Tweet

浅井健治＠週刊ＭＤＳ編集部です。

米連邦議会唯一のパレスチナ系議員ラシダ・タリーブさんに対する問責決議案の審議で同
議員が（時おり声をつまらせながら）行った反論スピーチをX(旧ツイッター)で視聴する
ことができます。
https://twitter.com/RepRashida/status/1721998463649431647?s=20

このスピーチの原稿全文が同議員の公式サイトに載っています。以下はグーグル・アプリ
による日本語訳に少し補整を加えたものです。
https://tlaib.house.gov/posts/video-tlaib-speaks-on-censure-resolution

−ここから−

議長、私は米下院議員を務める唯一のパレスチナ系アメリカ人です。ここでは私の見方が
これまで以上に必要とされています。私は黙らせられませんし、私の言葉を歪曲させませ
ん。

みなさんは、私がこの国で最も美しく最も黒人の多い都市であるデトロイト市の出身であ
ることを忘れています。そこで私は、たとえ声が震えても、権力に対して真実を語ること
を学びました。私をいじめたり非難したりしようとしてもうまくいきません。なぜなら、
停戦を求めるこの運動は一人の人間よりもはるかに大きなものだからです。その運動は日
々成長しています。

ネタニヤフ首相の過激主義に反対し、わが国政府が集団懲罰や肉を骨まで溶かす白リン弾
の使用を支持するのを見てしまった人が全米に何百万人もいます。彼らは、議長、政府が
行き場のない何百万もの人びとへの食料、水、電気、医療の遮断を支援するのを見てしま
いました。私と同じように、議長、彼らは戦争犯罪に対する答えはさらなる戦争犯罪では
ないと信じています。パレスチナ人の命を認めるのを議会と政府が拒否していることが、
私の魂を削り取っています。1万人以上のパレスチナ人が殺されましたが、その大半は子
どもです。

しかし、はっきりさせておきますが、私の批判はつねにイスラエル政府とネタニヤフ首相
の行動に向けられたものでした。議長、その国の人びとと政府とを分けて考えることが重
要です。批判の余地がない政府はありません。イスラエル政府を批判することが反ユダヤ
主義であるという考えは非常に危険な前例となり、それは米国全土で人権を訴える多様な
声を沈黙させるために利用されています。

議長、いま議場の外で自国政府が自分たちの人間性を奪うのを苦しみながら聞いている人
びとがどのような様子か分かっていますか？　彼らは、瓦礫の下で亡くなる子どもや親の
映像を次々と見ながら、自分たちが当選させた米国大統領が死者の数に異議を唱えるのを
聞いているのです。

議長、ヘイトクライムの増加に対する恐怖がどのようなものかご存じですか？　イスラム
嫌悪と反ユダヤ主義が私たちみんなの安全をどんなに脅かしているか知ることが。そして
、あなた自身の子どもがイリノイ州で6歳のパレスチナ系少年ワデアくんが味わったよう
な恐怖に見舞われるかもしれないと心配してください。

こんなことを言わなければならないのが信じられないのですが、パレスチナ人は使い捨て
ではありません。私たちは他の人と同じように人間です。私の祖母は、他のすべてのパレ
スチナ人と同様に、私たち全員が持つに値する自由と人間としての尊厳を持って人生を送
りたいと思っています。議長、命を救うために発言することは、信仰の如何を問わず、民
族の如何を問わず、この議場で論争の的となるべきではありません。パレスチナ人の子の
泣き叫ぶ声とイスラエル人の子の泣き叫ぶ声は私には何の違いもありません。私が理解で
きないのは、なぜパレスチナ人の叫び声がみなさんには違って聞こえるのかということで
す。議長、私たちは共通の人間性を失うことはできません。

イスラエル、パレスチナ、アメリカ全土そして世界中で平和を求める人びとの声が聞こえ
ます。私は、愛する人を亡くしたにもかかわらず停戦と暴力の終結を求めているイスラエ
ルの勇気ある生存者たちに触発されています。私は、全米の数え切れないほどのユダヤ系
アメリカ人とともに、平和運動のために立ち上がり、街頭に出、愛情を込めて「私たちの
名で戦争するな」と言ってくれている人びとに感謝します。

議長、私たちは引き続き停戦を求め、ガザへの緊急人道援助の即時提供、すべての人質と
恣意的被拘束者の解放、すべてのアメリカ人の帰国を求めます。私たちは、すべての人の
人権と尊厳を守り、イスラエル人とパレスチナ人の平和的共存を中心とする真の恒久平和
に向けて活動を続けていきます。誰をも非難しない、そして誰も、どの子も苦しんだり暴
力の恐怖の中で生活したりしなくてもよいことが保障される恒久平和に向けて。

ミシガン州の民主党員の71％が停戦を支持しています。ですから、私を問責することはで
きますが、彼らの声を黙らせることはできません。私は同僚議員たちに、大多数のアメリ
カ人とつながって、できるだけ多くの命を救うために即時停戦を支持するよう強く訴えま
す。バイデン大統領は一部の人だけではなく、私たちすべての声に耳を傾け、代表しなけ
ればなりません。大統領に対し、停戦と殺戮の終結を呼びかける勇気を持つよう強く求め
ます。

ありがとう。次に譲ります。

−ここまで−