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ズバリ!羽田衝突事故の原因に迫る〜「JAL青空チャンネル」は必見


アーカイブ録画(70分)

 2月1日放送の「JAL青空チャンネル」は羽田衝突事故を特集し、事故の原因と問題点にズバリ踏み込んだ。出演は、大ベテランの元パイロット杉江弘さんと元客室乗務員の宝地戸(ほうちど)百合子さんで、働く側の視点から大いに語った。

 飛行時間は1万4千時間をこえ飛行機を知り尽くした男・杉江さんはこう言う。
「事故の直接の原因は、管制官から言われた『NO.1』の意味を海保機が勘違いして滑走路に進入してしまったことだった。だが、管制用語『NO.1』の意味は、世界標準の教育を受けている民間パイロットならあたりまえに知っていること。海保機では教育がなされていなかったのではないか。また管制官のモニター画面には滑走路の危険を示す警告灯が点灯したはずだが、管制官が見落としたのではないか。その不幸が重なった。また、着陸する飛行機のパイロットからは、海保機が見えたと思う。最後の着地は100%目視で行うのが普通で、人間の眼と体感の能力は高い。ただこの飛行機には、着陸用のディスプレイ装置があり、その計器に眼が奪われていたのかもしれない。そのあたりが今後の調査ポイントになるだろう」。杉江さんは、さらにさまざまな問題点を指摘したが、一番の肝は、管制官の人員不足だという。「この間、取り扱い飛行機数が増えているのに、管制官はずっと減らされてきている。一人の仕事が過重で、こうしたモニターの見落としが起きるのではないか。十分な数の管制官を配置すべきである」。

 客室乗務員の宝地戸さん(写真上)は、「全員を脱出させた客室乗務員の人たちはよくやったと思う。3か所の扉からシュートを開いたが、後ろの扉を開けたのは20年以上のベテランの客室乗務員だった。コックピットとは無線も使えない状況で、機長からの指示はない。そんな中で、この客室乗務員は、長年の訓練と知識から自分で判断して、的確に動き後ろの扉を開けて乗客を救った」。今回は美談として語られているが、客室乗務員の働く環境は悪くなるばかりだと宝地戸さんは言う。「客室乗務員は長時間勤務だが、賃金は安くなる一方で、モノがいえない職場になっている。勤務評価は“笑顔”とかサービスばかりが強調され、保安要員としての役割が疎かにされている。今回、重要な役割を果たした20年以上働いている客室乗務員は、じつは職位は一番低い人だった。そんな人が重要なところで力を発揮した。今後の事故を防ぐためにも、安全よりの利益を重視するJALの体質を変えなくてはいけない。私たちの解雇争議のそのためにも頑張りたい」と。

 宝地戸さんは、客室乗務員として30年以上働き、組合でモノをいい、職場の改善と安全問題に取り組んできた人だ。そんな人たちが排除しようとしたのが、165人が解雇された2010年大晦日の「JAL整理解雇」だった。そのたたかいも14年目に入った。2年前のまやかしの解決案を許さず、宝地戸さんたちは「JAL被解雇者労働組合(JHU)」に結集して、たたかいを続けている。この争議は「労働者の権利回復」にとどまらず、国民一人ひとりの「空の安全」を守るたたかいでもあるのだ。(M)

「JAL青空チャンネル」サイト


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