葉。今回の「事件」は多くの問題を私たちに突き付けている。


*同じ場所で「新党くにもり」が日の丸を掲げて街宣
*チャンゴを演奏して怒りと悲しみを表す

 参加していた30代の女性は、次のように話した。 「壊すことを止められなかったけれど、今日ここに集まって、また再建するんだという動きがあることに希望を感じた。若い人も危機感を持ってSNSで発信している。これで終わりではなく、まだまだ続けていくべきだと思う」


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